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Posted by ブクログ
資本主義を考える月間3冊目。どうにも止まらない資本主義の「闇の力」を考察する一冊。本書によると、資本主義はもともと悪だったのではなく、共産主義や社会主義という「抵抗勢力」が失われたために暴走するようになり、自己を成長させるために「内なる敵」を作るようになった。これが顕著となったのが、自国主義であり、格差であり、差別ということ。前半のダニエル・コーエンとの対談では、テクノロジーの進化による社会変化について、農業革命や産業革命の時代は、一つの職が失われても、同じくらいかそれ以上に魅力的な別の選択肢があったが、IT革命やAIによる失業では、単純労働(クソどうでもいい仕事)しか残されておらず、格差を助長することになる。後半のセドラチェクとガブリエルの対談では、書き切れないほどの学びがある。「資本主義はあらゆる差異を商品化する」というのはなるほどと思った。冗談のようだが、コロナ禍も二酸化炭素の増加(差異)も、確かにビジネスになっている。今後の注目ポイントか。
Posted by ブクログ
現代の社会、特に資本主義について、知の巨人との対話の話。
対話が抽象的だったりしてわからない部分もあったが、全体的にそこはかとなく面白かった。
資本主義が、高度に複雑化し、いろんな歪みも生じている現代だが、この資本主義の進化能力で全てを飲み込んでいっている様子が書かれている。
特に
- 「ショウ」と化した資本主義
- 常に創造性を求められる息苦しさ
- 社会主義という敵がいなくなった今、内部にアウトサイダーを見つけ出している
- 全てを合理化、数値化する資本主義
- ダークサイドのパワー
という話が面白かった。
新たなパラダイムは生まれてくるのだろうか。
Posted by ブクログ
生きるためのコストは、衣食住ではなく人と交流するためのコストが大きい、というのはなるほど、と思いました。
自分はわりと引きこもりタイプで、人との交流は疲れてしまい、ひとりでいることが好きですが、それでもやはり衣食住が整っていたとしてもひとりで生きていくのは精神的にも無理です。
そして、自分は特に節約しているわけではありませんが、生活コストがかなり低いのですが、交流コストがかなり低いからかな、と気付きました。そして田舎にいると東京に行きたいという人が必ず一クラスにひとり以上いますが、どれだけ交流を必要とするかは人それぞれですが生きるために多くの交流が必要なタイプだと田舎という閉ざされた世界では生きるのに苦しいのでしょう、きっと。
なんでかなあ、と思っていたものが、すっきりしました。
Posted by ブクログ
個人的に好きなNHKの番組の書籍化第2弾。
テクノロジーの進化によって発生した今日の産業革命は、過去の産業革命と全く性質が違うという発想が面白い。過去に起きた農業から工業への産業革命は、高スキルと低スキルという軸で捉えることができた。そして農業から追われた人たちの受け皿として産業があった。しかしテクノロジーによる産業革命はスキルの有無や学歴の高低関係なく、ルーティンワークが職を追われ不幸なことにそれに対する受け皿が存在しない。言い換えれば高所得のトレーダーや医療従事者でさえ、テクノロジーの発達により代用可能になれば職を失う可能性があるのだ。そしてテクノロジーでは今のところ代用できない、生産性が低く労働力の足りない分野である非ルーティンワーク(美容師、介護士、サービス業全般)は適切な賃金を得ることができず、低賃金で働かなければならない…
他にも、人々は芸術家であることを強いられている、どんなシステムも組織も自身を維持するためには他のシステムを排除しなければならない、など読んでいてワクワクする議論が散りばめられている。
巨人の肩から世界を眺めるとはよく言ったもので、普段生活していては見えない物の見方を教えてくれる良書だと思った。
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