丸山俊一のレビュー一覧
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ビットコインは法定通貨になりえない。
なぜならビットコインがまさに「分散化」された仮想通貨だから。
資本主義社会の本質的な不安定性により、バブルやインフレの時に社会全体の安定性のために行動してくれる、公共的な機関がないから。
アリストテレスは、共同体のみならず、すべての事物はなんらかの「善」を目的にした存在だと考えた。
「善」という目的が実現されると、もはやそれ以上何も望む必要はなくなるから「善」のそれ自体で「自足」している状態であるといえる。
よって「無限」を目的にすることは、決して「自足」の状態に達することができないことを意味する。
すなわち究極の「悪」
「新古典派」=基本的に不純物がないほどに、純粋に市場原理が機能するほどに、効率性と安定性が実現され理想状態に近づくとする考え方。
「不均衡動学派」=効率性と安定性は二律背反である。
市場にあって純粋な競争が行われるほどに、恐慌またはハイパーインフレなどの可能性が増してしまう。
政府や中央銀行の存在があることで、曲がりなりにも安定性が生まれる -
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ネタバレ書店にて目に留まったので購入
資本主義なのになんで疲れるのか?ということを題材にしていて、今日の資本主義経済がどのような時代と共に成り立っていったのかを各時代=各章を提言した経済学者(哲学者)と共に紐解きながらコンパクトに対談形式で解説していく内容
現代の働く人の疑問と共に各章ごとのテーマにそった内容に合った経済学者(哲学者)が対談していく形は経済学に興味がない人にもわかりやすく
また、章の終わりごとに登場した経済学者(哲学者)の紹介が書かれていて経済学に興味を持った人にも手に取りやすい内容になっていると感じた
3章では現代のデジタル資本主義への問題提起と共に4章では経済が他人指向型社会であり、感情労働による疲弊に行き着く。
働くことによる心のすり減る理由が明確になる本ではあるが、答えはあくまで経済学の本なので答えは出ない。
結局のところ経済という人の集合体は心で動くものであり、行動経済学や心理学に行き着くなと感じた。
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生きるためのコストは、衣食住ではなく人と交流するためのコストが大きい、というのはなるほど、と思いました。
自分はわりと引きこもりタイプで、人との交流は疲れてしまい、ひとりでいることが好きですが、それでもやはり衣食住が整っていたとしてもひとりで生きていくのは精神的にも無理です。
そして、自分は特に節約しているわけではありませんが、生活コストがかなり低いのですが、交流コストがかなり低いからかな、と気付きました。そして田舎にいると東京に行きたいという人が必ず一クラスにひとり以上いますが、どれだけ交流を必要とするかは人それぞれですが生きるために多くの交流が必要なタイプだと田舎という閉ざされた世界では生きるのに苦しいのでしょう、きっと。
なんでかなあ、と思っていたものが、すっきりしました。 -
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コロナ後の経済社会や格差などを5名の知識人が考察 する。
今後の社会について、世界の知識人が様々な考察や意見を述べているが、共通しているのは今後のことは誰にもわからないということ。世界が多様化して予測が難しい。彼等へのインタビューの中でよく出てくるのはケインズの話。彼の考えは、結果的に正しかったという意見が多かった。でも彼が現場まで見通していたかどうかはわからない。この5人の識者の意見も、いずれ誰かが正しかったのかが結果論として考察されると思う。
目次より
ハスケル~無形資産について 無形資産が拡大する社会
シラー~ ナラティブ経済 物語が経済を動かす
アヤモグル~ 経済への見方 税,生物,歴史
ドッド~ グローバル資本主義の終わり 人口的観点から
ロー~ 適応的市場仮説 -
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本書が出版された2016年、トランプ氏が大統領選挙で当選した年、民主主義は世界的に危機にあった。ポピュリズム政党、政治家が欧州で躍進、日本の都知事選も国際的にはポピュリズムと評される。
これまでも投票率の低さ、政治への無関心は言われてきたが、昔の無関心は、投票しなくても無難な結果、という空気だった。だが今は、政治への信頼が失われている。選挙で選ばれた者は民意を代表しない、つまり代表制民主主義そのものに疑念が抱かれている。これは時代の変化に民主主義が対応できないのか、それとも民主主義そのものに欠陥があるのか。
本書は、そんな時代の空気の中、米国とフランスの政治学者、心理学者、哲学者へのインタビューを通じて民主主義への処方箋を模索する。民主主義の原点といえるホッブスのリヴァイアサン、ルソーの社会契約論に立ち戻り、共同体を維持するツールとしての民主主義、平等と平和の理念のための民主主義、哲学としての民主主義、様々な視点から民主主義を説き直す。どの論者にも共通するのは、民主主義は所与のものでなく、一人ひとりの協力が必要という点である。しかし現代のネット社会は、一人ひとりの意見を分断して増幅する。そのため、選挙で選ばれた代表者の議論よりも、変動が早く極端である。そのような意見に政治家が左右されて愚策に走るか、逆手にとってポピュリストとなるか。どちらにしても危機的だ。
