丸山俊一のレビュー一覧

  • 14歳からの個人主義~自分を失わずに生きるための思想と哲学

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    タイトルに「14歳からの」とあるけど、中学生には難しいかな。
    でも、お守りのようにして持っていて、人生で辛いことがあったら、パラパラとめくると良い本かも。
    私は漱石の「私の個人主義」と、鈴木大拙の『東洋的な見方』からの引用が良かった。
    自分の自由と他人の自由を尊重すること、「機械のような心」を持ってしまうことに注意するということ、目に見えない世界への「畏れ」を忘れないこと。
    自分の生き方は自分で決めて良いし、そのためには自分の支柱となるものを持つことが必要だと説いている本です。

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    2024年10月26日
  • 脱成長と欲望の資本主義

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    ネタバレ

    欲望を仮想空間へ移行する
    社会主義は生産に対する課税操作
    共産主義は革命
    コロナで健康は自分だけのものではないと実感

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    2024年07月13日
  • 欲望の資本主義4 スティグリッツ×ファーガソン 不確実性への挑戦―コロナ危機の本質

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    シリーズ四作目。今回は、ファーガソンとスティグリッツとの対談(別々)だが、どちらも面白いし独自の視点により視界が広がる。ちなみに、欲望の資本主義シリーズはどこから読んでも楽しめる。

    ファーガソンは、19世紀後半以前にはネットワークと言う用語が滅多に使われてなかったと述べる。例えば、シェイクスピアの戯曲には出てこない。ネットワークが今日の意味として使われ始めるのは、鉄道が登場してから。一方で、階層制という言葉は、原始キリスト教時代から使われている言葉。私たちは長い間、社会についてはネットワークではなく「階層構造」として理解していた。

    分散型ソーシャルネットワークでは、中央による集中管理がない

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    2024年07月07日
  • 世界サブカルチャー史 欲望の系譜 アメリカ70~90s 「超大国」の憂鬱

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    NHKの番組を書籍化したもの。60年台から現代まで、政治や社会の状況を、サブカルチャーの変遷から比較分析したもの。サブカルチャーはカウンターカルチャーであるから、カウンターの向こう側の「正当なもの」の写し鏡であると考えると、このアプローチはとても面白い。むしろ、身近な出来事であり、共感しやすい。その時々で流行したもの、人々の支持を得たものがなんなのか、その理由は。今はやっている音楽や映画を、こんなふうに見ると、社会の理解が多面的になってとても良い。

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    2024年05月16日
  • 欲望の資本主義2―闇の力が目覚める時

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    マルクスガブリエル氏の主張が心に残った
    ・資本主義はショウ(show)である
    ・資本主義には代替性がない。そのため内部に外部を作り出そうとする
    ・環境運動など非営利活動をきっかけに自然が商品化される 二酸化炭素や綺麗な空気の値段など

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    2024年03月06日
  • 14歳からの資本主義

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    資本主義という仕組みを分かりやすく、しかし、ただ解説するなどというように要約しているのではなく、現代の複雑化した社会における資本主義というものの問題点、そして、それとどう向き合っていくのかのヒントがちりばめてあり、考えさせられる良書であった。カメのように生きる

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    2024年03月03日
  • 14歳からの個人主義~自分を失わずに生きるための思想と哲学

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    わかりやすい表現で夏目漱石の「私の個人主義」に端を発する個人主義について、現代の状況を踏まえながら考察していた。
    承認欲求や同調圧力など昔からある日本人っぽい性質に対する疑問の投げかけ、マインドフルネスやアドラー心理学など近年注目されている自分らしく生きるための考え方の要素など多面的に個人というものを捉えている。加えて、古典とも言える昔の哲学者、思想家の文章を引用することで有史以前から人は「生きる」ということに矛盾を抱えながらここまできていることが示唆されている。
    14歳「からの」という表現がぴったりだなと思うぐらい年齢に関わらず折に触れて読みたいと思った。

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    2023年09月05日
  • 14歳からの資本主義

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    経済成長やグローバル化、ITテクノロジーの発展について分かりやすくその批判的なアイデアがまとめられている本
    現代の知識人たちの言葉を引用することで示唆的な内容にもなっている
    気になるのは立ち止まって考えてみようというメッセージ性が強いので考えながらも前に進んでいくことの必要性が伝わるのかどうか

