喜多川泰のレビュー一覧
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あとがきまで良かった。
物語の始まりは、父親が亡くなったことを警察から知らされこと。
はるか昔に父とは縁が切れており、教師をしている嘉人は煩わしく思いながらも諸々の手続きのため故郷へ帰る。
父との空白の数十年に想像をめぐらせる嘉人。
みじめで孤独だった記憶、だんじり祭りの日のささやかな父との思い出。
父と子。親子だから許せること、許せないことがある。
親も一人の人間。いろいろな顔を持っている。
嘉人の凝り固まった気持ちがスッと解けてゆくのを見届けられて良かった。
誰もが、自分だけの苦しみを乗り越えて生きている。それだけですごいこと。
喜多川さんの作品は、生きていくうえで心に留めておき -
Posted by ブクログ
戦争と命 主人公とその両親、祖父母の年代が自身とあまり差がなく、心に響いた。自分の祖父母が戦時中の時代にどのような生活をし、どのような苦労をしていたのか、子供の頃、戦争について聞いた時に考えた事がある。両親は終戦前後に生まれているので、戦後の事しか記憶にはないが、祖父母と話す機会もなく、両親2人とも戦争の話はしたがらなかったので、私が直接家族から戦争の話を聞いたことは無い。しかし作中にもあるように、主人公の祖父母、両親と同じような経験を、私の祖父母や両親も、そして日本全国の人達も大なり小なり同じような経験をして来て今がある。これから先の人生で私に出来る事は少ないが、心に留めて置かなくてはならな
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Posted by ブクログ
誰もが人生の主人公でありながら、誰かにとっては主要な登場人物や脇役だったりする。
ほんの些細なことでも誰かの人生に影響を与えていたり、与えられたりすることが日常に溢れている。
ただ誠実に毎日を過ごすだけでも生きている意味があるように思えて、心が軽くなりました。
一番印象に残ったのは留学生の張さんが感じた日本人のすごさ。
接客態度のレベルの高さ、並んでいたけど電車で高齢者に席を譲る若者、高齢者が降りた後も周りの人が若者のために当然のように空いた席に座らない光景。日常的で気づかなかったけれど、言われてみれば確かにと思える日本人のすごさを張さんから教わり、誇らしいし嬉しいし、日本に生まれたことが幸せ