あらすじ
佐藤優氏、推薦!「ローマ史の中に人間の英知のすべてが詰まっていることがよくわかる。」建国時の混乱、強敵との戦い、国家の再建、跡継ぎ問題、異民族の侵入、文明の変質……。長きにわたって生き延び、ありとあらゆることを経験したローマの歴史は、混迷する今の世界を考える上での羅針盤となる。ローマ史はもちろん、世界史や現代社会の理解をより深めることにもつながる一冊。今、世界で古代末期のローマと同じようなことが起きている。 〈目次〉●なぜ、ローマは世界帝国へと発展したのか ●勝者の混迷、カエサルという経験 ●「世界帝国ローマ」の平和と失われた遺風 ●ローマは、なぜ滅びたのか ※本書は、2018年3月にPHPエディターズ・グループから刊行された作品を加筆・修正し、文庫化したものです。
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Posted by ブクログ
素人が古代ローマ史を俯瞰したいと思ったら、塩野七生氏の『ローマ人の物語』を通読するのがいいと思っている。
ただしそれは大著なので、ダイジェスト版として本書は大変参考になる。
Posted by ブクログ
ローマに行くので読んだけど面白かった。
民主主義を謳う以上は民意を汲み取るのが政治の役割だからポピュリズムという批判は当たらないと、なるほど。
変革期にある日本の政治を考えるのにも一役買う本だと思った、また読みたい。
Posted by ブクログ
◾️編年体ではなく紀伝体で書かれた本
◾️古代ローマ史の権威によるローマ史
◾️わかりやすく読みやすい
◾️トスカーナという地名の由来
◾️ギリシャは民主政、ローマは共和政。その違いは…P49
◾️民主政ではポピュリズムへの移行は当然
◾️ではポピュリズムのリスクを孕む民主政を正しく機能させるには…P53
◾️ヒットラーも大日本帝国も、攻撃されたから他国に侵出したわけではなく生存権の主張で侵略。
◾️古代ローマにもファシズムあり。先手防衛という価値観は当時は当たり前だった。
◾️ローマ人は国家に対する強い自負心があった。
◾️ローマの有名なヒト、モノ、コトはほぼ網羅されている。
◾️第5章英雄カエサルとローマ皇帝の誕生や第8章五賢帝の時代は繰り返し読んでしまう。
◾️良書。ローマ史に興味のある方には1400円の価値はある。
Posted by ブクログ
著者の言うとおり本書はローマ通史ではなく、もっと高いところから全体感をもって王制ローマ、共和政ローマ、帝政ローマを俯瞰している。現代に生きるわれわれが直面する今の世界の問題の背景を理解するうえで参考になる。著者の言うように古代ローマ衰亡期の問題と現代の問題の共通点が見えてくる。歴史に学ぶことは多い。
Posted by ブクログ
ローマ皇帝が次から次へと交代して、次の皇帝へと繋がっていく様子は何かに導かれているみたいだった。
そして、どんなに帝国が繁栄したとしても最後にはローマ帝国の滅亡という悲劇が待っている。
しかしどんな結末になろうとその時代の中で民衆や皇帝たちは理想を抱いて生きていたことがわかる。
その結果、ローマ史は約二千年もの長きにわたって続き、印象に残るような皇帝を何人も生み出してきた。
彼らは人間味に溢れ、何かしらの魅力があり、面白かった。
またローマ史の全体像を知ることで現代の難民問題を知ることに繋がり、歴史を学ぶことの重要さを感じることもできた。
Posted by ブクログ
最盛期には地中海全域を支配するほど盛えていたローマ帝国。だが、次第にその勢いは衰退していき、最後には滅亡という形を取っている。では、何千年もの長い歴史を持った帝国がどうやって盛え、どうやって滅びたのか。本書では主に民族や地理的要因、思想の変化などの観点から独自に筆者の考察が描かれている。
盛者必衰とはまさにこのこと。
Posted by ブクログ
ローマ史は遠い昔の物語ではない。市民の営みや権力の欲望は現代にも通じる。
帝国を支えた制度や軍事、思想の変遷をたどれば人間社会の普遍が浮かび上がる。
しかし繁栄の陰には格差と分断が積み重なり、やがて内部から崩れ始める。歴史は必ずしも外敵によって終わるのではない。
教養としてのローマ史とは過去を知るだけでなく、私たちがどのように社会と向き合うべきかを問う材料となる。