おおたとしまさのレビュー一覧
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稀代の社会学者 宮台真司氏とフリーの教育ジャーナリスト おおたとしまさ氏の対談を中心に、実践者たる教育者の方々も交えた貴重な記録。
大学生の頃からずっと知る大家 宮台氏の、20年30年におよぶ学者としての研究・実践に基づく、ときについていけないハイペースでの学問的・体得的見解の出力の嵐を、おおた氏が噛み砕いて紹介・補足するといった展開。
当時宮台氏については色眼鏡で見ていたのもあったが、この本ではご自身の両親との経緯と共に、如何に考え行動してきたのかも触れられていて、あれはそのような狙いや背景があったのか、と気付くことも多数あり、勝手に伏線回収ができた印象もあった。
先ずは私自身の家族・ -
Posted by ブクログ
ずっと読みたかった本。教育関係者でもあるので、非常に考えさせられることが多かった。
私自身別学校出身であり、別学校での経験が自分のアイデンティティを形成しているなと思わせられることが多々あるので、この時代にあえて「男子校のメリット」を唱える筆者の意見に共感することが多かった。確かに、集団としてみた時、男子女子それぞれの集団にふるまいの差が出てくるなというのは実感としてわかる気がする。ただやはり、性差というのはあくまでもその人を形成する一つの要素(アイデンティティ)に過ぎないと思うので、個人個人の個性を見極めた上で、その上にある男女の性差なども考慮して接し方、指導の仕方を考えていかなければならな -
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■個人のセクシュアリティを構成する要素として次の4つが挙げられる。
①身体の性(Sex)
②性自認(Gender Identity)
③社会的性(性役割・性表現:Gender Role/Gender Expression)
④性的指向(Sexual Orientation)
・①と②が一致しないのがトランスジェンダー(Transgender)
・①と②が一致しているのがシスジェンダー(Cisgender)
・④についてはレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル
・LGBTではなく、要素を使って「SOGI」(ソジ又はソギ)という言葉も使われるようになった。これは性的指向(Sexual Orientat -
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自分の夢はいつか無料塾の先生になること。しかしその裏には独りよがりの正義感に基づいた不純な動機が隠れている可能性に気付いた。それだけでもこの本を読んだ価値がある。その上でなお有料塾に通えない子供たちに勉強を教えたい気持ちが益々強くなった。
もともと貧困家庭で育ち、中卒の両親に育てられて、中学3年になるまで大学進学なんて考えもしなかった。姉も含めて10人以上いる従兄弟たちも全員高卒で、親から勉強しろと言われたことはなく、もちろん塾にも通っていない。そんな環境下で自宅通学•国立限定という制約はあったものの大学進学できたのは、中3担任が進学校の受験を勧めてくれたことと、学歴がなくて悔しい人生を送っ