佐竹美保のレビュー一覧

  • 秘密に満ちた魔石館

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    8つの石の物語。
    水晶、ルビー、珊瑚といったメジャーなものから、ベゾアール石と言った少し変わった石まで。
    世界中の国を旅するような物語は、まるで千夜一夜物語。
    異国情緒に満ちた、アラビアンナイトの世界が広がる。
    少し怖い話も、心優しくなれる話も、それは色とりどりの宝石のごとく。

    トルコ石の物語はお気に入り。
    羽の生えたように外を飛び回る息子を案じる、母親の気持ちに立つからだろうか。
    子供はいつも親から離れようとする。
    親はいつも子供を全ての災禍から守ろうとする。
    でも、時にはいってらっしゃい、と送り出す勇気も必要だ。
    心の中でいつもいつも子供たちの幸せと安全を深く想いながら。

    オニキスとアメジストの物語は、視点を変えて物語が結末を迎える。
    日本には「言霊」というものがある、と信じられていた。
    今も形を変えてきっと文化に息づいているのだろうが、そんな「言霊」の力を感じられる。
    幸せで、ちょっと怖い物語。

    石には古より力があると言われ、お守りとする人も多い。
    地球の凄まじい力の中で生み出された石たちは、次はどんな話を語ってくれるのだろうか。

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    2021年03月19日
  • 秘密に満ちた魔石館2

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    『銭天堂』の著者による、宝石や鉱石をモチーフにしたシリーズ。
    ふりがなや挿絵もふんだんについているので、小学校中学年以降からおすすめ。

    石とは魅力的で、米粒の先より小さな石ひとつでも高額なものがある。
    かと思えば河原にごろごろと転がっている石も。
    長い年月をかけて作られた石は、魔力のように人を吸い寄せる。
    本書ではラピスラズリ、琥珀、トパーズ、翡翠、黒真珠、ダイヤモンドの物語が収められている。

    ラピスラズリの物語は、深い海の青、ウルトラマリンを顔料として描いた絵画の話である。
    悲しい目をした少女を、徒弟が描く。美しくはにかんだ顔ではないそれは、彼女の本質を表している。
    無名作家が現れては消え、しかし作品は後世に残る。
    少年が描いた少女の絵は、今もきっと、飛び回っていることだろう。

    黒真珠の物語の舞台はフランス。
    アール・ヌーヴォー華やかなりし時代を想像した。
    かぐや姫のような謎のおおい美しき女性は、貴族の男性たちを虜にするのだが、さて、誰が彼女の心を射止めるのか。
    結末で明かされる秘密と、未来を予感させる記述に、短編の面白みが味わえる。

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    2021年02月28日
  • 風と行く者

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    少女時代のバルサとジグロが護衛したことがあるサダン・タラムを再び護衛することとなったバルサ。
    これに絡む氏族間の因縁。久々に、あの世界に浸れた。

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    2020年10月26日
  • きつねの橋

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    平安時代の郎党の様子が丁寧に描かれていて、それでいて今時の雰囲気もあり、読みやすい。
    きつねを「悪いもの」としない、別れで終わりにしない。
    強く主張するわけではないが、自分に真っ直ぐな貞道のキャラクターと優しいラストが新しい。

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    2020年10月06日
  • メアリー・ポピンズ

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    富安陽子さんらしい言い回し。
    原作を知らなくて、映画も2/3くらいしかみたことがなくて、きっとあの歌はこの辺で歌われるのかな?なんて想像しながら読みました。
    富安さんじゃなきゃ読めなかったかもなぁと思いながら読んでました。

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    2020年09月27日
  • ゆりの木荘の子どもたち

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    このひとの本が安心して読める。このひとの作品の中では特にすごくおもしろい、ものすごく好きな、というものではなかったけど、相変わらず丁寧な風景の描写、そのほのかなのすたるじやに満ちた優しい記憶の中の光の中にいるような物語、その感覚と読後感が好きだ。

