知野みさきのレビュー一覧
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202111/シリーズ3作(飛燕の簪、妻紅、松葉の想い出)まとめて。
昔の作品を改題しシリーズ化したもののようだが、今回初めて読んだ。職人モノという設定にひかれ購入したら正解、面白かった!出てくる小間物や主人公の刺繍の描写も良くて、めちゃめちゃ欲しくなってしまう程。双子の童しろとましろのファンタジー加減も、この時代モノの世界観を邪魔することないちょうど良さ。各話の展開に偶然要素や都合良さはあるものの、人物造形が良いので興ざめすることなく楽しめた。気の良い長屋の面々との助け合いもあたたかい。シンプルな文章でグッとこさせる描写(第一話作中の『これまでに、一体どれだけの「仕方のないこと」を飲み込んで -
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202111/シリーズ3作(飛燕の簪、妻紅、松葉の想い出)まとめて。
昔の作品を改題しシリーズ化したもののようだが、今回初めて読んだ。職人モノという設定にひかれ購入したら正解、面白かった!出てくる小間物や主人公の刺繍の描写も良くて、めちゃめちゃ欲しくなってしまう程。双子の童しろとましろのファンタジー加減も、この時代モノの世界観を邪魔することないちょうど良さ。各話の展開に偶然要素や都合良さはあるものの、人物造形が良いので興ざめすることなく楽しめた。気の良い長屋の面々との助け合いもあたたかい。シンプルな文章でグッとこさせる描写(第一話作中の『これまでに、一体どれだけの「仕方のないこと」を飲み込んで -
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ネタバレ『上絵師 律の似面絵帖』その5。
鞠の意匠をあしらった「鞠巾着」が評判を呼び、池見屋の女将・類からも少しずつ認められてきた律。
涼太との祝言も決まり、結納も済ませ、あとは祝言の日を待つばかり。
鞠巾着が縁を呼び、新たな出会いや思いもかけない事件が…
仇討ち案件に続き、涼太との恋模様案件が決着してスッキリしたせいか、『絵師』の物語としてようやく面白くなってきた。
似面絵が人の記憶を結ぶ縁になる、三つ目の「老友」が良かった。
鞠巾着の偽物が出回った事件で、池見屋の女将・類の言葉が、これからの律の道を指し示している。
「確かにお前とお律の腕はどっこいだ。(中略)お前がまだうちから仕事が欲しい -
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ネタバレ光太郎・孝次郎の「こうの字」兄弟が活躍するシリーズ第3巻。
吟味した材料に創意工夫を重ねた菓子は評判をとり、二幸堂は大繁盛。
前巻で、光太郎がお葉と祝言をあげて終わったので、次こそ!と期待したとおり、暁音との祝言にこぎつけて、めでたしめでたし。
草笛屋とのいざこざも大したことはなかったし、店を広げることも人手不足も解決。
光太郎の根付職人としての腕がいかにも惜しい…という場面が出てくるので、妻子を養うためには仕方がないと、ついに光太郎が二幸堂から離れてしまうのでは…?
それとも暁音を巡ってすごい強力なライバルが…?
などと、ありがちなヤマ場を予想していたけれど、さらりと完結。
…と、こう -
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シリーズ第三弾。
前巻で兄・光太郎がお葉と祝言を挙げ、二幸堂にお葉と連れ子の小太郎が移ってきます。
一方、弟・孝次郎は暁音と“恋仲”ではあるものの、きちんと所帯を持つ事をはぐらかされている状態です。そんな孝次郎に対して、同じ長屋に越してきたお春がアプローチをかけてきます。お春の行動の裏に隠された事情とは・・。
兄弟の仲の良さと、孝次郎のつくるとびきり美味しそうなお菓子が魅力のこのシリーズも本書で完結との事。
幼少期の悲惨な経験から、自分が幸せになる事にふみきれない暁音さんの事、そして前の奉公先・草笛屋の経営困難との噂など、心揺さぶられる事が続きますが、ひたすら実直な孝次郎と、彼を支える二幸堂 -
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ネタバレ一巻二巻ととても面白く読んだのですが、三巻で急にバタバタして終わってしまった…という感じ。事件も、光太郎兄が帰って来なくなって心配…それはお七さんにでも見てきてもらったら?とか(それまで修行と称して行ったところですよね?)暁音さんことや最後のお春さんの○○を取り戻し…というのも、無理では?とか、は?なんで?という甘さが散見され、急いで書いたのかどうなのか、文章もこっちを説明したらこっちに飛んで…と読みにくさを感じました。お菓子がほんとうに素敵で、ひとつひとつのエピソードを積み重ねてお店も評判になっていって…と夢中になって読み進めていただけに、よけいな事件など入れずにじっくり読ませてほしかった。