丸山俊一のレビュー一覧

  • AI以後 変貌するテクノロジーの危機と希望

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    世界的知性の4人によるAIについての見識を語った本。
    意識、マサチューセッツ工科大教授マックス・デグマーク氏。アシロマAI 23原則に見られる安全性への配慮が印象的。
    倫理、倫理学者ウェンデル・ウォラック氏。AIも道徳を学ぶ必要がある。話にあったジョン・サールの思考実験「中国語の部屋」に人間とAIの違いがある指摘には頷ける。
    自律、哲学者ダニエル・デネット氏。漸進性の重要さ。少しずつの積み重ねが理解につながる事で理解になるという事。
    進化、編集者ケヴィン・ケリー氏。氏の話す新しい五感については未来でどうなっていくか想像も付かないが面白い。
    終章は筆者によるまとめ。

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    2021年01月15日
  • 欲望の資本主義2―闇の力が目覚める時

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    個人的に好きなNHKの番組の書籍化第2弾。

    テクノロジーの進化によって発生した今日の産業革命は、過去の産業革命と全く性質が違うという発想が面白い。過去に起きた農業から工業への産業革命は、高スキルと低スキルという軸で捉えることができた。そして農業から追われた人たちの受け皿として産業があった。しかしテクノロジーによる産業革命はスキルの有無や学歴の高低関係なく、ルーティンワークが職を追われ不幸なことにそれに対する受け皿が存在しない。言い換えれば高所得のトレーダーや医療従事者でさえ、テクノロジーの発達により代用可能になれば職を失う可能性があるのだ。そしてテクノロジーでは今のところ代用できない、生産性

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    2021年01月11日
  • 欲望の資本主義3―偽りの個人主義を越えて

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    今の資本主義がいい意味で機能していないという方に結論が傾いているだろう。そして、今の資本主義というシステムが、これからも同じように存在し続けることもない。今ままではなく、変化したシステムになる。なる必要があると。
    例えば、GAFAは市場を独占的に覆い尽くしている。これから何年もGAFAによって、「新たな(イノベーションの)芽が摘まれてしまう」「市場による自由な競争が成立しない」状況や影響力を持ってしまうことにになれば、政府から規制をかけなければならない。しかし、ビッグデータ、AI、ブロックチェーン、などのテクノロジーは世界を救済する手段にも、脅威をもたらすものにもなり得るなかで、歴史は浅く、ど

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    2021年01月08日
  • 欲望の資本主義―ルールが変わる時

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    この番組が好きで他のシリーズも見ている。映像では聞き流している部分が多いので、書籍を見つけて嬉しくなった。

    全く方向性の異なる3人の有識者(スティグリッツとセドラチェクは成長資本主義に懐疑的で概ね似た意見)のそれぞれの言い分が面白い。立場や興味の対象が全く違うので当然といえば当然だが、テクノロジーの変化によって社会のあり方を変化させなければならないという落とし所が同じだったのはちょっとした希望だったように思える。

    経済に関する本を読むと必然的に哲学や政治や思想、芸術、日常生活全てに派生していくのが面白い。人間として社会で生活していく上で絶対に切り離すことができないからこそ、魅力的なんだと思

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    2020年12月30日
  • 欲望の資本主義2―闇の力が目覚める時

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    ネタバレ

    ガブリエルとセドラチェクの対談は話が難しすぎるのだが、いくつか理解できる主張があった。また、最初のコーエンの話は「なるほどね。確かに。」と納得するものだった。
    特に、テクノロジーが進歩しているのに景気が低迷している理由に、失われた雇用の受け皿となる産業がないことをあげた。AIで仕事を奪われた人が、次に職を探すときは生産性の低い仕事しか残っていない。テクノロジーで生産性の向上の恩恵を受けるのは富裕層である。
    こうしてテクノロジーの進歩は、富裕層はより生産性高く、中産階級は生産性の低い仕事に流れ、貧困層は変化なし、という現象を引き起こしているために、経済成長せず、景気が上向かないのだと。
    農業から

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    2020年12月14日
  • マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する