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    2020年07月11日
  • 帰命寺横丁の夏

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    「帰命寺様に祈って、どこかで死んだ人に似た人をみかけると、ああ、帰命寺様にお祈りしたから生き返ってきたって思うんだろう。祈れば帰れるっていう単純なものらしい。―」祈ると生き返ることができる「帰命寺様」。生き返ったあかりの運命はいったいどうなるの?夏休み、小学五年生のカズが奮闘する。

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    2020年01月19日
  • 秘密に満ちた魔石館

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    ネタバレ

    水晶玉を盗んだ占い師の末路、呪いをかけたルビーの指輪の因果応報など、怖い結末の話もあれば、一族の誇りを失わず行動した少年や王の墓荒らしに巻き込まれた心優しい少女などの、正しき者が救われるみたいな結末もありよかった。

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    2019年10月08日
  • 王さまのスプーンになったおたまじゃくし

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    設定がおもしろく、子供は笑いながら聞いていました。

    最後あたりが説教口調になるのが惜しいと思います。教訓を語りすぎず、感じる側に委ねたほうが豊かな読書になるのでは。。

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    2019年09月24日
  • メアリー・ポピンズ

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    読んだのは河出書房新社版。メリー・ポピンズ リターンズをやるらしく見に行くなら最初の見といたほうがいいかな?と考えていたら、どうやら原作があるらしい。
    調べてみると「帰ってきた……」という続編まであった。ならば、最初からと読んでみた。
    日の光がしゃべったり、缶入りのはちみつをヒグマがもらい開けるのに苦労したり、楽しい世界観がちらほら。

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    2019年03月18日
  • 大魔法使いクレストマンシー 魔法使いはだれだ

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    このクラスに魔法使いがいる」なぞのメモに、寄宿学校は大さわぎ。魔法は厳しく禁じられていて、魔法使いは見つかりしだい火あぶりになるからだ。だれが魔法使いなのか?メモを書いたのは?「おまえが魔法使いだろう」と真っ先に疑われたのは、仲間はずれの男の子チャールズと、有名な大魔女の血をひいている女の子ナンだった。続いて、校内で魔法としか思えない事件が次々に起こりはじめた。音楽の時間に鳥の歌を歌えば、ものすごい数の鳥が飛びまわる。夜中に学校じゅうの靴が集まり、講堂にどさどさふりそそぐ…。やがて副校長の息子で嫌われ者のブライアンが、「魔法使いにさらわれる」と書き残して失踪し、さわぎはますますエスカレート。追いつめられたナンと仲間たちは、古くから伝わる助けを呼ぶという呪文を、唱えてみることにした。「クレストマンシー!」すると現れたのは…?

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    2019年02月09日
  • 100年の木の下で

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    第30回読書感想画中央コンクール
    中学校・高等学校指定図書

    とても静かだけど大きな物語
    立山連峰を望む大きな栗の木とお地蔵様
    現代へつなぐ家族の歴史

    心にしっとりと沁みました

    ≪ 仰ぎ見て 大地に根差す 木のように ≫

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    2018年12月18日
  • ヘレン・ケラー自伝 (新装版)

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    ネタバレ

    ヘレン・ケラーの自伝。
    1880年6月27日、アラバマ州のテネシー川のほとり、タスカンビアという小さな町でヘレン・ケラーは生まれました。生まれた時は元気で、言葉も早く話しはじめた。けれど急性の胃と脳髄の充血で高熱が出て、一時は医者も助かる見込みは無いと思ったほど。けれど熱は下がり、ヘレンは生き残れた。けれど、見る事も聞く事も出来なくなってしまったのです。

    自分の思いを伝える事も出来ず、かんしゃくばかりだったヘレンには教育が必要だった。そしてアレクサンダー・グラハム・ベル博士を紹介してもらった。ベル博士は電話の発明で有名であると同時に、目の見えない人や、口のきけない人の話し方なども研究していた。そしてベル博士からの紹介でサリバン先生がやってきたのです。

