【感想・ネタバレ】おばちゃんに言うてみ?のレビュー

あらすじ

東京から大阪の夫の実家近くに引っ越し、関西のノリについていけず疲れ果てた沙由美。モデルの仕事を餌に、詐欺師まがいの男にマウントされる華。ネグレクト育ちで転売ヤーとして荒れた生活を送る達也。大阪は岸和田のおばちゃん・小畑とし子が追い詰められた人々を勇気づける、抱腹絶倒&ちょっと涙のヒューマンドラマ!

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Posted by ブクログ

フォロワーさんの感想を読んで以前から読みたいなと想っていた作品。 
期待以上の面白さで久しぶりに一気読み!

コテコテの泉州弁のおばちゃんが強引にお世話をやいて相手の心を掬っていく様がとても暑苦しくも爽快で、読む者の心も掬っていくように思う。
強引だけど心があるから自然と相手の心を溶かしていくのかな

最終話では大阪のおばちゃんになっていった変遷も描かれていて過不足のない作品に仕上がっているように感じた。

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2025年01月19日

Posted by ブクログ

可愛らしい表紙とタイトルに魅かれて手に取った。

こてこての「大阪のおばちゃん」が主人公。

早口でまくしたてられるツッコミは、
グイグイ相手の心に入り込み、
振り回されつつ、やがて、引き込まれてしまう。
すごいパワー!

お嬢様学校を卒業していながら、
数ある困難を乗り越え、へこたれることなく、
ここまできたのは、タレント事務所の社長の力も大きい。
おばちゃん同士の結束と助け合いが、おせっかいの源だ。

どうなることやら、と、ハラハラしつつ、
何だかあったかい気持ちにされた。

岸和田のだんじり祭り、
その地に根付く祭りの意味、
その地で生きる人々の思い、
胸が熱くなって、思わず涙が出た。

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2024年08月11日

Posted by ブクログ

the大阪のおばちゃん。本当に大阪のおばちゃんは、「せいせいせい」と言うのか笑。前半は、悩みを抱える人たちに、大阪のおばちゃんキャラでぐいぐい絡んで、そうくるかという感じで関わっていくのだが、後半は大阪のおばちゃんも悩んでたり僻んだりと人間らしさが表れていた。それでも、太陽のような存在感であるようにと自分を奮い立たせて。最後の、若者たちの葛藤や人情味が溢れていて、内面がよく表現されていた。

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2025年08月25日

Posted by ブクログ

軽いコメディタッチのハートフルストーリーかと思って読み始めましたが、後半泣かされました。

コテコテの大阪のおばちゃんが主人公。
5章からなる本作は、前半3章では人生につまづき悩む20~40代の男女がおばちゃんに出会い、もう一度前を向いて自分の生き方を見つめ直す姿が描かれています。
強烈な個性でぐいぐいと距離を縮めてくるおばちゃん。初めは戸惑い、不快に感じる登場人物達ですが、遠慮なく本質を突いたおばちゃんの言葉は彼らの心に刺さり、跡を残し、気付きを与えます。
個人的には第3章の「道頓堀の転売ヤー」が沁みました。

そして4、5章でおばちゃんの半生と現在が描かれます。
前半の中でも、おばちゃんには何やら事情がありそうだぞと読者に思わせる描写があるのですが、蓋を開けてみるとそれは辛く苦しいものでした。
おばちゃんの懐の深さ、すごいなぁ。けれど強いだけじゃなくて、弱さも可愛らしさも残ってて、なんとも魅力的でした。

私よりもう少し上の世代の方が読むと、より心に刺さりそうだし理解や考察も深いのではないかなとも思います。

ここ最近、子ども関連の本が続いたので趣味としての読書が楽しめた1冊でした。
この本の存在を教えてくれたフォロイーさんに感謝。

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2024年10月04日

Posted by ブクログ

大阪のおばちゃんを売りにしたタレント兼主婦。赤の他人の面倒見てやる切符の良さと威勢の良さ。でも最愛の息子は障害者だった。

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2024年08月05日

Posted by ブクログ

 どないしたん、えらいつらそうな顔してるで。おばちゃんに言うてみ? 言うたら気持ちが楽になるかも知れへんで。

 大阪は岸和田のおばちゃんが、悩める人たちの心を元気にするヒューマンドラマ。
          ◇
 スマホを見ていた正岡沙由美は、急に話しかけられて驚いた。ヨガウェア姿の沙由美を下着姿の高齢の女が見つめている。

 ここは岸和田駅前にある貸しスタジオの更衣室。着替え終わった沙由美は蛍光オレンジのトップスとダークグリーンのスパッツを身に着けている。
 件の女はそのウェアを指差して「ニンジンみたいでええなあ。スタイルがええもんな」
と言うが、沙由美は褒められている気がしない。

