あらすじ
「異色の小説家」が描く、人生の深さと人間のおもしろさ!
別々に成り立っている9つのストーリーが
人と人の出会いによって、ひとつの物語へとつながっていく――。
中高生からも人気の高い学習塾「聡明舎」での授業や、日本各地で連続講座「親学塾」を開催するなど、
執筆活動だけにとどまらず活躍の幅を広げている喜多川泰さん。
待望の最新作は、短編小説のような9つのストーリーが人の「縁」によってつながっていく不思議な長編小説です。
少年野球、サービスマン、卒業式、バレンタイン、超能力、就活、日本、出稼ぎ、恋愛……。
異なるテーマの9つのストーリーに登場するのは、
生きていれば誰もが直面するような悩みや悲しみ、迷いや不安といった、さまざまな思いを抱いている主人公たち。
彼らは、人との出会いを通して生きるヒントを学び、新たな自分へと成長を遂げていきます。
各ストーリーに登場する人物が少しずつ重なり合いながら循環していく物語は、
まさに私たちがいま生きているこの世界そのもの。生きる力が湧いてくる作品です!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
インスタのおすすめ情報から読み始めた。
いくつかの短い物語で構成されていて、何人かの人物がリレー形式で登場してきて、「この人はあの物語のどの人だっけ?」と読み返しながら楽しく読めた。
個人的には最初の野球の話が感情移入しやすく、その後の物語をスイスイ読めるきっかけになった。
世の中の人それぞれ、自分が主人公で物語を作っているが、その中で他の人に少しでも影響を与えられるような言葉や行動をできるようにしていければ、豊かな人生を歩めるのかなあと思った。
Posted by ブクログ
短編集だけど全部つながってる読んでいて温かな空気が流れて心地よかった。偶然出会ったひとからのアドバイスや行動が誰かにいい影響を与える。誰かの人生をひっくり変えるほど変えてしまうのは決して物ではない。出会いは財産。
Posted by ブクログ
世界も人もどこかで繋がっている。
人生の主役は自分だが、誰かの脇役になった時、
わたしは誰かの糧になれているだろうか。
一瞬の出会いでも誰かの心に残るような生き方ができる人でありたい。
物語も繋がっている。
ユニフォーム
言葉を選ぶ。褒める視点で。褒める言葉はパワーを与えられる。
この物語ですてきな有馬監督は次の物語で新人バイト。
ルームサービス
働くとは。『どうせやるなら』
自分にできることで、誰かを幸せにする行為が、働くということ。自分にできることを増やしたり、深めたりすることで、誰かを幸せにする深みが変わってくる。
この物語の素敵な紳士、安達はチェックアウトした時には、来た時と同じように部屋を綺麗にして出る。来た時よりも美しく。
安達さんは次の物語の父親。
卒業アルバム
息子の卒業式。初めて息子に関わって参加。
アルバムには若い担任教員江川真由先生からのメッセージが。
来た時よりも美しく。父親は感銘を受け生き方を変えようと思えた。
人は、素晴らしい出会いによって、何度でも生まれ変わることができる。
次の物語で江川先生が主役。
ホワイトバレンタイン
雪のホワイトバレンタインデー。彼と別れる。
バスで涙してしまう。車内で出会う女性と年配の男性から心を頂く。また年配の男性からは花束と言葉を。
苦悩に出会うたびに、これがあったから今の幸せがあるって断言できる未来にしなければって思った。泣いてもいいから笑っていなされ。
この真由さんがバスの運転手にとった行動がかっこ良すぎる。
先程の年配の男性は次の物語の脇役。
超能力彼氏
同じものを見ていても、人が見えない世界をたくさん見える人間になりたい。本を読んでいる人はかっこいい。と敦史は言う。
予定どおりに行かないことってたくさんあると思う。それを楽しむのが人生だと思っている。何が起こるかわからない人生を、一緒に楽しまない?
