布施祐仁のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本が出版されて2年たったが、リスクはますます高まったように思われる。
いざという時にはアメリカが助けてくれるという神話から抜け出せない国民が、政府の、アメリカの言うがままの防衛力増大にノーと言えてないのだ。北朝鮮や中国の脅威を煽られるまま防衛にもっと力を入れなければと思わせられている人が多すぎる。本当のことを勉強してほしい。
どうしてアメリカのために日本の税金や、いざ戦争となった時は日本人の命まで捧げなければいけないのか。
布施さんのご著書、Xで教えられることが非常に多い。フリーの立場で、現場に赴き、資料の公開請求等で事実を掘り起こし、考察し、それを公開しておられる人の話をよく聞くべきだ。 -
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自衛隊の海外派遣について、とてもわかりやすく書かれていた。地道な資料請求、取材に一国民として感謝したい。肝心な資料を隠蔽したり、破棄したり、改竄したり、開示されても真っ黒だったり、そんなことは本当にやめて欲しい。
日報の保存期間が延長され(破棄できなくなった)公文書館に移管されることになったのは、著者の功績だろう。
今後の日本(自衛隊)ができるPKO活動の著者の提言もなるほどと思い、国としても考えてくれていると信じたいが、何も考えていないかも。アメリカの要請に従うことしかできないのかも。なんだか悲しいが、隠蔽や現地の戦況の過小説明で、肝心のPKO活動に参加された自衛隊の人への国民の評価が抑えら -
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Posted by ブクログ
日報隠蔽問題が発覚し、当時の防衛大臣や、自衛隊幹部が辞任する事態にまで至った南スーダンPKO活動。その時に明らかになったのは、どう見ても戦場となっている地域に自衛隊を派遣しながら「停戦合意がある」、銃撃戦があっても「散発的な発砲がある」等の事実を捻じ曲げた政治家のロジックでした。自衛隊のPKO参加は、1991年の湾岸戦争後に掃海艇の派遣から始まって南スーダンに至るまで約25年間続きました。本書で明らかにされているのは、そのほとんどの現場で、自衛隊が現地の戦闘に巻き込まれていてもおかしくない状況に幾度となく遭遇していた事実です。
「武器の使用は正当防衛と緊急避難の時だけ認める(他者を守る目的のみ -
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国際平和協力法、PKO法による自衛隊の海外派遣が始まって30年が過ぎていた。自衛隊が派遣された場所は、それまで紛争地でまだ敵対する勢力が停戦に合意しているだけの戦地であったことを、情報公開された「活動」日報によって明らかにする地道な取材で明らかにしてくれる労作。今ウクライナで戦争が起こっている時に自衛隊に防衛以外の任務を付与する余裕はないようにも考えるものの、本書にいくつかの提案は考えていいのかと思えた。軍事監視要員派遣、重機などの操作訓練を行う派遣など、「一人も殺さないアクター」として国際平和に貢献する道を模索してほしいとの著者の願いは印象的だ。それにつけても自分の行った判断を記録して胸を張
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ネタバレ他書の引用で紹介されていたので、自分には珍しくドキュメンタリーを手に取りました。政府の隠蔽体質を暴く丹念な取材は、稲田大臣とは好対象なファクトを積み重ねた結果だったと言えるだろう。著書のようなジャーナリストが居なければ、政府の現実無視(南スーダンの戦闘状態)、実績作りありきで政策をを操る政府の危うい運営の結果、自衛隊から犠牲者が出ていたかもしれない。こんなご都合主義の政権が軍隊を操れる危うさを恐ろしく思う。ただ、著書の考える憲法9条を遵守すれば良いという考えには同意できない。平和は尊いけれども隣国中国と共存していくには、各国と協調しながら自国の責務を果たせるだけの武力は必要だろう。だからこそ、
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ネタバレ世の中のことにとても疎いので読んでよかった。
印象に残ったワード「全体主義」「差別」「ファシズム」「水道法改正」「種苗法改定」「カジノ」「歴史修正主義」
コロナ禍だからこそ伝えたい「自由」と「権利」と「多様性」
p19「自由や多様性を守る」ということは、(コロナ禍で)マスクをしない人も、バーベキューをする人も、同じ社会で暮らす仲間として尊重するということ…せめて糾弾したり排除したりしないということ…自分たちの安全のためにどうしても行動を変えてもらう必要があるならば、その人の人権や生活が損なわれないよう、民主的な手続きを守りながら、理性的にお願いするということ
p17〜18 社会を民主的 -
Posted by ブクログ
身内に自衛隊員がいながら、今頃このようなもの読んでいる自分のアンテナを先ずは猛省。
フリージャーナリストの布施祐仁氏が防衛省・自衛隊の日報隠蔽を調査報道して稲田大臣達を辞任に追い込んだ事件は記憶に新しいが、隠蔽ばかりがフォーカスされた結果、肝心の南スーダン情勢そのものは然程クローズアップされずに森友・加計問題に突入してしまったから、三浦英之氏パートは貴重。
「自衛隊大事」ならぬ「自衛隊派遣大事」の日本政府には今更驚かないけれど、南スーダンでの状況を「武力紛争」と認めるかどうかの競り合いの側面に、国際法的な問題点のあることが指摘されている。
軍法会議が存在しない自衛隊。市街戦になって非戦闘員 -
Posted by ブクログ
ジャーナリストの矜恃ここにあり!
大まかな推移は、「はじめに」で三浦英之さんが3pでまとめている。
それを更にまとめると、
2012年南スーダンに自衛隊が平和維持活動(PKO)で派遣される
2016年7月、大統領派と副大統領派の、首都ジュバでの大規模な戦闘が発生する。
当時、日本政府は「政府軍と反政府軍との間に散発的な発砲事案が生じている」と発表。
憲法9条は、海外での武力行使を厳しく禁じている。よってPKO派遣の原則は「現地で戦闘が起きていないこと」であった。政府は奇策を打った。南スーダンの事実を加工して「戦闘」を「衝突」と言い換えた。
「戦闘」か「衝突」か、国会やマスコミが不毛な議論を -
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Posted by ブクログ
在野のジャーナリストによる情報公開請求が端緒となり、稲田朋美氏を防衛大臣辞任に追い込んだのか。そして、現地取材記者との見事なタッグでその顛末を届けてくれた。こうして記録で振り返れば、派遣隊員によるかけ替えのない報告を即座に処分したなんて偽りとしか考えられないが、「日報」の存在に着目した布施氏はエライ。正直、隠蔽なんて官民あらゆる組織で茶飯事だろうが、コトがコトだけに晒された意義は絶大だ。それにしても、南スーダンの腐敗ぶりの凄まじさを知る。レイブ、略奪、殺戮。彼らが手にしている武器を製造し、武器商人とつながっているのは国連安保理常任理事国なんだよなぁ。マッチポンプだわ。