佐竹美保のレビュー一覧
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8つの石の物語。
水晶、ルビー、珊瑚といったメジャーなものから、ベゾアール石と言った少し変わった石まで。
世界中の国を旅するような物語は、まるで千夜一夜物語。
異国情緒に満ちた、アラビアンナイトの世界が広がる。
少し怖い話も、心優しくなれる話も、それは色とりどりの宝石のごとく。
トルコ石の物語はお気に入り。
羽の生えたように外を飛び回る息子を案じる、母親の気持ちに立つからだろうか。
子供はいつも親から離れようとする。
親はいつも子供を全ての災禍から守ろうとする。
でも、時にはいってらっしゃい、と送り出す勇気も必要だ。
心の中でいつもいつも子供たちの幸せと安全を深く想いながら。
オニキスとアメジストの物語は、視点を変えて物語が結末を迎える。
日本には「言霊」というものがある、と信じられていた。
今も形を変えてきっと文化に息づいているのだろうが、そんな「言霊」の力を感じられる。
幸せで、ちょっと怖い物語。
石には古より力があると言われ、お守りとする人も多い。
地球の凄まじい力の中で生み出された石たちは、次はどんな話を語ってくれるのだろうか。 -
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『銭天堂』の著者による、宝石や鉱石をモチーフにしたシリーズ。
ふりがなや挿絵もふんだんについているので、小学校中学年以降からおすすめ。
石とは魅力的で、米粒の先より小さな石ひとつでも高額なものがある。
かと思えば河原にごろごろと転がっている石も。
長い年月をかけて作られた石は、魔力のように人を吸い寄せる。
本書ではラピスラズリ、琥珀、トパーズ、翡翠、黒真珠、ダイヤモンドの物語が収められている。
ラピスラズリの物語は、深い海の青、ウルトラマリンを顔料として描いた絵画の話である。
悲しい目をした少女を、徒弟が描く。美しくはにかんだ顔ではないそれは、彼女の本質を表している。
無名作家が現れては消え、しかし作品は後世に残る。
少年が描いた少女の絵は、今もきっと、飛び回っていることだろう。
黒真珠の物語の舞台はフランス。
アール・ヌーヴォー華やかなりし時代を想像した。
かぐや姫のような謎のおおい美しき女性は、貴族の男性たちを虜にするのだが、さて、誰が彼女の心を射止めるのか。
結末で明かされる秘密と、未来を予感させる記述に、短編の面白みが味わえる。 -
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このクラスに魔法使いがいる」なぞのメモに、寄宿学校は大さわぎ。魔法は厳しく禁じられていて、魔法使いは見つかりしだい火あぶりになるからだ。だれが魔法使いなのか?メモを書いたのは?「おまえが魔法使いだろう」と真っ先に疑われたのは、仲間はずれの男の子チャールズと、有名な大魔女の血をひいている女の子ナンだった。続いて、校内で魔法としか思えない事件が次々に起こりはじめた。音楽の時間に鳥の歌を歌えば、ものすごい数の鳥が飛びまわる。夜中に学校じゅうの靴が集まり、講堂にどさどさふりそそぐ…。やがて副校長の息子で嫌われ者のブライアンが、「魔法使いにさらわれる」と書き残して失踪し、さわぎはますますエスカレート。追いつめられたナンと仲間たちは、古くから伝わる助けを呼ぶという呪文を、唱えてみることにした。「クレストマンシー!」すると現れたのは…?
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ネタバレヘレン・ケラーの自伝。
1880年6月27日、アラバマ州のテネシー川のほとり、タスカンビアという小さな町でヘレン・ケラーは生まれました。生まれた時は元気で、言葉も早く話しはじめた。けれど急性の胃と脳髄の充血で高熱が出て、一時は医者も助かる見込みは無いと思ったほど。けれど熱は下がり、ヘレンは生き残れた。けれど、見る事も聞く事も出来なくなってしまったのです。
自分の思いを伝える事も出来ず、かんしゃくばかりだったヘレンには教育が必要だった。そしてアレクサンダー・グラハム・ベル博士を紹介してもらった。ベル博士は電話の発明で有名であると同時に、目の見えない人や、口のきけない人の話し方なども研究していた。そしてベル博士からの紹介でサリバン先生がやってきたのです。
ものの名前も何も知らず、ただかんしゃくを起こしていたヘレンに、サリバン先生は根気よく、ヘレンに教えていきました。
ものに名前がある事、ものでない概念にも名前がある事、たくさんの物語を、外に出て自然の事を、社会の勉強を。
高校にも通い、大学の受験にも挑戦した。けれど教科書で、点字になったものは少なく、サリバン先生だけでなくたくさんの、人の協力で、授業についていくだけで大変だった。ヘレンの頑張りを見て、 手話を覚えてくれる友達ができたり、教師たちもサリバン先生だけに負担がかからないように協力してくれたりした。
伝記といえば、文章のプロが書くのが普通だけど、これは自伝。しかも、ヘレンには素晴らしい感受性がある事がわかる。