あらすじ
覚悟と戦略で道をひらけ。
この本は、「戦略」がテーマのビジネス書です。
日本史、世界史を含めた
古今東西のさまざまな「戦い」から、
「彼らはどうして不利だったのに勝てたのか?」
「なぜ、圧倒的有利だったのに負けてしまったのか?」
と、最新の歴史研究の見方をふまえて紹介。
たとえば……
・勝ち目ゼロの状況から奇行に継ぐ奇行で相手を崩した桶狭間の戦い
・圧倒的不利を覆したバルチック艦隊との日本海海戦
・ナポレオンの野望を阻止したイギリスの英雄 トラファルガーの戦い
戦術のセオリーでは考えられない発想で相手の意表を取った見事な戦略や、わずかな人数で大多数の敵を倒したジャイアントキリング、背水の状況からの奇跡の奇策
など、
知識として学べるだけじゃなく、
“思わず胸が熱くなる”
30の戦いを集めました。
イラストや図解もたっぷりで、
まるで小説を読むかのようにスルスル読むことができます。
人の歴史は、戦いの歴史でした。
激しく動く世の中で、
私たちが「どう生きるのか」を自分で選び、
決める、その参考になれば幸いです。
カバーイラストは、「三国志」「信長の野望」シリーズでおなじみの長野剛さんの描き下ろし!
監修は、『東大名誉教授がおしえるやばい日本史』(ダイヤモンド社)『承久の乱 日本史のターニングポイント』 (文春新書)の本郷和人先生と
『東大名誉教授がおしえるやばい世界史』(ダイヤモンド社)、『教養としての「ローマ史」の読み方』(PHP研究所)の本村凌二先生にご担当をいただきました。
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Posted by ブクログ
古今東西さまざまな戦いが、大量の参考文献をもとに分かりやすく書かれていて、かなりおもしろかったです。
今まで知らなかったことがたくさんあったし、当事者や当事国のその後の様子も書かれていて良い本でした。
Posted by ブクログ
国内外の戦いの歴史の裏話をまとめた短編集というべきか。
現代を生きる我々を未来人とすれば、数々の戦争は、すべて過去の話である。
過去ゆえに、未来人の我々からすれば、数々の戦いの歴史を単純化して見てしまいがちだ。
何らかの理由があってどちらかが戦火を切り、お互いに死力を尽くして戦い、そしてどちらかが勝利した。
まるでボクシングの試合のように、1対1で丸腰の条件が同じで、さらにルールが明確にあり、衆人環視の中で公平に戦っていたかのように錯覚してしまう。
特に、私を含めて現代に生きる我々のほとんどが、戦争を経験したことが一度もない。
前線での悲惨な惨状を見ることもなければ、戦争全体の戦略を考えなければいけない立場の指揮官でもない。
ここで一呼吸置いて考えてみる。
もしこれら過去の戦争の時代に、未来人の我々が生きていたら、どうだろうか。
つまり、未来人でも、過去の人でもなく、数々の戦争が自分たちにとって「今」だったとしたら。
おそらくすべての戦争において単純な話は一つもなく、様々な要因が複雑に絡み合う中で、何らかの理由によって戦うことになったのだろうと思う。
本来は避けたかったのに、戦わざるを得ない状況に追い込まれることもあったかもしれない。
逆に、収奪のチャンスと見て、奇襲作戦を仕掛けることもあっただろう。
兵力が足りなかったり、軍備が足りなかったり、地理的な不利に追い込まれたり、様々な不確定要素があったはずだ。
圧倒的な武器を開発したことで、近隣を制圧する機会を得たこともあったかもしれない。
数限りない変数がある中で、どうやって戦ったのか。
そして、どうやって勝とうとしていたのか。
過去の戦争はほとんどが局地戦。(第一次大戦以後の戦争は、総力戦と言われている)
一度戦争が始まったら、戦地ではまさに生きるか死ぬかの戦いが繰り広げられる。
当時は、戦争が終了した後の、政治的な外交を考える余力はなかったと思われる。
つまり、戦う以上は勝つことが前提で、負けることは死ぬことと同義であったと思われる。
孫子の兵法は、数々の指揮官が参考にしたとされているが、現代のビジネスにも通じる考え方だ。
そういう意味では、今のビジネス環境は、戦争の状況と似ているとも言える。
国際規模の大規模な戦争ではなく、局所的な「戦(いくさ)」と捉えてみると、確かに現代のビジネス環境は共通点が多い気がしてくる。
「ラーメン激戦区」などは普通に使われている言葉だが、まさにその場所で激しい戦いが繰り広げられていることは間違いない。
限られたリソースの中で、競合他社に対して、我々はどういう勝ち筋を見つけ出していくか。
その計画に対して、変動要素を上手くコントロールしながら、どうやって作戦を実行していくか。
歴史を学ぶのは、それだけで意味がある。
究極的には「戦わずして勝つ」ことが「戦略」である。
自らもビジネス環境も含めて、想像を膨らませてみるのも、面白いものだ。
(2025/7/21月)