知野みさきのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
上絵師律の似面絵帖、シリーズ4作目。
両親を亡くし、年の離れた弟・慶太郎も巣立ち、父の手伝いをして覚えた絵の仕事で身を立てようとしている律。
小物に絵を描く方は軌道に乗っていたのだが。
着物の柄を描く上絵の仕事は、なかなか入ってこない。女性の上絵師というのは、まずいないのだ。
人探しや、事件の捜査のために、頼まれて似面絵(似顔絵)を描いたのが解決に繋がり、その評判の方が高くなっていました。
一方、涼太の店が、新茶に古い茶葉が入っていたという事件を起こす。
商売敵の企みによるものだった‥
跡取り息子だが手代として修業中の涼太。
一人前になれば、律との結婚を進めたいと願っていたのです。
店が -
Posted by ブクログ
上絵師律の似面絵帖、シリーズ3作目。
父を亡くし、裏長屋で一回り下の弟を育てながら、上絵師を目指している律。
2巻目で父の仇が明らかとなり、幼い弟はしっかり奉公先を決めてくる。早めではあったけど、当時としては異例なほどでもないのですね。
幼馴染の涼太とは、ほのかな想いが通じ合うように。
と、展開があった後、さて?
上絵師とは、着物の柄を描く絵師。
粋人として知られる雪永が親しい女性に贈りたいという着物の絵を頼まれる。
小物の絵を請け負ってきた律は、待望の仕事に張り切ります。
しかし、なかなか納得してもらえず、その女性・知恵に会わせてもらうことに。
過去の経験で記憶が混乱している知恵。その気 -
Posted by ブクログ
上絵師・律の似面絵帖シリーズ第8弾。
不幸な出来事があった律だが、より一層、仕事に励むことに。今回の着物の依頼は「雷鳥」だ。
私自身も雷鳥は立山に行った時に1度見ただけの鳥であるのに、律の時代なら見たことがない人が殆どであろう。ここでは白山(石川県)信仰が語られており、そこにも昭和初期までは雷鳥がいたらしい。
再び2009年に絶滅とされていた雷鳥が発見されたらしいが、この歳になっても白山には行ったことがなく、雷鳥の件も知らなかった。写真などなく、文献も少ない時代に雷鳥の意匠に挑戦する律は凄いなぁ。小説に影響されて、白山にも行ってみたくなりました。