おおたとしまさのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
宮台ワールドが迸っていて、諸々自分も勉強してキャッチアップ・アップデートしていかなくてはいけない部分も多かったが、
繰り返し述べられている『「社会の外=言外、法外、損得外の時空」を開示して力を回復させる体験デザイン』によって、「失われた身体性・感受性を取り戻す」ことが急務であることには深く共感した。
たまたま併読していた本にも、日本の政策立案がいったいどういう戦略や意図があってなされているのかが見えなくなっている、という話が出ていたが、本書で日本社会の課題と指摘されていた
・「ヒラメ(上へへつらう)」「キョロメ(周囲に合わせる」で空気感に縛られる
・「価値的貫徹より学習的適応が優位(やりたいことよりも、やったほうがいいことを、やろうとする)」
による「劣化」がますます進んでいることとも関係しているようにも感じた。
また、森が成長変化していく様子を見続けることが、「関わる」ことで自分も環境に働きかけられるのだ、と実感できることにつながる、というお話はまさに上記の政策は与えられるものではなく、関わっていくもの、という意識にまで通じるのではないか、と感じたりもした。
森のようちえんの取り組みに触れる機会は限定的ではあるが、我が家はかつてスウェーデン大使館主催の森のムッレに参加した。こうした活度も目的とするところは一緒だと思うので、今後も機会をとらえて親子で「共同身体性」を育んでいきたいと思う。 -
Posted by ブクログ
子供の小学4年生になるタイミングで、この本を読んで中学受験をするか考えてみる。
自分が中学受験組なので、中学受験について、どうしても頭がちらつくが、昨今の中学受験行き過ぎ説で否定的、もしくは公立の中高1貫にいかせたいなど考えていた。
でも、それ自体が子供の目標を勝手に作る行為だと気づきました。子供が中学受験したいと思うこと、そこから学習方法などを学ぶことが中学受験で得られる1番価値あるものなんだ。誘導してしまい、これが得られなくなる中学受験では意味がない。
まずは、親から誘導しないように本人が何をしたいのか、どこの学校に行きたいのか、自分の頭で考えるのを待とうと思います。迷ったら引き算。
心に残ったフレーズ
中学受験の親に対するアドバイスは巷に溢れている。全部の聞いていたら、イソップ童話のロバ売りの親子になってしまう。取捨選択の視点として、情報型時代の子育ての大原則、迷ったら引き算だ。
-
Posted by ブクログ
稀代の社会学者 宮台真司氏とフリーの教育ジャーナリスト おおたとしまさ氏の対談を中心に、実践者たる教育者の方々も交えた貴重な記録。
大学生の頃からずっと知る大家 宮台氏の、20年30年におよぶ学者としての研究・実践に基づく、ときについていけないハイペースでの学問的・体得的見解の出力の嵐を、おおた氏が噛み砕いて紹介・補足するといった展開。
当時宮台氏については色眼鏡で見ていたのもあったが、この本ではご自身の両親との経緯と共に、如何に考え行動してきたのかも触れられていて、あれはそのような狙いや背景があったのか、と気付くことも多数あり、勝手に伏線回収ができた印象もあった。
先ずは私自身の家族・身の回りから振り返り見直しの取り組みをしていくのと合わせ、今の日本が置かれている絶望的な社会を変革するために立ち上がった本書籍に登場する皆さんのネットワークの強化・発展を応援していきたい。 -
Posted by ブクログ
ずっと読みたかった本。教育関係者でもあるので、非常に考えさせられることが多かった。
私自身別学校出身であり、別学校での経験が自分のアイデンティティを形成しているなと思わせられることが多々あるので、この時代にあえて「男子校のメリット」を唱える筆者の意見に共感することが多かった。確かに、集団としてみた時、男子女子それぞれの集団にふるまいの差が出てくるなというのは実感としてわかる気がする。ただやはり、性差というのはあくまでもその人を形成する一つの要素(アイデンティティ)に過ぎないと思うので、個人個人の個性を見極めた上で、その上にある男女の性差なども考慮して接し方、指導の仕方を考えていかなければならないなと考えさせられた。
「教育とは、常に迷いながら、矛盾を抱えながら、模索しながら行うべき営みだ」という一説が印象に残っている。この仕事は日々自問自答しながら最良と思われる選択肢を選ぶ作業の繰り返しだなと思う事がある。でも、「自分は完璧な振る舞いをしている」と納得してしまったらそこで自分の成長が止まってしまうとも思う。そうなることだけは避けたいと心から思うし、迷いながらでもやることがもしかしたら「正しい」のかもな、とも考えた。女子校版もあるようなのでそちらを次は読んでみようと思う。