池上英洋のレビュー一覧

  • ヨーロッパ文明の起源 ──聖書が伝える古代オリエントの世界

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    個人的に今まであまり触れることのなかった古代オリエントについての一冊。思いのほか教科書的な記述であまり楽しめなかったが、エジプトでは一神教を認めるとファラオの聖性が否定され、権威が失墜する危険性があるため一神教と専制君主制は相容れない関係にある等、楽しい知識もぼつぼつ。古代史の復習にもなった。

    0
    2018年12月07日
  • ヨーロッパ文明の起源 ──聖書が伝える古代オリエントの世界

    Posted by ブクログ

     神話、聖書、叙事詩、碑文。メソポタミアやエジプトの古代の物語的要素が取り込まれた記録物を基に、ピラミッドやウルのスタンダードなどの考古学的遺物の話も交えつつ、古代オリエント文明の実相を広く描いた一冊。少しまとまりがない気もしたが、メソポタミア文明がシュメール→アッカド→アッシリアと続き、エジプトをも征服したアケメネス朝ペルシアのもと、現在のイランからエジプトまでの領域を支配するオリエントの一大帝国が成立し、それが更にギリシャを支配下に置いたマケドニアのアレクサンドロス大王によって征服される事で、現在の西洋文明における文化的礎となった事が改めて学び直せて良かったです。メソポタミア南部のシュメールの洪水伝説がのちのオリエントの民族の物語にも引き継がれ、ユダヤ教の旧約聖書やオウィディウスの『変身譚』に記された事、ハンムラビ法典が「損害に見合う罰の相場を示しただけの、非常に冷静で客観的な法典」である事など始めて知る事も多く、肩の力を抜いて楽しく読む事ができました。
     個人的にはシュメールについてもう少し詳しく知りたいと思ったので、機会があればまた関連の本を探して読みたいと思いました。あと、ヘロドトスの『歴史』を読みかけているので、それを促す契機となりそうです。ただ通史として知りたい方は、別に山川出版社から出ている教科書的な書籍に一度目を通した方が良いのかな、という気がしました。オリエントの故事を楽しく知りたい方には最適だと思います。

    0
    2018年02月12日
  • 恋する西洋美術史

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ルノワールの言葉は作品そのものを表していて感動した。年月を経ても変わらない、夫人に向けられた柔らかくあたたかい視線を感じるようだった。
    「恋する」と名付けられていて軽い気持ちで読み始めたが、ドロドロとした実情も多く語られていた。

    0
    2017年06月04日
  • ルネサンス 歴史と芸術の物語

    Posted by ブクログ

    美術館でミケランジェロ展があるため、ミケランジェロが生きたルネサンス時代について簡単に学べる本として読ませてもらいました。
    歴史の流れを見ながらルネサンスの興りから衰退まで、さらに芸術の移り変わりまでさらっと学べます。
    写真もカラーでたくさん載っており、写真を見ながら具体的な話を読めるためなるほど〜となりやすかったように思います。

    0
    2016年10月16日
  • ルネサンス 三巨匠の物語~万能・巨人・天才の軌跡~

    Posted by ブクログ

    レオナルド、ミケランジェロ、ラファエロ。この三者を個々に論じることはあるが、その交点を探った点が独自性か。反面、記述が薄くなってしまったのは、新書では仕方あるまい。

    0
    2015年12月25日
  • 官能美術史 ──ヌードが語る名画の謎

    Posted by ブクログ

    DVDや写真のお手軽さが、いかに官能と美術を引き離したかが良くわかる。構図を工夫、じっくりデッサンし、習作を重ね膨大な時間をかけ手仕事で産み出した絵画には、芸術を超えた?エロを感じる。

    0
    2015年01月24日
  • 残酷美術史 ──西洋世界の裏面をよみとく

    Posted by ブクログ

    直近読んだマンガの影響などもあって、「残酷」「残虐」の概念、あるいはもっと個別に「死」や病い、拷問、刑罰、それらに起因する身体の損壊、変形、腐敗のイメージを(あえて)描くことの意味、それを(あえて)観たり想ったりすることの意味について何となくの関心を覚えていて、本書を手にとった。

    副題は「西洋世界の裏面をよみとく」。多くの絵画や図像を取り上げて短いコメントを付すものだから、学術的な分析を示すものではなく、したがって「裏面」という表現に端的に表されるようなアナクロニズムを非難しても仕方ないとは思う。

    残念なのは「残酷」ということばの意味の曖昧性にもよるのだろうけれど、今日私たちが嫌悪感や恐怖心とともに観ることとなるグロテスクなもの(「Histroy of Grotesque Art」というもう一つの副題が指すもの)と、人間の生の儚さなどを思われる悲劇的な光景とが本作の中で区別立てされていないことか。

