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Posted by ブクログ
「ローマ帝国の歴史には人類の経験のすべてがつまっている」(思想家丸山真男)
どんな教科書にも載り、数々の研究書や解説書、小説、映像作品を生み出した時代。
西洋文明の最も誇らしい“古代”
〈興亡の世界史〉というテーマからして、王道中の王道、ローマ
私的ではあるが時代は三つに分けられる。
〈黎明期、イタリア半島統一からカルタゴとの戦い〉
〈絶頂期、カエサル、オクタビアヌス〉
〈衰退期、ローマ帝国とキリスト教〉
千年近いローマの通史を350ページで連ねた本は、よく知られているカエサル時代はサラリと、そのかわり皇帝ネロ以降を極力漏れのないように描いている。
戦いと陰謀に明け暮れるローマ、特に紀元三世紀以降はまともに寿命をまっとうした皇帝が数えるほどという有様には、あらためて驚く。
そして、終盤はキリスト教布教のマッチポンプの役割を果たして、分裂し消えていく。
終章「文明の変貌と帝国の終焉」は、特に印象的。
作者曰く「古代末期はたそがれの時代ではなく、新しい秩序が生まれ、これまでにない考え方や感じ方が芽生えた時代ではないだろうか」
衰亡は誕生につながるということか……。
Posted by ブクログ
人類の経験のすべてが詰まっていると言われる古代ローマ史について。
以下、本書より。
【ローマ人の特異性】
なぜローマ人だけがあの巨大な帝国を築く事ができたのだろうか。
異邦人であるポリュビオスだけではなく、古代でも現代でも誰もが興味をそそられる問題である。
ローマ人とはどういう人々であるのか、という問いかけは避けようもない。
住民の数ではヒスパニア人より少なく、活力ならばガリア人より弱く、多才さではカルタゴ人に譲り、学芸ではギリシャ人に及ばない。
そう指摘したのはキケロ。
しかし、神々への敬虔さと慎みではいかなる人々にも引けを取らない、と述べたのもキケロ。
万物は神々の力によって支配されている。
それはどうしようもない宿命としてローマ人の意識の底に潜んでいた。
それら神々の怒りに触れない為には、ひたすら祭儀を怠らない事である。
この事はギリシャ人ポリュビオスの目にも異様に映っていたらしい。
この歴史家はこう語っている。
思えば、ローマは宗教によって他の国々に勝るのではないだろうか。
他国でなら迷信とされる事でも、ローマでは国家統合の要をなすものである。
いずれの宗教行事も壮麗に執り行われ、公人としても私人としても市民の生活をはっきりと規制している。
こうした役割において宗教を凌ぐものはない。
Posted by ブクログ
講談社学術文庫
本村凌二 「 地中海世界とローマ帝国 」
ローマ帝国史の本。共和制ファシズム と ハンニバルとの戦いにより、ローマが地中海世界の覇権をとり、平和、政治不安、東西分裂、異民族侵入、一神教へ転換を経て、文明が変貌し 帝国が終焉したという流れ
皇帝を中心に多くの人物を取り上げているが、カエサルとアウグストゥスは別格なページ数の多さ。「あとがき」で取り上げた三人(マルクスアントニウス、ドミティアヌス帝、アンブロシウス)も興味深い
ローマ帝国の始まりと終わりについては、著者の特徴が出ているように思う。ローマ帝国の始まりであるカルタゴ壊滅を ローマ人の「父祖の遺風」の精神から論じ、新しい時代の到来により ローマ帝国が終わったという論調。
帝国だけでなく、人間の営みは全て従来の体制と新しい時代のアンバランスから常に変化を強いられることを実感した
「ローマの道は〜軍道である。戦いに勝っては領土を併合し、個々の都市と同盟関係を結ぶ」
Posted by ブクログ
古代ローマの成立から周辺国家、強国カルタゴ等を征服し地中海を中心としたヨーロッパの大国となる歴史が、英雄たちを中心に面白く書いてある。ローマ2000年を支えたものが何であったかをひとことで言うのは難しいし、読んでも分からなかった。▼カエサルなど多くの素晴らしい人物も生み出した。王政、共和制、帝政、など国は形を変えて生きながらえる。しかし元老院制や帝政の一時期を除いて周辺国とは戦争が絶えず、国内において特に帝政時は皇帝の暗殺が頻繁に行われる不安定な世であることも知った。日本の江戸時代の平和とは遠い世界であることも痛感した。それでもローマが長く生き残ったのはなぜか、という疑問がやはり残る……。
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