このプロポーズをしたとき、隣にいたのが年配の男性。人生一度くらいは女房に花を買ってあげないとと思ったと。
敦史は次の物語の就活生。
ラッキーボーイ
就活の話。ラッキーボーイだと思っていた宮本は、そうなるべき行動を起こせる人だった。
大学を好きになろうと思ったから掃除をした。自分が心から大切にしているものは、大好きになるんだと教わったという。
考えられない偶然の出会いは、今この瞬間だって起きている。その時に相手にあげられる何かを持っている人でありたいといつも思っていて、いろんな本を読んでいる。
敦史も掃除をはじめることにした。
宮本は次の物語のアルバイト。
夢の国
適当な理由をつけてアルバイトを辞めようとしている宮本。中国からの留学生張にも挨拶をする。
その時に日本の素晴らしさと自分の居場所を大切にする事を教わる。
店長の中井からは、見えない心をみるには、その人の行動を見ればわかると教わる。
逃げない生き方として、まずは大学のゴミ拾いを実行にうつすことになる。
留学生の張さんが次の物語の主人公。
「どうぞ」
張さんは祖父の代から日本の文化や素晴らしさに感銘を受けていた。日本に来てみて、その常識、清潔感、色々な所で素晴らしさを感じた。
電車に乗ると、隣の高校生が老人に席を譲っていた。覚えたての初めて使った言葉「どうぞ」を言った時、張さんは日本人の心だったと思う。
隣の席の高校生は次の物語では主人公。
恋の力
安田は隣の席の娘が好きだ。話したい、付き合いたい。欲は深くなる。付き合えた時、テンションが上がっていて、電車で目の前にいる老女に席を譲った。近所の素敵な喫茶店は、友達の母親の店だった。
この本は初めましてのはずが、この最後の喫茶店の物語を知っている気がした。不思議。
この喫茶店の友達の母は黒木さん。ユニフォームに、その名前が出てくる。何度もループ読み出来そうで、パラパラと読み返した。
Posted by ブクログ
現在、2周目。
1周目では気づかなかったつながりが見えてきます。どの話も素晴らしかったけど、留学生が言った言葉「好きだから大切にするのではなく、大切にするから、好きになる」
かなり心に響きました。
誰もが物語の主役であり、脇役である。
小さな出来事が他の人の気持ちを大きく変えるキッカケになることも多々ある。
1人では生きていないということを改めて感じる本でした。
Posted by ブクログ
短編がいくつか描かれていて、その一つ一つのストーリーが前後のストーリーに繋がっている。
まさに、One world "ひとつの世界"が描かれている。
人の人生は、人との出逢いによって変えられることがある。
そして、その誰かは 他の誰かによって変えてもらった過去を持つ者かもしれない。
自分の過去を振り返り、あの人も誰かに影響されたんだろうか。と考えさせられる内容でした。
読み手の読むタイミングによって、刺さる章が変わってくるので、毎年読むのも良いかも!と感じました。
Posted by ブクログ
『ソバニイルヨ』で大好きになった喜多川泰さんの本を、久しぶりに読む機会に恵まれました。
あとがきより…
この作品は、短編集のように見えて、つながりを持った1つの長編であり、僕たちの人生そのものを表しています。それぞれの人生は、他者の人生と切り離すことができない縁でつながっていて、別々の物語のように見えて、実はそれが1つの長編の物語になっていることを感じてもらいたい。『One World 』というタイトルには、そんな思いが込められています。…
物語の形を取った、啓蒙書という感じの喜多川泰さんの本。この作品も、自分のダメなところをしっかりとついてくれ、その上で気持ちを新たに何かを始めてみようとう気概を与えてくれ、清々しい気持ちになりました。
9編ありましたが、特に印象に残ったのが「夢の国」です。中国から日本に出稼ぎに来ている張さんと、日本人大学生裕樹のお話。
☆張さんは初めて日本に来て、忙しくても笑顔で対応してくれるウェイトレスの姿、日本人全般の常識の高さなどを目の当たりにして感動し、日本が大好きになります。そして、何かから逃げる理由ばかり探して生きているバイト仲間の裕樹に、「日本は夢のような国。好きだから大切にするのではなく、大事にするから好きになる。自分の居場所を大切にする人は、信頼される」と発言します。
バイトからも逃げ、やめていく裕樹に、バイト先の店長からは、「うちの店をやめた後に、お前がどう行動するかでお前の心がわかる。かっこいい男になれよ。」と言われます。
この二人の言葉を契機に、裕樹は変わっていきます。☆
因みに、次の「どうぞ」という短編では、その張さんが日本で経験したことが描かれており、また繋がっていきます。
張さんは日本をとても褒めてくれていますが、日本も段々と変わってきて、張さんを失望させてしまいそうですね…
やりたくない事に対して、理屈をつけて言い訳をして、結局は逃げているだけ…
すみません、私もです…とグサッと心に刺さりました。
他にも気に入った、老人の台詞がありました。
「ホワイトバレンタイン」より…
☆「女房と2人で一生懸命仕事をして、家族を養って、子供たちにも何かを残してやろうと、いろいろ頑張ってきたんですがね、頑張って集めたものなんて何一つ残っていません。一生懸命貯めたお金も、頑張って買った家も、今やもう残っていないんです。ようやく気付いたんですな、残せるものは、集めたものじゃなくて、与えたものだって」☆
素敵な言葉に溢れている一冊でした。
Posted by ブクログ
心を洗ってくれるような言葉
背中を押してくれる言葉
勇気づけてくれる言葉
あとがきにもありますが、ひとつひとつの短編が一本に繋がっているストーリーが素晴らしい。
最後の話を読んだ後に1話を読むと、さらに感動が増します!2度読み必至!
