本村凌二のレビュー一覧
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面白くはあったが、途中くらいからちょっと違うかなという感じがしてきた
古代ローマ史に全ての人類史は凝縮されていることをいくつかの事例で説明しているがややこじつけ感も否めない印象
ただ、サピエンス全史的に人類史をいくつかの視点で捉えようとする取り組みは面白いが、もう一つ深めて欲しかったところ(論考が著者の主観に少し偏っている印象もある)
にしても、文明が登場した理由の一つに「乾燥化」があるというのは衝撃的に面白かった。環境的に恵まれていることは人類を発展させないのだ。
あと、一神教が登場した理由として文字の発明があるのでは、というのも面白い考え方。もちろん文字の発明は階級支配ともつながるし階級支配と一神教というのは結びついていると思うが、文字の登場によって左脳が右脳を抑制するようになり神々の声が聞こえなくなった、というのはほんとに興味深い。 -
Posted by ブクログ
本書はローマ帝国史の概説本だが、定石通りの建国神話からではなく、なぜかいきなりローマ軍総督小スキピオによるカルタゴ制圧の場面で始まる。これは著者の問題意識の視座を如実に反映したものだ。カルタゴやギリシャのコリント崩壊など、ローマがかくも徹底的に敵国を破壊しなければならなかった理由は何か?ともすればローマという国家の体質のうちにあるなにものかが否応なくそうさせるのではないだろうか?これが本書を貫く著者の問題提起である。
その遠因としてまず著者が挙げるのが、元老院という初期ローマを特徴付ける政治体制だ。共和政を構成する元老たちが、父祖の物語を題材に民衆を扇動して戦闘へと焚き付けるファシズムの温床であったとする逆説だ。先行するアッシリア、ペルシャ、マケドニアの諸帝国では単一であった王者がここローマでは複数おり、寡頭政治の中核を成しつつそれぞれが王者としての威厳を備え愛国精神を鼓舞する。その根底で作用したのが、ローマ人に受け継がれる「父祖の遺風」、即ちハンニバルのような敵将といえど優秀な者を称揚し、失敗に寛容だが裏切りや臆病者を強く非難する伝統的精神だという。
だとするなら、真っ先にその精神を体現したのがユリウス=カエサルだということになるのだろう。異民族ガリア人らに対する強圧さと、同胞ローマ人に対する寛容さを併せ持ち、地中海・小アジア世界の征服に果断に突き進んだカエサルこそ、「父祖の遺風」の鋳型としてローマ世界の人々の意識に最初に刻みつけられた存在だった。しかしその一方で独裁者との糾弾を受け暗殺の憂き目にあうのだが、この轍を踏むまいと元老たちとの調和の上に統治を行なった初代皇帝アウグストゥスは「権力なき権威」のロールモデルとして、その後のローマ統治のあり方を規定していくことになる。ここで重要なのは、「権威」の基底においてローマ伝統の神々に対する「敬虔」な態度が要求されたことだと著者はいう。多種多様な民族を統治する帝国の為政者には各民族の神々を蔑ろにすることは許されず、五賢帝の一人ハドリアヌスがパンテオン建造の際にそうしたように、必然的に自由で多神教的な宗教観を重んじることとなる。
しかし、皇帝が軍事的な「権力」を常態的に頼みにした「三世紀の危機」以降の外交・経済的混乱の中で、ユダヤ教・キリスト教の一神教が人々の不安を確実に掬い上げることに成功し、迫害に耐えながら遂に「ミラノ勅令」で国教としての立場を確立する。著者はこの多神教から一神教へのスムーズな展開を、犠牲の献上による神々からの救済を崇める古代地中海の精神世界に、神の子イエス・キリストの自己犠牲の構図がうまく合致したからだというが、だとすればローマ古来の「父祖の遺風」や「権力なき権威」はこのキリスト教公認により突き崩された、ということになるのだろうか。
本書全般に言えることだが、特にこの「父祖の遺風」の概念定義が曖昧なまま筆が進められているため、色んなところで都合よくこの概念が使われてしまっている。そのため、自ら冒頭で提起した「ローマの容赦ない攻撃性」に対する回答も明確な輪郭がないままぼやけてしまい、本書の軸も消失してしまっているような気がする。ローマ史を扱った書籍は数多あり、それでもなお知見を世に問おうとするならばそこには新奇性の強い視点が必要になる。本書では問題提起には独自性があり期待が持てたが、残念ながらその後の展開でその問題に首尾良く答えを提示していく、という流れにはなっていないように感じた。 -
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1.この本を一言で表すと?
