【感想・ネタバレ】従属の代償 日米軍事一体化の真実のレビュー

あらすじ


「安全保障を専門とするジャーナリストとして20年以上活動してきた中で、
今ほど戦争の危機を感じる時はありません。」

日本がいつの間にか米国のミサイル基地になっていた……政府の巧妙な
「ウソ」を気鋭のジャーナリストが見破る!現代人必読の安全保障論。

「いま、人知れず大変な事態が進行している。米軍が日本全土に対中戦争を想定した、核を搭載可能なミサイルを配備しようとしているのだ! しかも今後、日米の軍事一体化が「核共有」まで進めば、米軍は密約により、その核ミサイルを自衛隊に発射させることも可能になる。この未曾有の難局に、私たち日本人はいったいどう対処すればよいのか? 第一人者布施祐仁による驚愕のレポートと提言に、ぜひ耳を傾けてほしい」
――矢部宏治氏(『知ってはいけない』)

「布施祐仁は、戦後日本の対米従属の戦慄すべき帰結を容赦なく暴き出している。世界の火薬庫と化しつつある東アジアで、我々は戦争屋のお先棒担ぎになるのか、それとも平和の架け橋となるのか、決断の時はいまである」
――白井聡氏(『永続敗戦論』)

● 「台湾有事」をシミュレーション 日本への影響は?
● 日本にミサイルが配備される可能性
● 自衛隊が「米軍の一部」に…「非対称」な軍事関係
● 広がる米中間の溝 核軍拡競争の時代に逆戻りか
● 政府による巧妙な嘘…「核持ち込み密約」の真実
● 「日本有事」を防ぐために――日本がとるべきミサイル・核政策とは?

「戦後安全保障政策の大転換」
その正体は、終わりなき軍備拡張と米国への従属だった――
現代を「新しい戦前」にしないために

【目次】
はじめに
第1章 南西の壁
第2章 中距離ミサイルがもたらす危機
第3章 米軍指揮下に組み込まれる自衛隊
第4章 日本に核が配備される可能性
第5章 日米同盟と核の歴史
第6章 米中避戦の道
おわりに
主要参考文献

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Posted by ブクログ

 重たい本だった。日本の歴代首相がいかに対米従属を推進してきたかという厳然たる事実を再確認させられるばかりでなく、その代償として私たち日本人が払わなければならない代償を突きつけられているからだ。アメリカファーストと謳う国が日本の払う犠牲をどれほど考慮するかは、火を見るより明らかだろう。結局米軍の手先として便利に使われて捨て石とされ、日本人が捨て石として使おうとしている南西諸島ばかりでなく、日本全土に再び核の雨が降り注ぐ可能性は否定できない。その恐ろしさに比べたら『外国人問題』なんて問題外、と思わせられる。

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2025年07月22日

Posted by ブクログ

詳しく語られているのか否かもよく判らず、通暁している人が多いとも思い悪いテーマだが、大変に大切な内容なのだと思う。そういうことを解り易く説く本書に出逢えたことが善かったと思っている。非常に「新書らしい」という感じの読書体験が出来たと思う。
防衛を巡って様々な用語が飛び交う場合が在る。そういう用語が一定期間飛び交うと、特段にその種の話題が出るでもない様子になってしまい、何時の間にか忘れている。そんなことが多いように思うのだが、本書はその種の用語に纏わる経過を少し掘り下げながら、1950年代という少し旧い辺りから2020年代の近年の新しめな様子迄を要領よく纏めていると思う。そうした中で「何時の間にかこういうような様子になっている…?!」という提起をしている。知っているような知らないを、広い層の読者が判り易いように纏めて伝えるという「新書」の感じというものだと思う。
結局、様々な経過を経て、日本国内に「対岸の敵性施設を狙い撃つ」という性能を有したミサイルが配置されるようになり、同盟国の指揮下で「何時でも撃てる」というような様子に「なっている?!」という様子な昨今である。「本当にこういうので善いのか?!」とううのが筆者の問題提起であるというようにも思う。
「シームレス」という「だ段差が無い」という用語の下で、実質的に「米軍の一元的な指揮の下」という状況で、「ミサイル」と呼ばれる「誘導弾」を方々に配置している日本の様子に関して、鳥瞰的に解説しているのが本書であると思う。こういうような事柄は「知っておくべき」というように思う。こういう一冊は貴重だ。出くわしたことを善かったと思う。

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2025年03月30日

Posted by ブクログ

日本は「専守防衛」と「非核三原則」を貫き、保持する軍事力は領土・領空・領海の防衛に必要な最小限のレベルにとどめた上で、ASEANと連携して米中対立を克服し、平和共存の理念に基づく包摂的な国際秩序を形成する外交に全力を尽くすーーーこれが筆者の主張
日米軍事一体化から台湾有事には日本への攻撃は不可避、戦域核兵器の使用の可能性もある
説得力のある主張だったと思う。