Posted by ブクログ
短編集に見えて、繋がりを持った1つの長編。
たまたま隣に座った他人。そんな人も心の持ちよう一つでどう見えるかが変わる。
全員が主人公であり、脇役でもある。人は生きていれば、必ず、どこかで影響を与えている。
日本人として優しい大切な気持ちを思い出せる素敵な本でした!
Posted by ブクログ
人は必ず誰かと繋がっている
そして、互いに影響し合って生きている
相手を大切にする事は自分を大切にする事
誰かが誰かを幸せにしている世界は素晴らしい
Posted by ブクログ
喜多川泰さんの作品で初めて読んだもの。世界は一つに繋がっているのだと感じた。本の構成の素晴らしさに惹かれ、もっといろんな本を読みたいと思わせてくれたきっかけになった。自分の人生の主人公は自分で、影響をもたらせてくれた脇役のような存在がいて、その脇役の人生の主人公は自分で、その人にとっても影響を受けた誰かがいて…と繋がっているうちに、最初の主人公と最後の脇役が繋がったときに衝撃を感じた。いろんな場面での出会いを大切にしようと思えた作品だった。
Posted by ブクログ
人は人に支えられて生きている。
分かっているようでも時々忘れてしまうものだ。
この本はいくつかの短編小説が繋がって構成されている。
実は私たちの人生でもこんな風に知らぬ間に色々なところで繋がり、支え、支えられて生きているのだと感じることができる。
「恩送り」という言葉があるが、まさに受けた恩は返すことはなかなかできないものだ。
しかし、他の誰かに送ることはできる。
そうやって生きていくことで少しずつ人生が豊かになっていく。
私はそう思っている。
Posted by ブクログ
少しずつ繋がってる人の色んな9つの話。
中でも張 浩さんの話が印象に残った。
日本ってそんな素晴らしい国だったんだな、と。
確かに海外の治安の悪さ等は耳にすることがよくあるけど、車内にゴミを捨てない唾を吐かない等、日本人が当たり前と思ってるマナーが外国から見ると新鮮なのは面白い。
日本が好きになった。
逆にその当たり前のマナーができてない日本人も中にはいる。そうはなりたくないと思った。
作中でゴミを拾った大学生のように、そういう部分で清々しさ&気持ちよさを感じる人でいたい。
好きだから大事にするんじゃなくて、大事にするから好きになる。
いい言葉ですね。
私も自分の住んでる場所や職場を今よりもっと好きになりたい、と思ったら、掃除が嫌々やらされるものじゃなく、楽しいものになりますね。
いい本でした。
Posted by ブクログ
誰もが人生の主人公でありながら、誰かにとっては主要な登場人物や脇役だったりする。
ほんの些細なことでも誰かの人生に影響を与えていたり、与えられたりすることが日常に溢れている。
ただ誠実に毎日を過ごすだけでも生きている意味があるように思えて、心が軽くなりました。
一番印象に残ったのは留学生の張さんが感じた日本人のすごさ。
接客態度のレベルの高さ、並んでいたけど電車で高齢者に席を譲る若者、高齢者が降りた後も周りの人が若者のために当然のように空いた席に座らない光景。日常的で気づかなかったけれど、言われてみれば確かにと思える日本人のすごさを張さんから教わり、誇らしいし嬉しいし、日本に生まれたことが幸せに思えた。
Posted by ブクログ
喜多川さんの作品はいつも読んだあとハッピーな気持ちになるので大好きです
いい人との出会いで学びがあり、幸せなときの優しい行動が周りにも影響したり優しさって伝染していくんだなってほんと思いました
Posted by ブクログ
一見短編集のようだが、
