知野みさきのレビュー一覧
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ネタバレ子供の頃、火事にあって大火傷の跡が今も残る孝次郎。口下手だが、仕事は丁寧な菓子職人だ。先代の主人にも気に入られていた。ところが先代が死に、息子の代になると、職人としての腕を見込まれていた孝次郎は、同年代の跡取り息子からいじめにあい、餡ばかり作らされていた。
もう、とうに御礼奉公も終わったはずなのに、のれん分もまだで、手代の賃金もままでもあった。
兄、光太郎は役者にしたいほどのいい男ぶりで、弁舌も滑らか、手先も器用で父親の後を継いで、根付職人をしていた。
その兄が、突然奉公先にやってきて、その待遇の悪さを論い、御礼奉公、年季もとっくに明けたはずと、孝次郎を店から救い、二人で二幸堂という店を始 -
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ネタバレ期待を込めて。
この作家さんのいいところは、キャラクター作り。
そしてその一人一人に実にいい台詞を吐かせる。
今回のこのシリーズ、みが3巻目が発売されるが、一度は江戸を捨てて上方へ行って人生のやり直しをと思っていた、真一郎。父親は矢師で、江戸に出てきたものの、剣とは違い、弓矢を稽古するものの数が圧倒的に少ないご時世。
なかなか生活もままならない。
親方でもある父親の死もあり、仕事もやめて一切合切売り払い、、、の矢先。
親子連れのスリにあい、その資金もなくなる。
そんな時に久兵衛という隠居が自分の家作である長屋に誘う。そこは面打ちのお多香。笛師の大介。目の不自由な二胡奏者、お鈴。頑固な鍵 -
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ネタバレ主人公「咲」は、職人の父や母を亡くし、妹と弟の親代わりに頑張る女繍箔師だ。
それというのも、繍箔師の元に女中として住み込みで働く咲が母親譲りの縫い物が上手なことを親方に見込まれ、ついには弟子として教え込まれたからだ。
女ならではの丁寧な仕上げと、咲独特のデザインセンスが受け、今では名指しで注文も受けるほどだ。
住んでいる長屋は、みんな職人が多いので、余計に気心が通じて仲の良い長屋。
たまたま小さな稲荷神社を見つけてからという者、次々と不思議な縁が続いた。。。。
評判の修次という簪職人、双子の不思議な少年。
次々と事件が続く。。。。 -
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ネタバレ二月をかけた着物の上絵をやり遂げた律だったが、その後は再び巾着の製作に。
だが、なかなか類に褒められず数は前と同じ2枚。
同じ仕事人に負けている。
涼太との結婚話は進み結納を済ませる。
新しい図案、手鞠柄を作ると、それに人気の火がつき、偽物も出る始末。
いろいろな人から新しい注文が入り、同じ待つなら、倍額で完全オーダーの巾着をとの客も増える。
仕事を通し、成長してゆく律。
『みをつくし〜』シリーズは料理と友情、人としての成長が主題であったが、このシリーズは女性の少ない分野でのことだけに、女性の自立と成長、プラス事件の解決と捕物も加わり、なかなかスリリングな展開が多く充実の内容。 -
購入済み
次読みたくなります‼️
上絵師の律とお茶問屋の跡取り涼太が紆余曲折後やっと結婚してからの物語。二人を軸に描かれている女性達が生き生きしているので、時間を気にしながらも一気に読み終わった。男と女が絡み合いながら物語が進んでいくが、律と最後まで絡む百合の生き方は見事すぎて、現代でもこう生きたいものだと思わされる。百合が縁切り寺東慶寺から帰り一人になってどんな生き方をするかも、涼太と律との物語の中で描いていただきたいと願うところである。