池上英洋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
美少女は昔から存在していた。それがお金と手間のかかる「西洋画」に写しとられるとき、彼女たちはどのように表現されるのか。
昔から愛でられていた美少年と違って、「小さな大人」「未熟な大人」から、富豪の肖像画、神話・キリスト教の「純潔」「貞淑」の象徴、そして女の子の「可愛らしさ」そのものの描写へ…
という流れがあるらしいのだけど、時代や様式の区分ではなく、細々としたジャンルに分かれて説明されていたため、時代の流れを大まかに把握するのは難しかった。でも、美術史を一ミリも知らない自分でも分かりやすい説明と、沢山のカラーページで紹介された絵画、今後展覧会に行って女の子の絵が描いてあったら、どのジャンルなの -
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Posted by ブクログ
古今東西……ではなくて西洋のほうの少年を題材にした絵画や彫刻をたどりながら、それらを生み出した文化背景も紹介。日本も江戸時代は男どうしの仲が普通のことだったようだけど、西でもそうだったのかという感じ。同性どうしのほうが心や考え方が通じるだろうから、ある意味心は許せるだろうし仲良くなりやすいのもわかるんだけど、紀元前からそういう流れが連綿とあったというのを再認識した感じ。それでいながら、これまた今まで連綿と続く同性愛への偏見にはキリスト教が関係していたんだな、なるほど……という感じ。
甘い香りが漂ってくる感じがしなかったり、プリンとかムチムチッとした感じがない、少年や青年たちの姿はそれはそれで、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「ほら穴に生きた人々~マテーラ~」
おもしろかった『恋する西洋美術史』の著書が贈る、イタリアの都市の豆知識。1章数ページで読みやすかったが、情報が少ない分、もっと知りたい!という欲求も出てきた。特に衝撃的だったのはマテーラという町。戦後まで洞窟の中に住んでいる人がいたという。洞窟の中の生活は不衛生で不便だったそうだが、その人口は最盛期には1万人にも達したらしい。イタリアといえばローマ時代、そして現代の発展した姿を思い浮かべてしまうが、このような都市があったことに驚きを隠せなかった。他にも塔がたくさんある町など、行ってみたくなった場所がたくさん。写真満載の一冊で、旅行前に再読したいと思った。