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    2023年09月01日
  • 岩井克人「欲望の貨幣論」を語る

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    岩井氏の本は毎回感銘を受けているので本書も早速手に取りました。岩井氏と言えば、貨幣論、資本主義論を、アリストテレスやゲーテ、シェークスピア、カントなど、古今東西とは言わないまでも(西&古に偏っていますが)、経済学以外の巨人の視点を通じて分析するというのがユニークな特徴だと思っています。つまり経済学という領域にこだわらないところに面白さがあるわけです。

    本書では、どちらかといえば貨幣論を中心に同様のアプローチがとられていました。その意味では、岩井氏の本をこれまで何冊も読んだ人からすると、そこまで新しいことは書かれていないものの、とにかく主張がわかりやすく解説されているというのが本書の価値でしょ

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    2023年05月04日
  • 脱成長と欲望の資本主義

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    トーマス・セドラチェクと斎藤幸平の対談がエキサイティングだった。二人のイデオロギーの定義が微妙に噛み合わず互いに何度か確認し合う。チェコ出身のセドラチェクは、コミュニズムに生理的嫌悪感がありそうだ。

    この討論で気になったのは、共産主義、社会主義、資本主義が税率で規定されるかの論。9割税率は共産主義、社会主義は5割未満だと。一義的に言い当てているかは微妙だが、分かりやすい整理。共産主義イコールソ連の失敗例と捉えるのは誤りと斎藤幸平は言うが、税率が高いという事は、それだけ中央の権力が強いという事。集権的な体制が膠着され易く、ファシズムを生みやすいだろう。勿論、低い税率で一党独裁を成し得る国もある

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    2022年12月07日
  • 岩井克人「欲望の貨幣論」を語る

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    こんな本が出版されていることを知りませんでした(涙)。
    貨幣論の岩井克人さんの最新の情報、
    最高でした。
    アリストテレスが貨幣の重要性、資本主義のはしりに言及していてということ。
    さすが、岩井先生でした(感謝)。

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    2022年06月29日
  • 14歳からの個人主義~自分を失わずに生きるための思想と哲学

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    時代・国を超えたさまざまな哲学者・作家の文章を引用しながら、14歳に語りかけるように、自らの考えを大切にする生き方、自分を見失わないことの大切さを訴えています。まさに子供達に読んで考えさせたい内容です。

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    2022年06月10日
  • 14歳からの個人主義~自分を失わずに生きるための思想と哲学

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    同じことを違う言い方で表現し、同じものを違う物差しで測ってみせたりする時代。どんな問題を扱っても死の目前と叫ぶ人々。視聴率が声の大きさになり、見失わせるために正しさが聞こえ、引き寄せて集団を作り、かつて殺戮を生んだ行為を繰り返している。

    手柄が欲しくて問題を大きくする。共感する心は消費させるための教育になってしまい、どちらでもいいようなものにこだわりを持たされて、感情のために人は金を払い、共感、わかりやすい、満足、本当の環境など、入手困難に見せるほど高い値が付き、ブランド値が上がる。現実にどうしても必要なものから離れるほど高額化していく。自分を見失って時間が経つので、もはや異常に気付けない。

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    2022年02月23日
  • 14歳からの個人主義~自分を失わずに生きるための思想と哲学

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    ネタバレ

    現在12歳ですがすごく面白かったです
    沢山の人たちの考えを1冊にまとめてあったので
    初心者にも簡単に分かりました。
    特に印象に残っているのはモンテジーニュ エセー
    の考え。「ワクワク」は無理にするものではない
    、落ち着いた静かな充実感こそ確かに持続する喜びがある。と言う考えには深く考えさせられました。
    こういう深く考える事も落ち着き払った充実感だと思い自然にワクワクできるような本だったと思います。

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    2022年01月09日
  • 欲望の資本主義3―偽りの個人主義を越えて

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    GAFAと現代市場経済の是非という、2よりも分かりやすいお題だったので自分みたいなもんにも読み進めやすかった…

