池上英洋のレビュー一覧
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初期の十字軍遠征で聖地を征服してキリスト教国を立てて以降、人員や物資の移動にはヴェネチアから船のルートで行われるようになった。港から聖地へ至る道程の守備には、テンプル騎士団が組織された。ヨーロッパ各地から戦地に赴く騎士たちは、旅路と滞在に必要なお金を地元にあるテンプル騎士団の支部に預けたため、そのお金は農園を購入するなどの投資に用いられた。
商業活動が発展すると、同業者組合(アルテ)が強い力を持つようになり、その代表者が集まって都市の重要事項を話し合いで決定する自由都市国家コムーネが発達した。
滅亡の時が迫っていたビザンチン帝国からは、学者や技術たちが同じキリスト教圏である西ヨーロッパへと逃げ出し始め、金融都市として頭角を現していたフィレンツェに流入した。 -
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フランスの26の都市を取り上げ、その都市に纏わる歴史や逸話を紹介する本書
パリオリンピックに乗っかったんかな?と邪推しつつも美しい表紙に惹かれ読んでみました
表紙の写真、どこだか分かります?
超有名な場所なんで分かりますよね〜
正解は世界遺産にもなっているフランス西海岸、サン・マロ湾上に浮かぶ小島、及びその上にそびえる修道院モン・サン・ミッシェルです
本文中にもフランス各地のすんばらしい場所々々の写真がふんだんに載ってるんですが、なんていうか「ん~~、めっちゃ石やん」っていう感想を抱きました
モン・サン・ミッシェルめっちゃ石やん
もう石、石、石ですよ
建物はもちろん、橋も見事に石が積み上がってるのね
あと像ね像、石像なのよ
木に囲まれて生きてきた日本人には圧倒されるよね
仏様も木像だしね
あっちからしたら「木、すげー!トレビア~ン」なのかもしれんけどね
ここでね、もう無理やわ
石なんかに囲まれて来た人たちとは、やっぱ分かり合えんわじゃなくて、お互いの文化をリスペクトしあいながら、仲良くできたらいいな〜、なんてこの本の主旨とはあんまり関係ないことを思ったりしたのでした
うん、だから柔道団体のルーレットもきっと公正だったと信じようではあーりませんか -
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ネタバレいやあ、面白かったです。絵画と西洋文化史とを絶妙につなぐ本作。しかもテーマは恋愛。
読後、絵画の豊潤さに思いを致しました。
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で、陳腐に思ったこと。
「絵画って、歴史を綴るなあ」と。
洞窟で暮らす人々の生活を写すところに始まり、キリスト教の宗教画として機能したり。ルネサンス期にはキリスト教以前のギリシア文化を描いたり、より世俗化したタッチでの聖人画や聖書の題材を描くなどしたり。パトロンの肖像画を描いたり。更には絵画(とそのパトロン)がより一般化したことによりブリューゲルらが農村の風俗を残すようになったり。
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そう、何か知らんけど、妙に感心してしまったのです。
「絵画、深いじゃないか」と。
単なる美醜で見る。これもまた良いでしょう。でも、それだけに留まらないのです!
その作品の中に新たな技術を見出したり、あるいは全体の構図から寓意を見出したり、描きこまれるアイテムから聖人を特定したり。つまり、描きこまれたアイテム一つ一つを繙くと、そこには多くの意味が込められているわけです。ぞくぞくしませんか?
時に人はそれを「うんちく」と言って揶揄します。が、一定数の中高年のおじさんにはこれは蜜の味です。そして実際、端々に潜む意味・意義を教える本作、私には面白く感じました。
で、本作はそういうことを丁寧に教えてくれる作品であった、ということです!
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ということで池上氏の西洋美術史の本でした。
絵の話ではありますが、習俗・風俗の話、作家の話、西洋史(文化史、宗教史、政治史)、ギリシア神話、新約聖書・旧約聖書など、色々な話が分かっていて初めて十全に楽しめる世界だと感じました。
池上氏の解説により、やっとこその一端を垣間見ただけですが、知の蓄積・集積、まさに歴史を感じた一作です。
中高年の歴史好きには激しくお勧めできる作品かと思います。 -
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ネタバレ美術史家の池上さんの作品。というかお名前初めて伺いましたが。
タイトル通りの作品。エッセイというには内容が濃い読み物ですが、一章一章は十数分で読めてしまう気軽なものです。
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やはり良さというと、想像を掻き立てる、行ってみたくなるという事でしょうか。
収録されている24の地域を挙げますと、サン・レオ、アッシジ、ヴィンチ、ティヴォリ、シラクーザ、タオルミーナ、ヴェネツィア、ルッカ、マントヴァ、フェッラーラ、カノッサ、フィレンツェ、ボマルツォ、オルヴィエート、シエナ、ヴィチェンツァ、ペルージャ、ローマ、ヴェローナ、アマルフィ、サン・ジミニャーノ、チェファルー、マテーラ、パレルモ、です。
おそらく多くの普通の日本人は、この中でご存じな町は精々4つか5つくらいなのではないでしょうか。でも、これだけ多くの世界遺産、素敵な町、その背後にある芳醇なストーリーがあるのに、日本人に知られていないのは実に残念な話です。
一例を申し上げましょう。
難攻不落のカリオストロ牢獄に幽閉された自称カリオストロ伯爵は詐欺師だったとか(サン・レオ)、レオナルド・ダ・ヴィンチはフィレンツェ上流階級の非嫡男と生まれ農村で育てられたとか(ヴィンチ)、教皇アレクサンデル6世の子として生まれ3回の結婚を経て世を去ったルクレツィアの話(フェッラーラ)など。あと、当時絶世の美女とうたわれたシモネッタの肖像画各種(フィレンツェ)とか。
こういう話を聞いたらちょっと行ってみたくなりませんか?
