本村凌二のレビュー一覧
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人物でたどるローマ史。建国まだ日の浅いころから、キリスト教が国教化されまた誰の目にも帝国の衰亡が明らかになったころまでの、その時々のローマの姿を、三十二人の人物像を通して描き出した一冊。
個々人の記載はあっさりとしているが、まあまあ主要なところは押さえられており、千年を超えるローマの歴史をさっとなぞるにはよいかと。最後がキリスト教関係者二連発で締めくくられるのも意味深。
ただ、各期である程度人数のバランスをそろえたぶん、"歴史物語"としてみると盛り上がりのところが薄く、エピローグが厚すぎるように感じてしまうのは致し方なしか。
小ネタとして、アメリカの通貨ドルの記号$が、 -
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永い時間世界各国に受け入れられ、読み継がれる古典
古典をもっともっと読みたい!
そのきっかけと勇気をいただくために読むことに
ついでに世界史も学べるの?
お得感満載である
古典の紹介のまた紹介
■イリアス/オデュッセイア ホメロス
「イリアス」は約10年に及んだトロイア戦争の最後の1年の内、50日間(アキレウスが戦線復帰する辺り〜)の物語
「オデュッセイア」はギリシャ軍がトロイア戦争で勝利を収めた後、オデュッセウスがトロイアから故郷に戻る道中(なんと10年もかかる)のさまざまな出来事をまとめた冒険譚
この二つは内容も作られた(伝承された)時代もかなり違うことが予測され、それぞれ味わうのがと -
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面白くはあったが、途中くらいからちょっと違うかなという感じがしてきた
古代ローマ史に全ての人類史は凝縮されていることをいくつかの事例で説明しているがややこじつけ感も否めない印象
ただ、サピエンス全史的に人類史をいくつかの視点で捉えようとする取り組みは面白いが、もう一つ深めて欲しかったところ(論考が著者の主観に少し偏っている印象もある)
にしても、文明が登場した理由の一つに「乾燥化」があるというのは衝撃的に面白かった。環境的に恵まれていることは人類を発展させないのだ。
あと、一神教が登場した理由として文字の発明があるのでは、というのも面白い考え方。もちろん文字の発明は階級支配ともつながるし階 -
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本書はローマ帝国史の概説本だが、定石通りの建国神話からではなく、なぜかいきなりローマ軍総督小スキピオによるカルタゴ制圧の場面で始まる。これは著者の問題意識の視座を如実に反映したものだ。カルタゴやギリシャのコリント崩壊など、ローマがかくも徹底的に敵国を破壊しなければならなかった理由は何か?ともすればローマという国家の体質のうちにあるなにものかが否応なくそうさせるのではないだろうか?これが本書を貫く著者の問題提起である。
その遠因としてまず著者が挙げるのが、元老院という初期ローマを特徴付ける政治体制だ。共和政を構成する元老たちが、父祖の物語を題材に民衆を扇動して戦闘へと焚き付けるファシズムの -
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1.この本を一言で表すと?
ギリシャとローマの社会の仕組み、そこに暮らした人々の様子を概説した本。
2.よかった点を3~5つ
・第二章 高尚な文化と俗な生活
→全体的にギリシャとローマの一般的な文化を知ることができてよかった。
・第三章ギリシアとローマをつなぐもの(p)
→本村氏と桜井氏の議論が噛み合っていないところが面白かった。
・ギリシアの方がローマよりも寛容さに欠け、他者に厳しかったと言う事は確かに言えると思います。(p176)
→確かにギリシア人の方が大変厳格なような気がする。
2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・あとがきで書いている、ローマとギリシャを比較して見えてき -
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■2歳児大絶賛? やばいエピソードとシュールなイラストのコラボが絶妙!■
教科書等で偉人と呼ばれる人たちの「すごい」実績と知られざる「やばい」側面がセットで漫画やイラストとともに紹介されており、意外な(人間的な?)一面を垣間見ることができる。
僕のハートを捉えたのは「無知の知」を唱えた哲学者ソクラテスの発言で彼の鬼嫁に関連する含蓄ある言葉
「結婚はするべきだ。相手が良妻なら幸せになれるし、悪妻なら哲学者になれる。」
感想?言わぬが花でしょ。
ところでこの本、なぜか2歳の娘のツボにはまったようだ。気に入りすぎて、僕が読んでいると取りにくる、上の娘が取り上げると猛烈に怒る。突然ハッと気づいて