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    私自身、ガブリエル氏の思想に関してベースがないのと、あくまでインタビューをまとめたものであるので、それほど強い印象はなかった。
    ただいくつか、正に今(2020/12)に起こっていることを示唆していることがあるのは流石と感じた。
    民主主義のイディアが法律であるはずであるが、それはもはや民主主義ではなく、その他の何か。今、アメリカで戦われている内容であり、是非ガブリエル氏に意見を聞いてみたい。
    またSNSはコミュニケーションのツールではなく、あくまで意見発信のツールでしかないそうだ。
    特に非常に重要な意見として、ポストモダンに独裁者は、
    あなたを、あなたが知っていることを、本当は知らないと信じさせ

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    2020年12月12日
  • 欲望の民主主義 分断を越える哲学

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    アメリカの自国主義、EUの分断等民主主義の混迷、世界の現実を知る本です。
    後退している民主主義はこのままでは、破滅の道、戦争へといってしまうのではないか?危惧を感じる。人間は弱肉強食から逃れられない。
    著者は「民主主義とは何か自分に問い続ける限り」より良くなって行くと言う。
    印象に残った文章
    ⒈ 人々はとにかくすべてを焼き尽くしたかったのだ。
    ⒉ 問題その1ーグローバル化
    ⒊ 問題その2ー代表制民主主義
    ⒋ 問題その3ー分極化

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    2020年07月17日
  • マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する

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    先に読んだ”世界の針が巻き戻るとき”も全部理解できたわけではないがより難解に感じるところが多く、すんなり理解できないところは根気が持たず結構読み飛ばしてしまった。
    そのような中で、石黒先生との対談部分がこの本のハイライトであったと思う。終盤の核心部分こそ理解出来なかったが、日本人の独自性やドイツ人の哲学や物事の捉え方などはとても勉強になった。
    今この時代が他の時代よりもさらに倫理の役割が重要だと感じる。

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    2020年06月14日
  • 欲望の資本主義3―偽りの個人主義を越えて

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    少し期待外れだったかな。。
    それぞれすごい人にインタビューしてるんだけど、残念ながら紙面が限られるため、浅い内容になっている。勿体ない感じがした。
    各学者さんの本をそれぞれ読んでみようと思い、まずはハイエクの「隷属への道」をポチッとしてみました。

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    2020年06月03日
  • 14歳からの資本主義

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    「資本主義は完全に過渡期を迎えている」
    この状況を理解している人が、一体どれぐらいいるだろうか。
    普通に会社で働いていても、資本主義を意識することは少ないだろう。
    もちろん経済活動が資本主義前提のシステムだから、決算数字などを見れば意識することもあるだろう。
    マクロな視点でみれば気が付くが、普段の生活の中でのミクロレベルでは意識のしようがない。
    それを敢えて「14歳にもなれば意識しろ」と説く。
    なぜなら、これからの社会は大きな変革を迫られているから。
    社会がテクノロジーの変化によって変わっていくのは理解できるし、予測ができる。
    ただし、資本主義に代わる「◎◎主義」は未だに誰も見いだせていない。

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    2020年05月31日
  • AI以後 変貌するテクノロジーの危機と希望

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    最近はコロナショックのせいで、多くのニュースが消えてしまっているように思いますが、その一つが次世代技術と騒がれていた人工知能(AI)があると思います。この本はコロナ騒動が起きる前に、もう懐かしい思い出になりつつありますが電車通勤していたときに読み終わったものです。

    今後、人工知能がどのように進歩していくのか、そして人間はどのように付き合うべきかを感がなければいけない時期に来ているようです。コロナ騒動が収まるのは時間がかかると思いますが、収束した暁には多くの場所で新しい世界が広がっていることでしょう。そのときにもう既に人工知能が働いているかもしれません。

    在宅勤務をしていると通勤時間、移動時

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    2020年04月26日
  • 欲望の資本主義3―偽りの個人主義を越えて

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    世界最高峰の知性が、未来をどう語るのかが、興味があり読んでみた。資本主義、AI、仮想通貨、民主主義、自由、そして人間の倫理と哲学が絡み合う。

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    2020年04月24日
  • 欲望の資本主義3―偽りの個人主義を越えて

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    ネタバレ

    これからの時代を読み解くうえで、とてもヒントになると思った。
    スコット・ギャロウェイの、GAFAが人間の基本的な欲求「神、セックス、愛と消費」に対応している、という論は、やや強引なこじつけのように感じた。
    ユヴァル・ノア・ハラリの「AI時代に守るべきは仕事ではなく人間だ」は、なるほどと思った。
    このシリーズの他の本も興味がでてきた。

