新旧含め話題のミステリ作家が定番の名探偵を使って短編を書き、杉江松恋がミステリ論を展開する入門書。最近のミステリのみを読んでいる大人にも超おすすめの一冊です。なんとなくスルーしている昔の定番名作も紹介されていて、読みたい本が増える危険な一冊でもあります。ルビあり、229ページ。中学年ぐらいから大丈夫ですが、多くの子が読めるようになるのは高学年くらいからかなぁ。各中表紙に探偵挿絵あるのと、ミステリ論ごとに四コマまんがあり、手に取りやすくなっています。紹介される小説は完全に大人向け。
「パブリック・スクールの怪事件」 楠谷佑
ホームズとワトソンが男子寮で起こった事件を解決します。
「アルセーヌ・ルパンのお引っ越し」辻真先
ルパンがマスコミ人士に隠れ家への招待状を送った。狙いはいったい何?
「キャロル・ハートネル大いに憤慨す」 斜線堂有紀
エルキュール・ポアロがやってきて料理に文句をつけられた田舎のレストラン。ここは二人の女性でやっているのだが、ショックで引っ込んでしまった女性に接客を続けた女性が、昨日ポアロが語っていたことを教えていく。この近くでかわいそうな老婦人が死んだでしょう?
「一つの石で二羽の鳥を殺す - To kill two birds with one stone. 」 水生大海
つてを頼って相談を持ち掛けた老嬢(マープル)は相談者のカーラからお茶をしながら話を聞く。二週間前に父から突然電話がかかってきたのです。「後妻のダイアナを殴り殺してしまった」と。様子を見に行ってもらうと父は一階の書斎で死んでいて身体から二発の銃弾が見つかりました。のたうち回って暖炉で服に火が付き、あたり一面焼けてしまいました。
「シチリアオレンジジュースの謎」青崎有吾
警視の父に現場に行こうと言われたエラリィは見に行った劇がすばらしく今は創作に取り組みたい、今度一緒に見に行こうと言うと、今回の現場はまさにその俳優が殺されたんだよ、と言われ捜査に参加する。指紋などから犯人は特定できたように思えたが、エラリィは空になっていたオレンジジュースを飲んだのが誰か気になる。
「オムレツは知っていた」阿津川辰海
ネロ・ウルフは解決するために三人のコックにオムレツを作らせた。わざわざ、自分のコックに厨房を明け渡せさせてまで。
「南洋のアナスタンア」福田和代
ジェイムズ・ボンドが南洋のフルマーレ島で罠にかかってしまった。ボンド、危機一髪!
▼解説について
解説のたびにおもしろそうな本をたくさん紹介してありましたが、私があれなんだっけなーと心にひっかかっていた「推理クイズ あなたは名探偵」学習研究社が引用されていて、すごくすっきりしました。ググったら表紙が出てきたし。懐かしい。気になっていたトリックは「密室の行者」ロナルド・A・ノックスでした。江戸川乱歩編「世界推理短編傑作集4」創元推理文庫に所収されているそうです。