本書の出版後、パンデミックにより再び政治は信頼を失っている。恐怖、脅威は人々を結びつけ、民主主義が再び上手くいく条件となるはずだが、政府よりも国民の方が情報の量とスピードが大きいこと、人の特性である自信過剰のバイアスにより、議員よりも自分たちの方が解決できる、と思ってしまうのだ。
ヒト、モノ、カネ、情報のグローバル化の中、私たち一人ひとりが民主主義を再定義する必要がある。 -
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五人の対談が特集される中、ほぼ皆が仮想通貨とトランプ大統領について語っているのが印象的。
特に仮想通貨を開発者であるホスキンソンの話は理解しやすい。何のこっちゃわからない状態だったが、仮想通貨が作られた背景や目指すもの、またブロックチェーン技術の一端の一端は理解できた。それだけでも価値があるかな。
続いて、仮想通貨に対して懐疑的な意見を持つティロールの対談が載せられているのも良い。
政府の介入がない自由な通貨の可能性と、自由すぎるが故に危険性があり制約すべきだと言う意見それぞれが聞けるので面白い。
一方、GAFAについて語るギャロウェイの話は余りピンとこない…
the fourも読んだけどなんだか当たり前の事をそれらしく言ってるだけに感じて。考察に深みが無いと思ってしまう。苦笑
後、ガブリエルはこのシリーズで知ったけど相変わらず主張が難しい…
この話についていくには自分の脳味噌だと、後3回は読み直さないといけなさそうです、ハイ…
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このシリーズは知識欲を刺激したいときに丁度いい読み物だと思う。経済学者、哲学者が考える現在の問題と解決案は新しい視点を与えてくれる。生活の質は確実に向上している。だけど人は幸せを感じない。過去に起きたことと現代の問題では性質が違う。全人類が今より多少マシになるにはどうすればいいのか、興味が尽きない。
だからこそ、このシリーズに出てくるスピーカーにもっと多様性があればもっと優れた本になるのにとおもう。
言い方が悪いが、研究する環境に恵まれた人たちの集まりという偏りがあるように見える。確かにそれぞれの生い立ちを見れば様々なバックボーンがあるだろうが、実際この世に生きてる人たちはもっと多様だ。知識を持った人間だけで経済の話が完結するとは思えない。
人は自分が経験していない出来事を知ることは出来ても自分の事として理解することはできない。だから多様性が必要だと思っている。男性、女性、富裕層、貧困層、健常者、障害者、難民、権力者、老人、青年、子供…それらのミクロな経済の視点を知らずにマクロが語れるのか。たしかにそれら全てを網羅することは不可能に近い。だからこそ偉大なる知識人たちにはその不可能に挑んでほしい。
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世界的知性の4人によるAIについての見識を語った本。
意識、マサチューセッツ工科大教授マックス・デグマーク氏。アシロマAI 23原則に見られる安全性への配慮が印象的。
倫理、倫理学者ウェンデル・ウォラック氏。AIも道徳を学ぶ必要がある。話にあったジョン・サールの思考実験「中国語の部屋」に人間とAIの違いがある指摘には頷ける。
自律、哲学者ダニエル・デネット氏。漸進性の重要さ。少しずつの積み重ねが理解につながる事で理解になるという事。
進化、編集者ケヴィン・ケリー氏。氏の話す新しい五感については未来でどうなっていくか想像も付かないが面白い。
終章は筆者によるまとめ。 -
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個人的に好きなNHKの番組の書籍化第2弾。
テクノロジーの進化によって発生した今日の産業革命は、過去の産業革命と全く性質が違うという発想が面白い。過去に起きた農業から工業への産業革命は、高スキルと低スキルという軸で捉えることができた。そして農業から追われた人たちの受け皿として産業があった。しかしテクノロジーによる産業革命はスキルの有無や学歴の高低関係なく、ルーティンワークが職を追われ不幸なことにそれに対する受け皿が存在しない。言い換えれば高所得のトレーダーや医療従事者でさえ、テクノロジーの発達により代用可能になれば職を失う可能性があるのだ。そしてテクノロジーでは今のところ代用できない、生産性が低く労働力の足りない分野である非ルーティンワーク(美容師、介護士、サービス業全般)は適切な賃金を得ることができず、低賃金で働かなければならない…
他にも、人々は芸術家であることを強いられている、どんなシステムも組織も自身を維持するためには他のシステムを排除しなければならない、など読んでいてワクワクする議論が散りばめられている。
巨人の肩から世界を眺めるとはよく言ったもので、普段生活していては見えない物の見方を教えてくれる良書だと思った。