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    2020年01月04日
  • マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する

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    哲学は難しい。平易な言葉で語られたら理解が進むのかと思いきや、特に第1章の「つぶやき」はよくわからなかった。他方、第3章の石黒教授との対談は、自分なりに咀嚼しながら読むことが出来た。石黒教授が常に会話を整理し、ご自身との考えとの比較を提示しながら進めてくれたからではと思った。
    実は、これがNHKの番組内容を新書化したものだとは読んだ後に知り、それでこんな口語体で載せちゃったわけね…と理解はした。番組を見た人には改めてこの本を読むことで、TVを見た時に抱いた感想や疑問点を整理するのに役立つのかもしれないが、そうでない人にはさっぱりな本になってしまってると思う。
    TVで反響があって本にするときは、

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    2019年12月10日
  • AI以後 変貌するテクノロジーの危機と希望

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    AI の将来について、特にシンギュラリティ以後の有り様についての哲学者、倫理学者などの見解をまとめた書。シンギュラリティに至るまでに、AI を人間に敵対しない物にすることの困難さが分かる。先に読んだ『無人の兵団』でも指摘されているが、要はそれを生み出し、それを使う人間の利害・性質等の要因によって、フレンドリーにもなり、敵対的にもなる。利己的な人間に支配される利己的な国家が増えつつある現状の世界の動きを見る限り、AI の将来を楽観的に見ることなど、とてもではないが出来るものではない。

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    2019年12月07日
  • 欲望の資本主義2―闇の力が目覚める時

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    いくつもの印象的な文章があった。

    ・(新しいテクノロジーによって)失われた雇用の受け皿となる産業がない(P30)
    ・「つまり、問題はテクノロジーに職を奪われ、人々の仕事がなくなったことではありません。人々が成長分野において適切な賃金を得ながら働くことができず、以前よりも生産性の低い分野で低賃金に甘んじなければならないことが問題なのです」(P33)
    ・全員が芸術家のように生きなければならない社会の到来(P36)

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    2019年10月31日
  • 欲望の資本主義3―偽りの個人主義を越えて

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    欲望の資本主義の第三巻目である。欲望は資本主義を発展させるとともに、それが行き過ぎれば停滞も崩壊も齎らすのだ。そのメカニズムとその未来を世界の識者に聞いたのが本書である。インタネットの普及が正にその功罪の原因となり、未来のことは識者の中でも意見は分かれる。ビットコインについても、その推進者は、国の規制が外れることによって、より自由な経済活動が可能になるとし、一方哲学者は、いずれ失敗するだろうとの見解だ。哲学者によれば、インタネットの普及によりフェイクニュースや詐欺などの欺瞞が横行し、為政者の虚偽や隠蔽工作が加速すると予測している。実はその現象は、すでに現実となって表面化しているのだ。アメリカの

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    2019年08月31日
  • マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する

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    若くて有名なドイツ人の哲学者
    NHKの番組の企画で来日
    哲学を語る

    新実在論など詳しいことはよく理解出来なかったが、考えることが哲学なんだと思った

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    2019年07月24日
  • マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する

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    【文章】
    読み辛い
    【ハマり】
     ★★★・・
    【共感度】
     ★★★・・
    【気付き】
     ★★★・・

    敗戦国の日本とドイツ、ドイツはアメリカ化をやめたが、日本はアメリカ化を進めている。

    コンピュータサイエンスの根源は哲学。

    実存主義:自分の人生以外に、自分の人生に意味を与えるものは何一つない。
    人は存在が先にあって、その意味は後付けされる。

    言葉を話すことの仕組みを考えると、時間は未来から過去へ向かっている。

    「ghost in the shell」ではなくて、「"Geist" in the shell」の方がしっくりくる。

    人間である事の最低限の条件は、人間である

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    2019年06月24日
  • 14歳からの資本主義

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    14歳からの資本主義。全く、一回では理解できる気がしません。最低でも2回は読みたい。題名とは裏腹に大人でも充分読み応えあるかなぁと思います。

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    2019年04月11日