【感想・ネタバレ】はじめて読む人のローマ史1200年のレビュー

あらすじ

ローマはこれだけのことを教えてくれる!「ローマの歴史のなかには、人類の経験すべてが詰まっている」(丸山眞男)──数ある文明のなかで、起承転結をこれほど完璧に見せた歴史はない。本書は、その1200年間を4つの時代に分け、「なぜ、ローマは大帝国になったのか」など7つのテーマを設けて、歴史の大きな流れとして見ていく。古代の同時代人から近代のイギリス、現代のアメリカまで、多くの国家・民族がローマ史を探究し、統治に活かしてきた。新たな覇権主義の様相を呈する現在の国際情勢。そのなかで、日本および日本人が進むべき道は何か──その答えは、ローマ史のなかにすでに用意されている。

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Posted by ブクログ

ローマにまつわる7つの「なぜ」を解説しながらローマの歴史を概観している。扱われるのはローマ建国から西ローマ帝国の滅亡までの1200年。文章が非常に読みやすく明快なので、ローマ史の入門書として非常に適した一冊になっていると思う。参考文献が記されていないのが玉に瑕。参考文献欄は内容の根拠を示すだけでなく、初学者が次に読む本の手がかりともなるもの。この点は入門書としては残念。

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2020年01月18日

Posted by ブクログ

塩野七生「ローマ人の物語」シリーズ読破を挫折した身として、1200年のローマ史を新書本1冊でまとめてくれるのは非常にありがたい。

ローマはオオカミに育てられたロムルスによって、紀元前753年に建国される。東西に分裂し、紀元後476年に西ローマ帝国が滅亡。本書では、その期間をローマ史として取り扱い、起承転結の4期に分けて解説している。

総括すると、ローマ史は変革の歴史だ。1200年続いたというより、続かせたといえる。君主制の時代もあれば、共和政もあるし、皇帝独裁もあるし、その皇帝が金銭で売買された時代もあった。それでもローマは滅ばない。全く異なる政治形態になってもローマは続いたのだ。その理由はスッラやカエサル、アウグストゥスら英雄の活躍もあったが、継続することにこだわったローマ人の執念がローマを支えたのだ。

そして、ローマも滅亡する。しかし、滅亡につながる決定的な事件があったわけではない。金属疲労を起こし、静かにゆるやかに滅んだのだ。それもまたローマの特殊性だ。

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2015年08月28日

Posted by ブクログ

面白かったです。
さすがのローマ史の先生です。
以前に同じ著者先生のローマの本を読んだので被っててつまらなかったらどうしようかと思ってましたが杞憂でした。

今作はローマの社会構造や文化や宗教に比重が拠っているように思えました。ローマでカエサルだ、五賢帝だ…と皇帝や周辺国家との争乱を描いた本はたくさんあると思いますが、こちらは他にはない感じの立ち位置からの本だったので読んでて面白かったです。読み終わるのが勿体無いくらいでした。

本筋とは逸れますが、読んでて一番びっくりしたのが、ローマの建国神話というと狼に育てられてる姿を描いたブロンズ像が有名でよく出てくるかと思いますが、あれ別モノなんですね。狼の像が元々あって、千年以上(ルネサンス時代)経った時代にロムレスとレムスの像が付け足されたとのことで。狼の像を作った方はよもや後世にそうなっているとは思いもしなかっただろうな…と。歴史は面白いです。

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2025年06月24日

Posted by ブクログ

ローマ史入門者には、良書だと思います。
歴史の流れや出来事を追ってゆくばかりでなく、
ローマ帝国の思想や皇帝の人物像、時代の背景などが俯瞰的に書かれており、体感としてローマを感じることができます。
また、現代に生きる私たちの世界も、基本的に
ローマ帝国の時代と変わっていないようでもあり、学ぶところも多いように感じました。
歴史は繰り返すのだなと実感。
ああそうそうとうなづく箇所も多くありました。
さらにローマ史を学びたくなる一冊です。

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2025年03月08日

Posted by ブクログ

簡潔でいて、それでいてもっと知りたいと思わせてくれる。
ストーリー性があって、古代ローマの魅力がたくさんあって面白かった。
本村さんの著書は読みやすくて、面白いので
おすすめ。
ローマ史を初めて知る人には
とても良いと思います。

