あらすじ
名作映画には、いい本や古典と遜色ない、作品によっては、文字だけでは得られないビジュアルならではの感動を得られる作品があります。東京大学名誉教授で歴史学者の本村凌二先生が、世界史の教養が身につく、素晴らしい名作映画を厳選し、作品の背景となっている歴史を丁寧に解説します。 ●ベン・ハー ●グラディエーター ●レッドクリフ ●アレクサンドリア ●ブレイブハート ●薔薇の名前 ●わが命つきるとも ●エリザベス ゴールデン・エイジ ●七人の侍 ●アマデウス ●天井桟敷の人々 ●風と共に去りぬ ●山猫 ●幕末太陽傳 ●アラビアのロレンス ●ドクトル・ジバゴ ●スティング ●カサブランカ ●ライフ・イズ・ビューティフル ●活きる ●ニュー・シネマ・パラダイス 21の古代から現代までを網羅する名作映画を取り上げます。中には、著者をローマ史研究の第一人者たらしめた作品も! 歴史学者ならではの視点で名作映画を深掘りしますので、映画も世界史もより一層楽しめること請け合いです。かつて見たことのある映画も、まだ見たことのない映画も、読んでから見れば、「ああ、そういうことなのか」「だから、こうなったんだ」とより深く鑑賞することができるようになるでしょう。親しみやすい名作映画から、歴史に興味を持っていただき、世界史の教養を身につける一助となる一冊です。
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Posted by ブクログ
SNSで名作ランキングを検索しても、ハリウッドのスペクタルばかりが上位にきて、何か納得できない。たしかに、そういう作品は娯楽としては楽しいが、違うんだな⁈
感動を、哀愁を、記憶を、ずっと心に刻む作品が知りたい。そこで古代ローマを専門にする大学教授が書いた、この本に行き着いた。21の名作と作品当時の社会状況、歴史を教えてくれる。
「風と共に去りぬ」「スティング」「アラビアのロレンス」「ドクトルジバコ」「ニューシネマパラダイス」「カサブランカ」大好きな作品たち。次は「薔薇の名前」「山猫」「ライフイズビューティフル」を観たい。
「ショーシャンクの空」「ライムライト」「リバティバランスを射った男」あたりの記載がないことは残念。
Posted by ブクログ
鑑賞したことのある作品を中心に…
つまり、全部は読んでないと
作品毎の情報量が少ないのは残念ですが、作品に関する付帯情報を知ることができてよかったです
『ニュー・シネマ・パラダイス』
劇中に上映される作品なにか、題名だけでもわかってよかったです。
Posted by ブクログ
▼書店店頭で衝動買いした一冊。本村凌二さんというのは、この本の広告に「東大名誉教授」と大書してあり、それは一寸上品な宣伝ではないのですが、西洋史特にローマがご専攻のはず。一般向けの本を数冊読んだことがあり、語り口が好きだったので。
▼要は「ベン・ハー」とか「グラディエーター」とかから「幕末太陽伝」「カサブランカ」などなど、何かしらか歴史に材を取っている名作映画についての本。
▼章ごとに映画を1本紹介する。その映画の粗筋をなぞりながら、舞台背景の時代状況とか世相とかゴシップとかを語る。言ってみればそれだけの本です。
「カサブランカ」などは制作時からするとほぼ「現代劇」なんですけれども、2024年現在から見れば帝国主義の名残の植民地的な状況とナチス&世界大戦の状況を描いた内容と言えるので。
▼これが大変に面白かったです。まず分かりやすい語り口。
語り手が不遜でも自虐でもない、上品さ。世界史の流れが十分にわかってるが故か、無駄に専門的な事象には落ち込まない。そして狙いが
「というわけで是非この映画を見てくださいね」
という地平線なので、キモのネタばらしをしない。その動機はもちろん
「この映画は面白いんですよ。そして歴史という物語って面白いんですよ。それを知るともっと楽しめますよ」。
▼本業が大学勤務であるような方々の本、というのは星の数ほどあります。出版社の方からすると専門知識の裏付けがあるし、会社勤めしてないからユニークな感受性を保っている人が多いだろうし、一方で宮仕えしてるわけだから困っちゃうほどパンクな人も少ないのだろうし。それに何より、本を出したいでしょうからね。
▼こちらが知りもしない名著名作家も多数いらっしゃるでしょうが、個人的には
・小熊英二さん=専攻多分社会学
・本村凌二さん=専攻多分西洋史学
・鹿島茂さん=専攻多分フランス文学
・野崎歓さん=専攻フランス文学
・池内紀さん(故人)=専攻多分ドイツ文学
・島田裕巳さん=専攻多分宗教学
・内田樹さん=専攻多分フランス文学・哲学
といった方々は複数の一般向けの本、場合によっては専門外のエッセイなども読ませていただいて、語り口に信頼を持っています。
Posted by ブクログ
この本を読むと、映画と読書がしたくてしたくて仕方なくなるでしょう!
大学生の頃は話題の大作映画ばかり見ていたが、よくよく思い出すと作品の背景や知識がなく、ふーんで終わってしまうことが多かったように思う。
人生経験とほんのわずかな知識を手に入れた今見ると、当時よりも面白さや感動がより味わえる気がする。
さてさて、まずは『ベン・ハー』を予約ポチっとな。
Posted by ブクログ
古代ローマ史が専門の歴史学者の語る映画。
取り上げられた映画は21本。
作品の歴史的背景の解説がわかりやすく、観たことのある作品は観直したくなるし、観たことない作品は観たくなる。
日本映画からは『七人の侍』『幕末太陽傳』が取り上げられてます。『七人の侍』は当然取り上げられるよな、という感じだが『幕末太陽傳』を取り上げるところが、粋だねえ。
文章からはこの先生、本当に映画が好きなんだなあと好感が持てました。
【観返したくなった映画】
ベン・ハー
グラディエーター
ブレイブハート
アマデウス
アラビアのロレンス
七人の侍
幕末太陽傳
薔薇の名前
スティング
カサブランカ
【観たくなった映画】
レッドクリフ
アレクサンドリア
山猫
ニュー・シネマ・パラダイス
ライフ・イズ・ビューティフル