ひとつの物語で主人公に「教え・気づき」を与えてくれたキャラが、次の物語では主人公となりその「教え・気づき」をえたきっかけの物語と続いて……という連鎖の物語。
「教え・気づき」が自己啓発っぽいが、それはそれでためになるし面白い。
「教え・気づき」としては、お金を得る量は人を幸せにした量という考え。確かに自分の周囲の人にしか影響を与えない人と、アップルやWindowsなど世界に影響を与える人では得る金は異なる。トップに近づくほど給与は高くなる。だけど、介護や看護など人対人の影響を与える範囲が狭い人の給与が少ない一因でもあって……それでいいのかなあ、とも思う。皆が皆、開発やサービス業ではないのだから。そんなことを考えさせられた。
Posted by ブクログ
働くとは、人を幸せにすること
人を喜ばせることで、お金以外の大切なものも手に入る
これは学びが大きかった
この小説は、ぐるぐると全部の話が続いていて、この展開も凄く面白かった
Posted by ブクログ
ジーンとくる言葉が沢山でした。
誰もが自分の人生の主人公で、そこに関わった人にも自分の物語があって、といった具合に短編がリンクしていく作品。最後まで読んでから再び最初に戻って読みたくなります。
Posted by ブクログ
短編で別ストーリーながら繋がりのある構成となっている。
自分の時間を誰かの喜びに変えることが働くということ。
来たときよりも美しく、そんな人生を。
何が起こるかわからない人生を楽しむ。
考えられない偶然の出会いは今この瞬間だって起きている。
好きだから大切にするのではなく、大切にするから好きになる。
自分の心の状態が変わっただけで何もかもが素晴らしい世界に見えてくる。
いろんな重要なメッセージが込められている作品です。一読をおすすめします。
Posted by ブクログ
短編集かと思ったら、少しずつ繋がり合っていました。
誰かの支えになったあの人もまた、過去には誰かに支えられて今があったりする。
喜多川さんの作品は小説でありながらも示唆に富んでいて、いい意味で少し教科書っぽいところがあると感じる。
「秘密結社ladybirdと僕の6日間」もそうだったけど、何か一生懸命生きようって気になる。
Posted by ブクログ
・自分よりも頑張っている人の姿にもっと頑張ろうと思う
・自分の時間を誰かの喜びに変えるということが働くということ
・試練や苦悩があったからこそ今の幸せがある、と思える人生にしよう
・大切にするから好きになる、今自分の居場所を大切に思う、そうすることで好きになる
・本当の気持ちは行動が物語る
Posted by ブクログ
「偶然出会った人からのアドバイスや、何気ない人の言葉や行動が、他人の人生に大きな影響を与えている。そしてそれはめぐっていく。
諦めずに頑張っている人の姿は、その結果に関係なく、周囲の人の光になる。
いずれ出会う人にたくさん与える事ができるように、自分の持ち物を増やす。そのために、たくさんの本を読んでおく。」
わかるわー(´∀`)
ハッとさせられたのは、「来た時よりも美しく」の、人生バージョン。こんなふうに考えた事はなかったな。とても良い。自分の人生観に組込みたい。
Posted by ブクログ
40代になって、人の親になって喜多川さんの本が心に響く。自分が成し遂げたいこともありつつ、次の世代に残したいことも。どう残していくか、難しいからこういう本を息子たちに読ませたい。
Posted by ブクログ
作者の伝えたいことが壮大で、構成まで一生懸命考えた姿勢に感銘を受けました。
どれもほろっとしてしまう良いお話。
大切なことに気付かされる方も多いのではないでしょうか。