 その女がさらに「わたしなんかがそれ着たらカラスウリに見えるで」と言うと、側にいた別の女が「カラスウリちごて赤カブやろ」
とちゃちゃを入れてスタイルを揶揄する。
 言われた方がすかさず「赤カブこんな色ちゃう。赤カブいうたら赤やんけ」と突っ込むと、「ほならパプリカや」と倍返しで返ってくる。まるで漫才のようだ。
 沙由美は、この騒がしいだけのノリについて行けず、そっとため息をついた。

 沙由美は東京の世田谷から大阪南部の岸和田市に越してきたばかりだ。
 結婚間もない夫が突然会社を辞め、個人で仕事を始めたものの借金を膨らませて岸和田の実家に逃げ帰ったのがつい先日のことだった。

 否応なくついて来るしかなかった沙由美にとっては、初めて触れる大阪のコミュ文化に馴染めないばかりか、ここ岸和田の人たちの驚異的な馴れ馴れしさは恐怖ですらある。
 ヨガが趣味の沙由美を気遣った姑の勧めで試しに来てみたヨガ教室だったが、沙由美は早くも後悔していた。
   ( 第1話「岸和田でヨガ」) ※全6話。

      * * * * *

 大阪の「おばちゃん文化」が描かれていました。コッテコテのイメージとしては次のようなものでしょうか。

〈性格〉
・好奇心旺盛。
・おせっかい。
・馴れ馴れしいほどフレンドリー。 
・ずうずうしく押し付けがましい。
・涙もろい。
〈ファッション〉
・茶髪でショートカットのチリチリパーマ
・ヒョウ柄やトラ顔プリントの服
・太めや大きめのアクセサリー
〈その他〉
・大声で早口。
・飴や蜜柑などを気軽にくれたりする。

 まさにイメージのままの「大阪のおばちゃん」が登場します。物語では、小畑とし子という女性がその代表格です。

 とし子は、確かに生まれも育ちも現居住地も岸和田という生粋の岸和田人ですが、近年は地元の芸能事務所に所属し、「大阪のおばちゃん」キャラの需要に応える形で芸能活動をしているタレントなのです。
 だから、とし子は型にはまった「大阪のおばちゃん」を演じているとも言えます。 ( ただし適性はあったと思われます。)

 第1話〜第3話の主人公は、人生がうまくいかない若者でした。若者たちは、偶然知り合った小畑とし子のおばちゃんペースに巻き込まれていきます。
 困っている人を見ると放っておくことができない「大阪のおばちゃん」のおせっかいにはじめはとまどい苛つく若者たち。
 けれど、どう抗おうと親身になってグイグイくるとし子に、つい悩み相談をしてしまいます。そして気づけば、泥沼から抜け出すパワーを若者たちは身につけているのでした。

 このコメディパターンで行くのかなと思っていると、第4話から路線変更。
 とし子の半生と現在抱えている事情が明かされ、しんみりした人情話主体のヒューマンドラマへと切り替わります。それでも暗い展開にならないのはさすがです。
 クライマックスで描かれる「岸和田だんじり祭」も、物語をいい意味で盛り上げてくれていました。

 途中で転調はありましたが、全話を通して「人間にとって、あるいは人生にとって大切なものは何なのか」を考えさせてくれる筋立てで、読んでよかったと思える作品です。
 映画を1本観たような、少し哀しくてほっこり笑えるハートウォーミングストーリーでした。

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2024年04月07日

Posted by ブクログ

初読みの作家さん。
「おばちゃんに言うてみ?」って~
この装丁からして
「ちょっと笑かしてくれるん?」
軽~いノリで読み始めたら
不意打ちを食らってしまった。。。

5編の連作短編集。
3編までは悩みを抱える3人に
持ち前の大阪のおばちゃんパワーで体当たり。
関西人ではない3人は
最初は大阪のおばちゃんに恐れおののくのだが
とし子のおかげで見失っていた自分に気付いていく。
そして後半でとし子は
大阪人の私に体当たりしてきた~
「笑わしてくれるんちゃうの?」
「あかん、泣いてしまうやん~」


なあ、そこのあんた。
何か辛いことあったん?
そんなしょぼくれた顔せんと、
大阪のおばちゃんに言うてみ?
一緒に笑って、一緒に歌って、大きな声出して、好き勝手なこと言うて。
そしたらきっと気ぃ晴れんで。
きっときっと、楽しなるで。
やなことあっても、明日も頑張ろ、って思えんで。
何でもええからとにかく生きといたら、また祭りの日は来んねんで。
(引用:「おばちゃんに言うてみ?」)


以前、ご主人の転勤で大阪に引っ越してきた友人が
「大阪のおばちゃんの距離感に慣れない」と言ったことがあった。
電車で隣に座ったおばちゃんが急に話しかけて来て
降りるまでずーっと話していたことがある、とか
スーパーで買い物をしていたら
隣からおばちゃんが「それは〇〇の方が安いで」と
急に言って来た、とか。
大阪人の私にとっては”あるある”だけど…