    共通して、GAFAの企業倫理と市場独占方針には大批判的
    健全な競争原理を回復すべく、政治・経済からルールの改善・徹底を強化するべきという感じ。

    ホスキンソン氏とティロール氏が、仮想通貨が公益に寄与するか否かについて真逆の意見だったり
    世界最高の頭脳の最高の倫理感を持ってしても、方向性って定まらんのやなあ…と切ない気持ちになったり。

    良い特集なだけに、文末の丸山氏のナルシスティック(故に不必要に冗長で難解)な文章はもうちょっと控えめになると良いな…

    引き続き、資本主義に参加しな

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    2021年12月30日
  • 14歳からの個人主義~自分を失わずに生きるための思想と哲学

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    夏目漱石からフロム・老荘思想・モンテーニュに鈴木大拙。14歳「から」ですから、もちろん大人が読んでも読みごたえがあるし、とても勉強になる。いまさらながら、夏目文学の読み方を教えてもらったようで、ちょっと恥ずかしくもある。今の青少年は、私の若い頃よりもっと縛りがキツイのかもしれない。精神を解き放つということは、青春の大きな課題の一つであることは今昔同じだろうけど、選択肢や情報が多いだけに悩みも増えて大変だ。これは自分にとって本当に必要?本当に好きなこと?自分に問いかけることはいくつになっても続けたい。

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    2021年12月05日
  • 欲望の資本主義2―闇の力が目覚める時

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    拡大する資本主義の是非をテーマとして、世界の知識人にインタビューするシリーズ。

    この題材で哲学が絡んでくるのはごく自然な事だと思うが、マルクス・ガブリエル氏の言葉は自分には難解すぎて…

    経済が世界にとって(とても優先すべきものではあるが)”最”優先にならないためには
    それを超える「道徳」の価値観がないといけない
    しかしその道徳こそ、定義や取り扱いが最も難しく、リスクも高いのでしょう。

    主題とは異なるが、哲学が全ての学問の幹の部分で
    経済学等他の学問が枝の部分
    という比喩にすごく納得がいった。

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    2021年12月05日
  • AI以後 変貌するテクノロジーの危機と希望

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    A Iが確立したとしてのその後の考え方やどうなっていくかが、各著名人によって解説されている。
    どの人達の考えも内容は難解な事だが、わかりやすく説明されており面白い。

    巻末には各著名人の本が載っているので今度読んでみたいと思う。そのくらい面白い。

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    2021年03月21日
  • 岩井克人「欲望の貨幣論」を語る

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    著者の岩井克人先生、この方は本当に経済学者なんですか。読み始めてスケールのデカさにびっくり。どこから読んでも面白く、永遠に読んでいたい感。経済学的な見地にとどまらず、全ての学問に通じた壮大な貨幣論が繰り広げられる。
     あのアリストテレスが資本主義の本質を見抜いていた?
     ギリシャ哲学、自然科学、民主主義、孤独、そしてその孤独から生まれるギリシャ悲劇などの文学も、貨幣が起源?
    そう言われてもにわかには信じ難いと思う。でも、騙されたと思って読んでみてほしい。経済学に興味の無い方こそ、驚きと知的興奮に震えること間違い無し。
     もちろん、最近流行りのMMT理論とか、仮想通貨についても言及されています

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    2021年03月09日
  • 欲望の資本主義4 スティグリッツ×ファーガソン 不確実性への挑戦―コロナ危機の本質

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    資本主義を考える月間5冊目。ジャーナリストのファーガソン。日本は「定常状態」。成長は止まり、高齢化がすすみ、変化を求めない人が多くなる。サッカーの日本代表になることも、ウィンブルドンで優勝することもない、絶頂期は過去のものという諦念に満ちている。これを政策等で変化させるのは困難。歴史上、定常状態を脱するきっかけとなったのは、戦争や大災害、疫病の流行など。これで考えると、東日本大震災とコロナ禍は日本が変わるチャンスかもしれない。なお、経済成長は栄養状態の改善、衛生面の向上、住環境の充実などをもたらした。定常状態で生き延びた社会はないということも覚えておかなければならない。一方、スティグリッツは、

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    2021年02月13日