ギリシャとローマの社会の仕組み、そこに暮らした人々の様子を概説した本。
2.よかった点を3~5つ
・第二章 高尚な文化と俗な生活
→全体的にギリシャとローマの一般的な文化を知ることができてよかった。
・第三章ギリシアとローマをつなぐもの(p)
→本村氏と桜井氏の議論が噛み合っていないところが面白かった。
・ギリシアの方がローマよりも寛容さに欠け、他者に厳しかったと言う事は確かに言えると思います。(p176)
→確かにギリシア人の方が大変厳格なような気がする。
2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・あとがきで書いている、ローマとギリシャを比較して見えてきたローマの宝物とは何だったのか?よくわからなかった。
・ギリシャとローマのそれぞれの歴史に関する年表をつけてもらえればよかったと思う。
5.全体の感想・その他
・そもそもギリシャとローマを比較して論ずることに自体に無理があるのではないかと感じた。
・ギリシャのローマの歴史をあまり詳しくないので、時代背景を知らないままでは理解が難しいところがあった。 -
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■2歳児大絶賛? やばいエピソードとシュールなイラストのコラボが絶妙!■
教科書等で偉人と呼ばれる人たちの「すごい」実績と知られざる「やばい」側面がセットで漫画やイラストとともに紹介されており、意外な(人間的な?)一面を垣間見ることができる。
僕のハートを捉えたのは「無知の知」を唱えた哲学者ソクラテスの発言で彼の鬼嫁に関連する含蓄ある言葉
「結婚はするべきだ。相手が良妻なら幸せになれるし、悪妻なら哲学者になれる。」
感想?言わぬが花でしょ。
ところでこの本、なぜか2歳の娘のツボにはまったようだ。気に入りすぎて、僕が読んでいると取りにくる、上の娘が取り上げると猛烈に怒る。突然ハッと気づいて近くにないと覚えたての言葉で「ない!ない!」と騒ぎ出す。「いないいないばあ」やだるまさんシリーズなど、数ある名作絵本には見向きもせず、本書にまっしぐら。本を片手に、おもむろに僕のひざに乗り、ただただ表紙を眺めたりパラパラめくったり本の角を噛んだりして(名実ともに)味わっている。それが彼女の読書スタイルらしい。もちろんまだひらがなすら読めない。本を取り上げられた僕は仕方なく週刊誌を手に取る。
この本に秘められた何が彼女の琴線に触れるのか。和田ラヂヲ氏のイラストが気に入ったのか。確かに表紙のビジュアルからして並みの書籍とは一味違う。さらに中身は愛すべきくだらないエピソードの数々に氏のシュールなイラストが絶妙にマッチしており、大いに笑わせてくれる。
というわけで、本書は内容は少なく学生向けだと思うが、幼児向け絵本?おもちゃ??としてお勧めしたい。立派な歴女、歴史マニアになること請け合い!? -
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コテンラジオというpodcastが気に入ったので知識の補完できないかと思って読んでみたところ、最初の方は近しいものがあってとても面白かった。
読みすすめるに連れ、古代ローマを専門とする著者が専門外のことを書いてる部分が増えて、感想や想像が増えてきて辛くなってきた。想像で断定しない真摯さはあるものの書籍というフォーマットで専門外の割合が増えるのは悩ましいのと、【高齢者が話す専門外の知識は情報が古い】ことに改めて気付けたのは良かった。
知らなかったことが色々書いてあるのは面白かった。ジャガイモやトマトは元々ヨーロッパになかったとか、逆にアメリカに馬がいなかったとか。 -
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世界史の面白さが詰まっているローマ史。その大きな流れを捉える
●本の概要・感想