    ともあれそうした「残酷」表現もその題材となった処刑や拷問といった現実のできごとも、同時代を生きた人びとにとっては、私たち(という範疇で括られるのが具体的にどのような人びとなのかも問題だけど)が感じる嫌悪や恐怖とはことなる感情とともに受け取られていたのではないかと思う。

    ややマクロな視点で見れば、不思議なくらい興奮状態に陥りやすい、他人の痛みに底知れぬ鈍感さを示す群衆がおり、よりミクロな個人レベルで見れば、死や身体の腐敗・分解に対して今日ほどの忌避感を感じていないし実際仮に感じようとしてもそれが許されない状況下にある精神が示す死生観がある。──そういったことをあれこれ考えながら読むにはページ数も手頃なよい本である。

    0
    2014年12月29日
  • イタリア 24の都市の物語

    Posted by ブクログ

    ついつい引き込まれる、と言った文体では無いし、なんとなく物足りない感じもあるけれど、これがNHKイタリア語講座のテキストの連載だということなら納得。各回のページ数限られてただろうし。なので駆け足でイタリアの文化や歴史に触れるパンフレット的なものだと思って読むといいと思います。写真オールカラーできれいし。

    0
    2013年06月14日
  • イタリア 24の都市の物語

    Posted by ブクログ

    NHKラジオイタリア語講座の元ネタかと思ったら、TV講座用テキストに連載していたそうだ。現在のラジオ講座と都市のダブりはなさそう。

    1都市あたり新書で数ページ(図版こみ)なので物足りないのは仕方ないが、行ったことのある町(14都市)にはまた行きたいと思い、言ったことのない町には行きたいと思った。図版がオールカラーなのもよい。

    0
    2012年09月02日
  • イタリア 24の都市の物語

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    この方の本は『恋する西洋美術史』に引き続き2冊目。
    全図版がカラーで、しかも魅力的。
    新書は大抵読んだらすぐ手放してしまうけど、これはとっておこうかな。

    女たちの物語の章、フェッラーラで、ルクレツィア・ボルジアが出てきたので、このあたりの物語をいつか惣領冬実さんの絵で(チェーザレ/KCモーニングコミックスのこと)読めるだろうか、とニヤニヤ。

    イザベラ・デステは塩野七生さんの本でしか読んだ事が無いから、頭の中でそちらも思い出しながら読む。

    唯一行った事のあるフィレンツェ、やっぱり一度でも行った事、実物を見た事があると、文章を読んでいてもイメージが広がる。

    以前、付き合っていた人にフィレンツェとヴェネツィアに行くのが夢なんだ、と言ったら、どこにあるか知ってるの?と返されて心底げんなりしたものだけど、斯く言う私だって、ここに出ている都市の事、知らないことばっかり。

    だから面白いんだけど、物事知った気になるものじゃないな、と反省。

    あと、学者さんの文章って、正確に書こうとして回りくどくなったり、ってありがちだけど、この本はそんなことなくて、ワクワク感を掻き立ててくれる気がする。

    0
    2012年09月22日
  • ルネサンス 歴史と芸術の物語

    Posted by ブクログ

    美術館に行ってもよくわからないルネサンス期のことを勉強しようと読んだ本。なんとなくわかってきました。

    0
    2012年07月22日
  • イタリア 24の都市の物語

    Posted by ブクログ

    西洋美術史を専門とする著者が、美術家の視点から紹介する、イタリアの都市、24の小さな物語。

    ローマやフィレンツェといった観光ルートでおなじみの都市から、ルッカやサン・レモといったどうやってもツアーなどでは立ち寄りそうにない都市まで、非常にバラエティに富んだチョイスとそこで展開される物語に、気が付けは肩の力を抜いてゆったりと身を浸している。

    気になった話は、もっと掘り下げてみたくなる。
    そんなネタが随所にちりばめられた良書。

    0
    2011年09月15日
  • 恋する西洋美術史

    Posted by ブクログ

    「西洋画」が苦手だった私。現代美術はある程度解釈の仕方を観る側にゆだねてくれている感じがある一方で、西洋画は「観るルール」だとか「正しい解釈」が存在しているというイメージから。恋愛という身近なキーワードで西洋美術史をひもといていくというこの本を読めば、少しでも理解が深まるだろうか、という期待から購入。
    読んで思ったのは、昔の人も、昔の神様も、性にまつわるあれこれに翻弄されていたんだなあということ。現代の自分たちと何ら変わりなく。ただそこに時代背景の違いが顕著に表れていて、そのギャップが面白い。
    現代には性の記録や妄想を、あんなにはっきりとキャンバスに残している画家はいるんだろうか?未来の人にもこんなシンパシーを感じてもらうために、ぜひ取り組んでいただきたいものです。
    たぶん同じシリーズで、食事から西洋美術史を見るというものもあったので、次はそれを読みたい。