ま、これらにピンと来る方ならば、イタリアに行こうが行くまいが読んで損はないでしょう。
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逆に言うと、行く予定もなく、イタリア好きでもない方にはうまく刺さらない可能性があります。
普通の一般的日本人は上記のなかでローマ、フィレンツェ、ヴェネツィアあたり知っていると思います。世界史を頑張った方は、シラクーザ、パレルモ、カノッサあたりは名前は憶えていると思います。サッカー好きはペルージャはご存じでしょう。
でもこれ以上は厳しい(良く知らない)のが実情だと思います。
そうした意味では、やはり一種目的のある方向けの作品だと思います。
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ということで美術史家池上氏による、エッセイ調で肩の凝らないイタリア小噺集でした。
イタリアに興味のあるかた、近々旅行に行く方、あるいは丁度帰ってきた方にはお勧めできる作品です。 -
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万能の天才と言われるレオナルド・ダ・ヴィンチ。名前の由来はヴィンチ村のレオナルドで、婚外子として生まれ、決して恵まれたとは言えない中で育っていくが、主に絵画を通した人生が詳説されている。
寡作にして遅筆、なぜ絵筆を先に進めないかと問われ、考えている時間にも作品は進行している、という答えに思考の深さが窺える。自然界にはない輪郭線を描かずに、色彩のトーンとグラデーションだけで描くため、スフマートという技法を生み出す。真骨頂が有名なモナ・リザだが、モデルの謎とともに、絵の深みを増している。日本で開催された企画展の入場者数約150万は未だに世界記録として破られていない。巻頭にカラー口絵があり、作品を参照しながら、製作の背景を理解しつつ、歩みを辿れるのがいい。 -
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イタリア22の美しい街と物語
読みやすく美しい写真が想像力を助けてくれ、イタリアの空気を味わえる
ベーネベーネ!
それだけでなく同時にイタリアの歴史と文化の知識を増やしてくれるのも嬉しい
知れば知るほど奥深いイタリア
せっかく読んだので備忘録
南イタリアのバーリ
ブーツの形をイタリアとしたときのヒール部分の付け根辺り
この街にあるサン・ニコラ教会の外に立つ聖ニコラ像だが、なんとサンタ・クロースの原型となった人物
サンタ・クロースの伝説の最も有名な説らしい
トルコのミラの街の三人娘の話である
生まれは貴族だが貧乏な隣人
その隣人は3人の娘がいたが、困窮のあげく、彼女達を身売りさせようと考える
(ひどい父親だ)
それを知った聖ニコラは夜、窓から金塊を隣人宅へ投げ入れる
この時金塊が暖炉にかけた靴下に入ったとか…
という説だ
そしてバーリの商人たちがこの聖人の遺骨をトルコのミラから運んで(恐らく盗んで)、サン・ニコラ教会を建てた…とのこと
すっかり北欧のイメージのサンタ・クロースだが、今のような子供の夢のある話ではなく、なんとも切実な現実的な話だったとは…
青の洞窟で有名なカプリ島
とても美しい島だ
時間は優雅に流れ、気候もよく、高台から四方に海が見える
ティベリウスはアウグストゥスの跡を継いだローマ皇帝だが、このカプリ島に引きこもってしまう
10年近くも…
(確かにそれくらい魅力的な場所だけど、アンタはダメでしょ…それに10年も居たら飽きないのかなぁ、そんな広くない島だし…)
ちなみに聖書に登場する「神のものは神に、カエサルのものはカエサルに」の「カエサル」はユリウス・カエサルではなく、ティベリウスのことらしい
ガーン初めて知った!
シチリア島の東海岸にある街カターニア
美しい貴族のアガタ
彼女はキリスト教の熱心な信者
だが当時の西暦253年頃は、まだキリスト教は公認されておらず、迫害の対象になることも
そんなアガタを気に入ったシチリアの総督が、信仰をやめさせ、かつ彼女をものにしようとする
もちろんここはお約束で、彼女の改心も出来ない上、ハートを射止めることにも失敗する
しつこいこの総督は様々な手を使い、アガタの心を変えようとするが、頑なに信仰と貞節を守る
とうとう拷問にかけ、乳房を斬り落とす…というヒドイおはなしだ
これはキリスト教における「殉教」の教えらしい(傲慢な最低男の話しじゃん)
このアガタが切り落とされた乳房を載せた皿を掲げる絵がなんとも美しく不気味な調和である
女性の貞操観を願うモノらしいが、現代女性からはクレームがきそうな話である
他にも、レオナルド・ダ・ヴィンチや、ナポレオン、イタリアのベルサイユと云われる美しいカゼルタ王宮、不気味で奇矯なバゲリーアのパラゴニア宮殿、大学の街ボローニャやアルベロベッロのトゥルッリ、スパッカナポリ…
有名どころが満載ながら、一つ一つの小噺的な歴史エピソードが添えられており、気軽に楽しめる
いつかイタリア再訪を夢みて…