    ものの名前も何も知らず、ただかんしゃくを起こしていたヘレンに、サリバン先生は根気よく、ヘレンに教えていきました。

    ものに名前がある事、ものでない概念にも名前がある事、たくさんの物語を、外に出て自然の事を、社会の勉強を。

    高校にも通い、大学の受験にも挑戦した。けれど教科書で、点字になったものは少なく、サリバン先生だけでなくたくさんの、人の協力で、授業についていくだけで大変だった。ヘレンの頑張りを見て、 手話を覚えてくれる友達ができたり、教師たちもサリバン先生だけに負担がかからないように協力してくれたりした。

    伝記といえば、文章のプロが書くのが普通だけど、これは自伝。しかも、ヘレンには素晴らしい感受性がある事がわかる。

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    2018年09月18日
  • 100年の木の下で

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    大きな物語だと思う
    女の子たちのつぶやきのような物語だけど
    流れる時間が大きな感じ
    会ったことがないような人もいるけど、勇気をもらって頑張って行こうとする主人公がいいね

    栗の木の魔法とか、お地蔵さんが現れて…なんていう話じゃない(笑)
    このごろファンタジーを読んでいたのでつい(笑)

    ずっと前に仲良くしていた友達の富山弁をリアルに思い出したよ
    アルトの声だったなぁ

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    2018年06月12日
  • リンゴの丘のベッツィー

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    わかりやすい、ハッピーエンドの主人公成長モノ。

    ジェネリック大草原の小さな家シリーズ。

    あとは当初は不健康だった主人公が、自然のなかで健康な心身を取り戻すさまが、モンゴメリの8人のいとこを思い出す。あとは秘密の花園も。

    この本の一番の売りは、
    佐竹美保さんの挿絵がふんだんにある。に限る。

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    2017年12月08日
  • 王様に恋した魔女

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    りんご畑の作品が好きで読んでみたのですが、まったく作風が違って驚きました。守人シリーズを思わせる重厚感のある文体で、ストーリーは全然違うのに、作品の印象がよく似てます。杖殿というネーミングに見られるように日本風の舞台ですが、魔女狩りという西洋の要素があいまって、独特の世界観を生み出しています。短編ですが、同じ世界でおきた魔女の話を集めたもの。時代も50〜100年くらいの枠組みに収まると思います。

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    2017年10月11日
  • 守り人シリーズ電子版 炎路を行く者

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    ヒュウゴが何故、祖国を滅ぼした敵国の軍に入ったのか。
    そして同じく15くらいの頃のバルサがどうだったのか。
    切ないけれど、考えさせられるし力づけられるし、微笑ましいところもあるし、素敵な話でした。

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    2017年06月09日
  • 守り人シリーズ電子版 4.虚空の旅人

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    ネタバレ

     この本は最初、守り人シリーズの外伝という形でしたので、旅人という題名になっています。
     そして、主人公もチャグムという事でしたが、とっても面白かったです。
     新ヨゴ王国での皇太子という立場で、様々な物事に対応していくチャグムと、その内面にある本心のチャグムが如実に描かれていて、すごく共感を覚えました。
     確かに舞台は作り物の王国であり、ありえない世界ですが、人間模様はどこにでもある現実で、それが大人も楽しめる由来になっていると思います。
     どんどん精神的にも強く成長していくチャグムの今後がとっても楽しみです。

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    2017年03月28日
  • 王様に恋した魔女

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    ふんわり繋がった魔女オムニバス。魔女狩りが横行してる設定ですが、やさしい物語ばかり。お気に入りは「3人の杖殿」と偏屈魔女と卵のやつ。身分を超えた信頼関係とか種族を超えた繋がりとかが好き。

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    2017年01月27日
  • 王様に恋した魔女

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    "「わたしにはすぐわかりました。あの男は、わたしがあなたを見るのとおなじまなざしで姉君をみつめていました。気がついていただきたいものです。姉妹とも似てらっしゃる。」と、すねてみせた。
    春風の姫君は、まゆをもとにもどすよりはやく、ほおをぽっとそめた。そして、わたしの婚約もまちがっていなかったとほほえんだのだ。"[p.39_魔女の縁談]

    連作短編集。

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    2016年12月16日