    0
    2011年08月29日
  • 恋する西洋美術史

    Posted by ブクログ

    恋愛を画題にした名画にまつわるお話。
    新書であるからして、それほど体系だった感じではなく、エピソード的。絵画から紐解く(あるいは垣間見る)西洋性愛史、といった趣き。

    前半は比較的お行儀よい印象だが、後半は肉食系色恋のすさまじさの片鱗も漂わせる。
    巻末の参考文献が親切だ。奥深そうな分野であるし、この森に入りたくなったら、こうした文献が手引きになるのだろう。

    *新書なので仕方ないとは思うのだが、絵が小さくて、白黒のものがほとんどなのが残念。「画面右端にこれこれこういう男がこんな表情をしていて・・・」って言われてもわかりません、先生。こういうのは、大教室でスクリーンにスライドを大きく映しつつ講義してもらえばよいのかもなぁとちょっと思った。

    *巻頭の『ピュグマリオンとガラテア』(ジャン・レオン・レジーム)が好きだ。ニューヨーク・メトロポリタン美術館にあるらしい。

    0
    2011年06月20日
  • イタリア 24の都市の物語

    Posted by ブクログ

    イタリアの都市にまつわる歴史を学ぶことによって知的好奇心を満たしながら、その建造物や絵画などの芸術作品の素晴らしさを存分に味わえる本。

    0
    2011年01月20日
  • 恋する西洋美術史

    Posted by ブクログ

    美術作品というのは、改めて思うと、
    ともかくたくさん絵画などみて、そこで、「訳のわからないすばらしさ」を感じるときが、いつかおとずれ、そこから、「訳のわからない何か」と問われて、いろいろと歴史、技法、コンセプトを知りたくなる・・・というところまで、ともかく、作品を見続ければ良いんじゃないかを思う。浴びるように。話はそれからだ。

    0
    2009年10月31日
  • 恋する西洋美術史

    Posted by ブクログ

    西洋美術史というか、

    『絵画を通して学ぶ西洋文化史』

    といったほうが適している内容だと思った。


    私はギリシャ神話とか世界史には興味が無いんだなーと実感した。。
    でも昔の思想や出来事が今の美術に与える影響って大きいし、強制的に詰め込まなきゃいけないのかもしれぬ。

    「接吻」をテーマにした絵画を何作か考察している部分で、最後の1作として紹介されていたマグリットの《恋人たち》が衝撃だった!
    布で顔を覆った二人の男女がキスしていて、昔にはなかったキスの「匿名性と、その盲目性」を象徴しているんだそう!!
    「唇は直接触れることなく、ただ行為としての、ただ形式としてのキスだけが描かれている」。。。
    確かに、現代は軽い気持ちでキスする人が多いと思う。私も流されてしちゃったことが多々あるし(/_;)
    キスの神聖性が薄れてきているのは確かだと思う。
    まさに、「キスの美術史の最期を飾るにふさわしい作品」です!!!!!

    ***

    ダンビーの《愛の絶望》は見た瞬間にぐっと引き込まれた。
    女本位に描かれている作品がやっぱり好き。
    実物を見てみたいなぁ。

    ***

    あと、フュースリっていう画家の《男と三人の女たち》っていう作品は…刺激的すぎでした。刺激っていうか吐き気が…笑
    ただ、「ここでは男性は自主性を持たず、女たちのなすがままである。彼は奉仕を強いられ、その報酬として快感が与えられる。」という解説にはなるほどと思った。
    ふとボーヴォワールの『第二の性』に「絶頂の快感を経験しないで死ぬ女は多い。しかし、男にとって快楽は求めれば必ず到達できるものである。」って書いてあったのを思い出した。たしか女性の9割がイケないまま人生を終えるんだっけ。
    自分だけイッちゃう分、女の人をいたわれってことなのかしら。。
    ともかく、私は女性をファム・ファタール(※)として扱ってくれる男の人が好きですっ

    ※男の運命を握る女。男を破滅し、堕落させる。

    0
    2009年10月04日
  • 恋する西洋美術史

    Posted by ブクログ

    とてもおもしろかった。やっぱり西洋美術を知るには、キリスト教やローマ・ギリシャ神話を知らないと分からないなぁと感じた。でも、そういうのを1つずつ知って行くのも楽しいですよね。関係ないけど、なかなか直接的な表現も多くて、人の多い電車の中で読むのはちょっと恥ずかしかった。

    0
    2009年10月07日