知野みさきのレビュー一覧
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三巻で完結なんて…と思っていましたが大団円で終わったので良かったです。
収まるところに収まって一安心でした。
三巻で出てきた人も多かったですが…友比古さんがお七さん過ぎて好きでした。
お菓子も今回も美味しそう。「結葉」「家路」と、百合根の茶巾絞り…食べたい。
あと、光太郎が作った根付を見せびらかすおじさまたちがかわいい。
美味しかったり、素敵だったりするものに称賛を惜しまないの、良い考え方だな。自分には自分の、持って生まれた才がある、出来ないことは得意な人に、自分は自分の出来ることを精一杯…というのも。
一巻を頂いて出会ったシリーズでしたが、良い本でした。 -
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2巻も面白かったです。
これまでの人達もあったかくて安心感がありますし、孝次郎の草笛屋での弟子・八郎と太吉、そして二人が新しく働くことになった羊羮屋の余市も良い人達です。特に余市さんよい。
悪いことを企む人達は成敗されていく勧善懲悪だけれど、事件は結構シビアなのもよいです。
だからかえって、孝次郎の作る和菓子か美味しそうで。
冬虹の綺麗さと蓮を使ったお菓子!となりましたが、特に気になるのは、琥珀糖「夕凪」と粟まんじゅう「日向」。夕凪と日向のエピソード、素敵でした。
お七さんの食レポがもう!食べたくなって困ります。お七さん大好き。「わたくしめが」「お任せあれ!」かわいい。
装丁の二幸堂のお菓子の -
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時は江戸時代。着物や商人の前掛けなど、布に家紋や絵を描く上絵師として自立を目指す女性職人の活躍を描く短編集。
シリーズ第1作目となる本作は、主人公の律がなぜ上絵師として独立しようと決意したのか(江戸時代においては女性は若くして嫁ぐため、女性の職人は珍しい)、その経緯と苦悩が丹念に描かれている。また、上絵師を目指す傍ら、ひょんなことから始めた似面絵(似顔絵)が、様々な依頼解決の手掛かりになるというストーリーも見逃せない。上絵師として成長していく姿と似面絵描きとして活躍する姿の複線構成になっているので、どちらに比重を置いて読むかで、面白さが変わってくるように思う。
依頼解決なのでミステリー要 -
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ネタバレ面白かったです。
去年の誕生日プレゼントに文通友だちから頂いた本です。初めての作家さん。美味しそうな表紙の本はチェックしてたのですがこちらはノーマークだったので嬉しいです。
冒頭から辛いシーンで、えっこの子亡くなるの!?と思いましたが生きていてほっとしました。
このことが兄弟に強い影を落としていて、孝次郎も遠慮しているし光太郎も遠慮してるし…なのですが最後には蟠りも解けて良かったね、となりました。
孝次郎の作る和菓子も美味しそうで。素朴なのですが食べてみたくなります。
兄弟のキャラも良いですがお七さんが好きです。お節介も過度ではなく弁えてるし、でも隙有らば和菓子の味見をしようと狙っているのが可 -
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鈴守なる子供の神様を巡って繋がれる様々な人間模様を描くファンタジー小説だ。神様は人間の住む世界のすぐ隣りにいながら、別の秩序、時間の中で生きている。でも、一部の人間とは交流が可能であり心を通わせることもできる。神というより、精霊とでも言うべき存在であるが、それが最後には時間と空間を超えて人や場所をつなぐ鍵となっているという話だ。
構成がうまく、引き込まれる内容である。日常とは別の世界で生きる存在を軸にするモチーフは他にも色々あるが、いつまでたっても成長しない子どもの神様をそこにおいたことによって緩和をもたらす存在として機能しているのがこの話の特徴だ。
産土神の信仰がどんどん薄れていく中に