本村凌二のレビュー一覧
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ローマ皇帝が次から次へと交代して、次の皇帝へと繋がっていく様子は何かに導かれているみたいだった。
そして、どんなに帝国が繁栄したとしても最後にはローマ帝国の滅亡という悲劇が待っている。
しかしどんな結末になろうとその時代の中で民衆や皇帝たちは理想を抱いて生きていたことがわかる。
その結果、ローマ史は約二千年もの長きにわたって続き、印象に残るような皇帝を何人も生み出してきた。
彼らは人間味に溢れ、何かしらの魅力があり、面白かった。
またローマ史の全体像を知ることで現代の難民問題を知ることに繋がり、歴史を学ぶことの重要さを感じることもできた。 -
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なんと言ってもカルタゴとローマの壮絶な戦い、ポエニ戦争の記述がいい。
なかでも「ザマの戦い」。ローマとカルタゴの大決戦の前日における両軍の総大将、ハンニバルとスキピオの対話。歴史家ポリュビオスの創作かもしれないが、とてもいい。とにかくカッコいい。映画のワンシーンみたい。
チュニジアにあるカルタゴの遺跡に行って、ハンニバルとスキピオと同じ空気を吸ってみたいものだ。
地図帳を開いてみる。よく見るとチュニジアとイタリアはとても近い。驚くほど近い!
こんなにもエキサイティングなのに、高校のとき使った世界史の教科書。ポエニ戦争の説明はわずか数行に留まる。 -
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本村先生著作の4作目です。
元々、ネットでの10分講義番組だった内容を本にまとめたというのを最後の後書きのところで知り、いかにも!という感じだったなーと感じました。かれこれ何作も読んでいるので、知っている内容も出てきますが、そこは分かるようになった自分が嬉しかったり。
タイトルの通りですが、古代ローマと江戸時代との類似性に関する内容です。人間、平和を満喫出来るようになるとやることは似通ってくるものなのか、では何故200年も平和を続かせることが出来たのか。その辺が分かるようになると現代の我々にも役立たせられると思います。今の日本では生まれてから戦争を経験したことがない人の方が圧倒的大多数になっ -
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歴史の概要と、キーマンとなる偉人の面白エピソード
以下、公式の説明と目次
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すごいとやばいで
世界史の流れが深わかり!
なにか「すごい」ことを成しとげた人は、歴史に名前が残ります。
でも「すごい」だけの人なんて、この世にはひとりもいません。
生まれた場所や時代によって、人の評価はガラリと変わる。
たとえば、ある国から見れば「すごい」人も、べつの国から見るととたんに「やばい」人になることもあります。
けれど、歴史に名を残した人に共通しているのはそれぞれみんな、一生懸命生きていること。
ときに失敗し、そこから学び、たまに成功する。
カッコいい一面もあれば、ダサ -
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面白かったです。
さすがのローマ史の先生です。
以前に同じ著者先生のローマの本を読んだので被っててつまらなかったらどうしようかと思ってましたが杞憂でした。
今作はローマの社会構造や文化や宗教に比重が拠っているように思えました。ローマでカエサルだ、五賢帝だ…と皇帝や周辺国家との争乱を描いた本はたくさんあると思いますが、こちらは他にはない感じの立ち位置からの本だったので読んでて面白かったです。読み終わるのが勿体無いくらいでした。
本筋とは逸れますが、読んでて一番びっくりしたのが、ローマの建国神話というと狼に育てられてる姿を描いたブロンズ像が有名でよく出てくるかと思いますが、あれ別モノなんですね -
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オーディブルにて。
著者の本村さんの古代ローマ史に対する深さと、幅広い世界史への知見をベースに書かれていて、すごく面白く読めるものだった。
比較対象も、ヨーロッパ世界に限ることはなく、中国との比較であったり、古代、現代の比較であったりすることも興味を掻き立てる一因であったとおもう。
「民族移動」「共和政とは何か」などのテーマの立て方も面白かった。
目から鱗のように思えた話は、宗教に絡み、昔(といってもラスコー洞窟などの先史時代)、人々はそれぞれが神の声とでもいうべきものが聞こえていてそういったものに従って生活していたが、文字などができるにつれ、その能力も衰えていき、一部の巫女的存在のみが神の