【目次】
はじめに
第1章 南西の壁
第2章 中距離ミサイルがもたらす危機
第3章 米軍指揮下に組み込まれる自衛隊
第4章 日本に核が配備される可能性
第5章 日米同盟と核の歴史
第6章 米中避戦の道
おわりに
主要参考文献

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2024年12月04日

Posted by ブクログ

読もうと思ってから1年も経っていた。
その間に「従属の代償」がどんどん大きく膨らんでいく道筋を辿っているのではないか。
昨日布施さんのXでの引用で知ったのだが

中国、中距離ミサイルシステム「タイフォン」の    日本からの撤去要求

らしい。合同訓練の際に持ち込まれたらしい。
その他、地対艦ミサイル訓練も日米合同訓練がされたり、自衛隊と米軍はどんどん一体化している。
アメリカは中国から遠いけど、日本はものすごく近いので、アメリカの言いなりになっていたのでは日本は「従属の代償」を非常に多く払わなければいけなくならないのではないか。国民の命や国土が危機にさらされるのではないか。

どんどん事が知らない間に進んでいくので、それを布施さんのXで知っては、エーってなって、みんな知ってんの?大丈夫なの?と憂えている。
アメリカの大統領がまた大統領だから、ますます先のことがわからなくなっている。従属している相手があの人の国なんだよ。

独立自尊!
政治家がダメなのは、やはり国民がダメだからだ。
個人的に描く未来も平和あってこそ。当たり前だが他人事ではないのだ。
アメリカ一辺倒ではない外交を重視し、アジアの他の国(含中国)と対話を重ね、平和な生活を守る、そういう国であって欲しい。

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2025年09月19日

Posted by ブクログ

1945年の敗戦から1950年の警察予備隊発足をスタートに現在の防衛の現状を詳しく記載した本だが、憲法9条の歯止めが長く機能してきたことはある程度認識していた.しかし、実際には数多くの密約の存在があり、事実上アメリカの思い通りの動きが目に見えない形で進行してきたと言えよう.エポックは2022年12月16日に閣議決定された安保三文書(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)であり、事実上憲法9条の歯止めは無くなった.国会での審議もなく. 7月20日投開票の参議院選挙では、防衛問題に焦点は当たっていないが、真剣に議論するべきだと思っている.

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2025年07月15日

Posted by ブクログ

中国の台頭、米国の地位の相対的な低下などから日米関係も大きく変わりつつある。米国への従属の関係から日本が抜け出すことは簡単ではないだろう。現在の台湾有事の可能性の高まる中、今後の日米関係はどうあるべきか、現状から提言する。
無関心による従属と選ばれた従属とは大きく異なる。

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2025年05月21日

Posted by ブクログ

 独立自尊――この言葉の重みを今こそ再考すべき時かもしれない。日米の軍事一体化がいかに進みその過程で日本の主権が静かに浸食されているかを緻密な取材で明らかにした。安全保障の名のもとにいつしか「従う」ことが当然とされる空気感。いつの間にか米国のミサイル基地となった。
 だが真の平和は他国に委ねるものでなく自ら築くものではないか。独立自尊とは表看板ではなく不断の努力と覚悟の裏付けによって成り立つ。静かなる従属に甘んじるのかそれとも真の主体性を取り戻すのか。この問いかけはいま私たち一人ひとりに向けられている。

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2025年05月06日

Posted by ブクログ

従属とは日本(ないし自衛隊を通じて直接的に)アメリカ(ないし米軍)に従属する(安保条約を通じ)ことで、歴史的に実態として反共の前線として役割を果たしてきたこと(非核三原則を建前にしながら)から更に台湾有事をきっかけとする日中戦争の最前線かつ実行部隊に組み込まれていく最近の状況を公開資料やデータを基に平易に解き明かしていく。
政府発表の裏にある真実(本音)を一般国民が解き明かすことは難しいが、本書のような最新の情報に触れながら選挙で政権を選択することはできる。
米軍の核の傘に残る自民党の政治と非核化をどれだけ真剣に推進し,自立的な安全保障(外交)を薦めるか(択一的ではないが)問われている。

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2025年04月13日

Posted by ブクログ

日本を取り巻く情勢が変わっているけど、日本政府は大丈夫なの??
アメリカさんの言う通りだけでやってけない時代ではないかなぁ。

本文にもあるけど、アメリカの国益と日本の国益は違うからね!政治家の皆さん‼️

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2024年12月15日

Posted by ブクログ

2024年62冊目。満足度★★★★☆

安全保障問題の取材歴25年のジャーナリストが著者

急速に「戦争ができる国」に変貌しつつある日本の自衛隊の現状等がよくわかる

どうして今、この様になりつつあるのかの理由は理解できるが、では、今後日本がどうしたら良いのか?何が実際に出来るのか?は一筋縄ではいかないのが難しいところ

もし、台湾有事となれば、日本は米国の手足となって、相当な被害を受けることだけは間違いない

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2024年10月03日

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