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2023年06月09日

Posted by ブクログ

ローマ帝国の起源から終焉までが、分かりやすくまとめられた良書。
やはりローマの歴史からは、学ぶべき事が多いと改めて感じる。

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2022年04月22日

Posted by ブクログ

世界史の知識が皆無だった私が、カエサルや剣闘士やコンスタンティノープルの陥落など部分的に興味を持った中で、歴史あるローマの全体像を知りたいと思い手に取った一冊。

現代使われている英単語の語源などの解説も途中に入っており、あれもこれもローマから来ているのかと思うと一層興味が増した。

これを足掛かりに、各時代のドラマを深掘りしていきたいと思う。

解説が本当にわかりやすい。筆者の私見も当時の時代背景を想像するのに役立った。

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2021年01月09日

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この一冊にローマについて、コンパクトにまとめられています。大変読みやすく、わかりやすく解説されてました。

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2020年02月17日

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・ポンペイウス、クラッスス、カエサルの3人による三頭政治の均衡は、紀元前53年クラッススの死によって崩れる
・紀元前51年カエサル、ルビコン川(遠征軍が群を解散する「国境」に位置づけられていた北イタリアの小さな川)を、軍の編成を解かずに渡る。「賽は投げられた」

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2018年11月04日

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国家の収入が不足すれば、徴税システムが見直され、増税されるのが自然な流れです。ところが、重税が課せられるようになると、これもどこの世界でも見られることですが、富裕層があの手この手を使って税を逃れるようになり、貧しい者の負担ばかりが増え、いっこうに税収が上がらない負のスパイラルに陥ります。
(本文より

...これは、2018年の日本についての文章ではなく、今から1500年以上前のローマ帝国についてなんです。
どっきりですね。
歴史は繰り返すというか…。



「はじめて読む人のローマ史1200年」本村凌二さん。
この人の「馬の世界史」が面白かったので、読んでみました。「ローマ帝国の歴史」っていうのを面白おかしくざっくり読みたいな、とは以前から思っていましたので。

マンガ「テルマエロマエ」で俄かに一般化した「ローマの市民文化」ですが、紀元前からっていうのが、日本史を尺度にするともうめくるめく感覚ですね。

タイトル通りざっくり歩みを、面白おかしく平易に語ってくれてありがたく面白かった。

共和制、独裁制、民主制という人類の宿命のような苦悩の循環…とか。

(実は読み終わってからメモするまでに時間が経ちすぎて記憶があいまい…)



ただ、実はいちばん知りたかったところについては、愕然とさせられました。
というのは、「なんでローマ帝国は、キリストを弾圧、キリスト教を迫害したのに、300年くらいしてから公認したのか?あまつさえ、帝国が丸ごとキリスト教になってしまったのか?つまり、どうやってキリスト教はヨーロッパを制覇したのか?」ということが、実はこの数年気になって気になってしょうがなかったんです。
ところがそれについては、その筋の権威である?本村さんがはっきりと、
「4世紀頃に、ローマ帝国はキリスト教を認めて、さらには国教にするのだけれども、そのあたりの”なぜ?どういう経緯で?”というのはサッパリわからない。世界史研究上の巨大な謎になっています」と明言してらっしゃる…そんなあ。

20世紀、21世紀にいたるまで、ヨーロッパ=アメリカ的白人の世界っていうのは、アジアや南米アフリカへの影響も含めてキリスト教の影響っていうのが不可欠不可分な訳ですが、そこンところが「どうしてキリスト教が天下を取ったのか」が判らないっていうのは、それはそれで物凄く魅力的なミステリー…。

そこの謎に切り込んだ本があったら、是非読みたいなあと思います。

そしてそれはそれとして、本村さんの語り口はとても読み易い。今後もいろいろ読むことになりそうです。

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2018年01月02日

Posted by ブクログ

『テルマエ・ロマエ』にもすこし触れています。これの後に『テルマエ・ロマエ』読むと、ディティールで気がつくこと多し。

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2015年01月12日

Posted by ブクログ

歴史に強くないが、旅行でローマを訪れたことがあるので、ローマ史を理解しようと購読。一読では、ぼやっとしか理解は出来なかったが、ローマの歴史が今日の経済や政治に大きく影響をしていると感じた。
奴隷制度や戦争をしている時代なので、今では考えられない行動もあるが、歴史と思って知っていきたい。
まずは、五賢帝やカエサル等の印象に残りやすい話から、理解を深めたいと思った。

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2025年07月22日

Posted by ブクログ

起承転結でローマ史を振り返っている。
それぞれの章でなぜ〜?という問いによってローマ史を解き明かしている。問いの立て方が参考になる。

本書のはじめに、で書いてあるが、なぜローマは人々の心を惹きつけるのか?という問いが浮かんでくる。

その答えとして、ローマには全てがあるからということではないか。全てとは、一大文明の起承転結がはっきりとわかるということ。筆者は起承転結でローマを記述しているが、このやり方はうまいと思う。
遠い昔のまた昔のローマ文明であるが、学ぶことはたくさんある。

気軽に読めた一冊でした。

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2015年07月26日

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