私も大阪のおばちゃんなので
毎日笑って、頑張ろー。
たまには泣き笑いの時もあるかもしらんけど。。。

笑って、泣いて、ちょっと元気になれる一冊でした。

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2024年03月07日

Posted by ブクログ

あぁ、、、数年前亡くなった
あの人を想いだす
って思ったら、やっぱり取材してた!
大阪のおばちゃんにも、
生きて経験したからこその
芯の通ったコミュ法がある

けど、弱さもある
ただのおばちゃん

だから、好かれるのかも

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2024年02月11日

Posted by ブクログ

関東人の私がイメージする大阪のおばちゃんそのままのとし子さん。
偶然出会った人にガンガン話しかけ、自分のペースに巻き込み、知らずに人助けになってしまう。
コテコテで面白いなーと読んでいたら、『道頓堀の転売ヤー』で胸が熱くなる自分にびっくり。
とし子さんが大阪の神様に見えたよ。座敷わらしの大阪おばちゃんバージョンかと!

表紙がこの本の魅力を伝えきれてないのが残念。

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2023年12月06日

Posted by ブクログ

うわ!かなんわ
大阪弁炸裂やん
わたし大阪ちゃうけどな、
知り合いがおるんよ、岸和田の隣の街に

〈 大阪は岸和田のおばちゃん・小畑とし子が追い詰められた人々を勇気づける、抱腹絶倒&ちょっと涙のヒューマンドラマ!〉

おばちゃんもな苦労あるんやなあ
そやから人のこと世話やくんや

知った街、おばちゃんたち
楽しませてもらいました
暑苦しいけど 好っきゃねん

≪ 暗い顔 聞くでなんでも ほら笑い ≫

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2024年06月19日

Posted by ブクログ

これぞまさしく大阪のおばちゃん。あまりの勢いに本をめくる手が止まらない。が、私はあんな大阪弁であんなに捲し立てられるのは苦手だ。

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2024年05月20日

Posted by ブクログ

タイトルに引かれて。私も大阪出身なので気になり手に取りました。

大阪のおばちゃん・とし子の畳み掛けるようなしゃべりがすごい…キャラ濃いなぁ。
短編集ですが、おばちゃんのちょっと(?)強引なおせっかいが悩める人たちを救うストーリー。

『人に話すと、そんだけで結構楽になんねんで』

悩みを吐き出せる相手がいる、話を聞いてくれる人がいる。自分のために一喜一憂してくれる人の存在って大きい。

登場人物たちみんなそれぞれの事情で悩んでて苦しそうだったけど、なかでもとくに印象に残ったのは「道頓堀転売ヤー」
悲しくも虐待のニュースが絶えないけど、ある点において改めてネグレクトの罪深さを認識した。

もう1つは最終話の「だんじり祭」。
いつもエネルギッシュな大阪のおばちゃんも色々抱えてる。人生色々。
自らに言い聞かせ鼓舞してる、頑張ってる姿はすごいけど心配になりました。

大阪のおばちゃんパワーが炸裂してる作品。
みんながみんなそうじゃないけど、騒がしくて人と人との壁が低い。
それが本作では誰かを救う良き出会いになってて良かった。
通りすがりでも、どこかで誰かの言葉に救われるといい✨

『なぁ、そこのあんた。何か辛いことあったん?そんなしょぼくれた顔せんと、大阪のおばちゃんに言うてみ?』

作品で久しぶりに触れる大阪弁が懐かしかった。
私の地元にも「だんじり祭」があるので祭りに関するワードも懐かしかったです。

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2024年02月23日

Posted by ブクログ

誰かと知り合って仲良くしていても、見えているのはその人の一面に過ぎない。

ステレオタイプな「大阪のおばちゃん」を描いて面白い話のようになってるけど、それをわかってて演じてるおばちゃんの人となりがなんだか愛しくなる。

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2024年01月08日

Posted by ブクログ

グイグイとお節介をやくとしこさん、そして人の心を動かして笑顔にさせてくれる。そんなおばちゃんにも暗い過去、そして家庭問題もある。

ネタバレなのでこれを読んでる方は注意です。
息子は事故で、しかも彼女を迎えに行く途中のバイト事故で寝たきりに、義母は容赦ない嫁いびり。旦那は亭主関白。何も悩みがないと思っていたら問題を抱えていて、しかもわがままだった。そして息子の彼女に甘えたり、嫉妬したり、感情の起伏も激しい。
そんなおばちゃんの内面を後半に持ってきて裏切られた、最初に持ってきてどうして明るく人を元気にさせてくれる人になったのかに繋げてほしかったと思ったが、人は多面性があり、出会いによって人生が激変するのだと教えてくれた。
おばちゃんは芸能事務所の社長が自殺しようと考えていたおばちゃんを助けたことから明るくなったし、おばちゃんの出会いで明るくなった人たち、人の出会いは大切なのは分かったが私みたいな飽きる人、人嫌いな人はどんな出会いでどんな変化を遂げるのだろうか。人嫌いは治るのかなぁ。

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2023年11月13日

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