ローマの誕生から滅亡までのストーリーを追って説明する。教科書的な記述だけでなく、著者の意見や価値観を表してくれるので面白い。例えば「カエサルのカリスマ性は世界史の中でも5本の指に入るに違いない」「キリスト教の迫害を行ったためか、ディオクレティアヌス帝の評価が不当に低くなっている。彼は優秀な統治者であったし、自ら在位を譲った後にも先にも最後の皇帝だった。」「ローマ人の強みは寛容さだった。それを失い、国としても瓦解し始めた」などなど。歴史は事実だけ追っていてもなかなか面白がれないため、詳しい人に解釈の仕方を教えてもらうのが一番だなぁ。
本の帯にあるような「現代人必読の教養」ではないけれど。歴史を面白がり、歴史に学ぶには良い本ではないでしょうか。
●本の面白かった点、学びになった点
*ローマの終わりと始まりを明確に定義するのは難しいが。古代ローマは紀元前5世紀ころから始まり、ローマの東西分裂は4世紀に起きた。
→1000年近く続いた国家?であった
*パックスロマーナ時代の皇帝は、皆世襲でなかった。幸いなことに、皆息子がいなかったのだ。しかし、最後の五賢帝の息子であるコンモドゥスが帝位に就くと、ローマの平和な時代は終わりを迎えた..。やっぱ、無能な子どもに託してもうまくいきませんね
*ローマの繁栄と農業を支えたのは奴隷と捨て子
*皇帝の資質でその国の明暗が分かれる
国のトップである皇帝がよければ、国も反映する。一方、馬鹿な皇帝の時代は国の調子も悪くなる
*ローマの皇帝の座を巡って、何度も権力闘争、暗殺などがくりかえされた
人の本質は変わらない。皇帝が自然死することは非常に少なかった。戦死することもあったが、同じローマの民から暗殺されることも少なくなかった。悪目立ちを嫌い、自ら身を引く者もいた
●学んだことをどうアクションに生かす
*人間の本質である「嫉妬、妬み」を買わないように気を付ける。どれだけ志が高くても、悪目立ちすれば、カエサルのように殺されてしまうだろう..
●タグを設定しよう(evernoteにもね) -
Posted by ブクログ
世界史を学ぶと言うよりは、ざーっと流れを知りながら、世の中の偉人の表と裏を、少しユーモアに知れる感じの本。
もちろん高校(大学受験)で世界史Bを山川で学んだ人なんかには、色々と思い出すことが多いだろうしおすすめの一冊。(二周目は読まないだろうけど。)
appleのスティーブ・ジョブズの奇行まで色々と紹介されているが、史学のミソは「歴史を紡いでいるのは人」であり、「人と人のつながり」が歴史を動かしてきたということ。人が作ってきた(正確には記録してきた)歴史に名を残した人物も所詮は我々と同じ人で、偉人の部分だけじゃなく、人間らしい部分も知れる良い機会になった。どうしても教科書で学ぶとパーフェクト偉人のイメージになりがちなので、ある意味で良本。 -
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読書録「30の「王」からよむ世界史」3
監修 本村凌二
編著 造事務所
出版 日経ビジネス文庫
p278より引用
“ 翌年、ナポレオンはイタリア遠征でオー
ストリア軍に快勝します。さらに、イギリス
とインドの通商路を破壊するためエジプト遠
征を決行します。このとき、「あの遺跡(ピ
ラミッド)の頂から4000年の歴史が君たちを
見下ろしている」と言って兵を鼓舞しました。
人心をつかむのがうまい、ナポレオンらしい
パフォーマンスです。”
目次より抜粋引用
“ハンムラビ王
アレクサンドロス大王
アウグストゥス
カール大帝
ルイ14世”
古代ローマ史専門の文学博士監修による、
世界史に名を残す国王30人の伝記をまとめた
一冊。
法典で有名なハンムラビ王から悲劇の皇帝・
ニコライ二世まで、彼らの残した業績と当時
の情勢を交えて書かれています。
上記の引用は、ナポレオンが皇帝になる前
の業績について記した項での一節。
人をやる気にさせるのは良い才能なのでしょ
うが、うまくおだてられて利用されるだけに
ならないようにしたいものです。
年代順に紹介されていますが、監修者の専門
から遠いからでしょうか、南北アメリカ大陸
の人物が一人もいないようです。
巻末の参考文献リストが非常に充実してい
るので、より詳しく調べるための案内書とし
ていいかもしれません。
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