本村凌二のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ地中海生家の歴史4
・「若き英雄 アレクサンダー大王の一生」河津千代を小学校6年生の頃何度も読み返したのを思い出した。アレクサンドロスの遠征譚は戦闘の奇術も少なく平板。
・アレクサンドロスの遠征によりヘレニズム文明が誕生。
共通語コイネー、ムセイオン、建築・彫刻様式、自然科学
神々との関係においては、エピクロス派は人間界は神界と隔絶しているから人間界のことを思索するうえでは神々は無関係、ストア派は神々の力は人間と自然のあらゆるところに及ぶ故にロゴスにより生きるべき。
・共同体から離れたデラシネとなったコスモポリタンが求めた心性は、共同体の救済ではなく個人の救済であり、ディオニュソス信仰の狂騒と -
Posted by ブクログ
以前に「教養としての「ローマ史」の読み方」を読んで面白かったので同じ先生の話を読んでみようと手に取りました。表紙もそっくり。
でも、すみません。前作の方が圧倒的に面白かったです。。前作は先生の専門のローマの話でしたが今作は世界史全体を論じてます。ありきたりに歴史を古代から述べ単に書くことはせず、文明がなぜ大河のほとりで発生したのか…など歴史の持つ共通点や差異に注目しているのは流石の面白さなのですが、先生の持論的な話が別のテーマのところでも、あれ?この話さっきも聞いたな…みたいな感じで再掲されてて少しもたつきのようなものを感じました。
前作がめちゃくちゃ読んでて楽しかったので、今度はまたご専 -
Posted by ブクログ
ネタバレポンペイの遺跡で発見された一万以上の落書きから、当時の市民の生活を浮かび上がらせるという本。写真も豊富で良い感じ。
選挙宣伝用の、色付きで大きく人名を書いたものがたくさんあるというのが面白かった。各職場の組合的なものがあり、当時から選挙活動を熱心にしていたらしいというのが驚き。二千年もたった遠い東の地でも同じようなことをしているなんて、当時のポンペイの人々には思いもつかないことだろうけど…。カップルが自分たちの名前を書いていたり、売春婦の連絡先みたいなものが書いてあったりするのもまるで公衆トイレの落書きみたいで時代を感じさせないなと思った。もちろん紀元一世紀のポンペイと今の日本では全然違うこと -
Posted by ブクログ
地中海というとヨーロッパというイメージだけど、東はユーラシア、南はアフリカと、よくよく考えたら思った以上に広く、地中海世界としてそれらの繋がりを見ていこうという試みで、まずはオリエント編。名前は知ってるけど、という民族、国家の歴史をざーっと流れでまとめ読みできるのは、なるほど新たな発見がある。しかし、大半が紀元前3000年とか4000年の話なのでしょうがないんだけど、だろうだろうの推測の連続だと、文章として飽きてくる。また、ところどころ解説必要な単語がさらりと出てきては、スルーされてしまったりと、文章のサービス精神のなさが、ちと残念。続きの巻もあるけど、手が出るかは微妙。
-
Posted by ブクログ
サラブレッド誕生前夜どころか紀元前の競馬事情から2015年までの、日本を含めた世界の競馬の歴史を、総合的にたどっていく本。
競馬の逸話がふんだんにちりばめられている本です。それこそ「名馬とは記憶に残る競走馬」のテーゼがあるとしたらそれにしたがって、記憶に強烈に残るからこその競走馬そして競馬、というその魅力をさまざまなエピソードから伝えてくれています。
本書プロローグで触れられているデットーリ騎手による一日の総レースである7戦を全勝した出来事(マグニフィセント・セブン)を僕は知らなくて、レジェンドたるところのひとつの究極的達成がこういうことだったのか、とこれまで見つからなかったパズルのピース