いとうみくのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「天使のにもつ」を読んで、続編にあたるこちらを読んだ。課題図書にもなっていた「天使のにもつ」よりもっと大人向けな深刻さを感じられる内容だった。筆者の作品はこちらで二作目だが、何か強い使命感のようなものを持って保育園や親子の愛といったテーマを扱っているように思った。フィクションの小説でありながらノンフィクションルポを読んでいるような気持ちにもなった。2人の保育園児がいる私にとって考えさせられる内容であった。とにもかくにも愛情を伝えよう、自分は愛されてると思わせられるようにしよう、と改めて思った。そして夜間保育園という園があることを知り、そこで働く人々や子供を預ける人々に思いを馳せる機会となった
-
Posted by ブクログ
オーディブル1.5倍速で家事などしてる間に聞き終わった。展開が読める部分はあるものの、良い話。ジワっと何度か涙が出た。読書感想文の課題図書だったようで、確かに思春期の子供達に読んで欲しい本であるし、また幼い子供を育てる世代にも刺さると思う。
「人と人と出会ってそこから何も得るものがないなんてことはないでしょ?」「平等って全員に同じことをしてあげることじゃないと思う。一人一人その子にとって本当に必要なことをしてあげる、それでいいと思う」(園長先生)「いたずらも悪さもしょっちゅうしていたけどどんなに怒られても嫌われることはないと分かってた。だからなんだってできた。みんなそうだと思ってた。」(フウタ)
シオンくんのことは気になるが、とても良い先生方のいる保育園に通えていることは幸運であり、きっと大丈夫だと感じる。
話は本筋から逸れるが子供を持って感じる、保育園の先生方には感謝しかない。もっと良い給与体系にしてほしい。
フウタの進路選択にこの1週間の職業体験がどう影響を与えるのか、その後が気になる。 -
Posted by ブクログ
ある雪の降る冬の夜、中学3年生の律希、湊、七海の3人が、祠の前でひとりで震えている4歳の少女に出会い、その時は交番に連れて行って、そのことで警察から感謝状まで受け取ったけれど、半年後のある日、高校生になっていた彼らは、児童虐待のニュースに当時のことを思い出し、不安を感じながら、あの時、少女に何が起きていたのか真実を確かめるため、3人であの時の少女を探し始めるという物語です。
3人が少女を探している中で、ある時、彼らに投げかけられた大人からの言葉、
「他人様の家のことに首突っ込むことないの。面倒なことに巻き込まれたくないでしょ。」、「下手に正義感なんて振りかざして、もし間違ってましたなんてことになってごらんよ。どう責任とるの?」
残念だけど、それが良識ある(?)大人の判断なのだろうと思います。しかし、
子供でも大人でもない彼ら3人の(特に、湊と七海は家庭に事情を抱えながらも)自分たちのためでなく少女のための、少女を思っての行動力に、読みながら次第に惹き込まれていきました。
やがて、驚きの真実と少女の切ない環境が明らかとなり、それを取り巻く大人たちの事情と、それに振り回されつつも幼い子どもは親を頼るしかないという現実に、ギュッと心が締めつけられるような思いがしました。
物語の終盤、意を決して児童相談所を訪れた3人と女の子。そこでも相談窓口では事務的で冷たい対応にあいます。そのとき、彼らと一緒に来ていた唯一の大人、西村さんの3人を庇う言葉に、思わず涙が溢れました。
「・・・彼らは(大人を)信じることができなかった。だから自分たちで・・・彼らにそう思わせてしまったのは、大人の、ぽくらの責任です」
そして、もう1人、そのやりとりを聞いた児童相談所所長の湯本さんの言葉、
「来てくれてありがとう。話を聞かせてください」
律希、湊、七海は、この大人2人の言葉によって、ようやく救われたように、私は思いました。
少女を救ってくれた高校生3人に拍手を送りたい。あらためて感謝状を送りたい、そんな気持ちです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【ぼくはなんでもできるもん!】※結構ネタバレ⚠
一年生になった〜ら♪ 一年生になった〜ら♪ 友達100人できるかな
ということで、このお話の主人公たっくんが1年生になりました!
1年生になったらランドセルに黄色いカバーをつけることに!それを嫌がるたっくんでしたが、1つ下の仲良しの子に
『僕も黄色いランドセル!たっくんみたいなのがいい!』とたっくんは青のランドセルなのに勘違いされました
その後学校で班での遊びが始まるということでたくさんの六年のお兄ちゃん・お姉ちゃんが迎えに来ます!
そんな中、たっくんの班の班長のよりこちゃんだけきません…
すごくドキドキして心配でヒヤヒヤしているたっくんの気持ちがなんだかわかるような気がします
するとたっくん、『よりこちゃんを迎えに行こう!』と思い、迎えに!!
1年生で学校をまわれるのすごいなぁと感心しました
すると廊下に寝座って何かを探しているオジサンが!そのオジサンはたっくんと一緒で青が大好きで青のジャージを着ていました
オジサン=校長先生
校長先生はだいじな青いペンの先を落としたと言ってます!それを見つけたたっくん、その時オジサンが校長先生だと気づきます…
『入学式ではあんなスーツ姿だったのに…⊙.☉』と…
そこへダッ… と
先生とよりこちゃん!!
………………
1年生になると何でも自分でしたくなる時期なのかと思います
-
Posted by ブクログ
私と同じ年代なら、この本のタイトルを見れば絶対にCyndi Lauperの名曲“True Colors”を思い出すだろう。いまこの本を手に取る中学生読者にもそのことを伝えたい。
そもそも私が中学生時代に読書に求めたのは、ひたすら“背伸び”だった。友だちが読んでいた三島由紀夫を手に取り、文庫本で薄いからと読み始めた「午後の曳航」で登場する中学生たちの早熟さにしびれた。さらに日常的な中学生活に満足できない私は三島を読み進め、「金閣寺」は難しそうだからと手にした「仮面の告白」を読み、自分の手の届かない世界の存在を感じたものの、それが自分の身近にあるとまでは考えられなかった。
つまり私にとって三島小説に描かれた世界は、現実感から隔離された“非現実”であり、私が並行して好きだった特撮テレビ番組と同様に空想世界の1つに過ぎなかった。
他方でこの5編の短編集に登場する中学生は、あくまで普通。この本を読む中学生の多くは「ふつうの話じゃん」と思うだろう。たしかに登場人物たちは普通の家族や友だち関係の中で普通の中学生活を送っている。しかしそれだけでは物語にならない。そこに仕掛けられた、日常のなかに突如姿を見せた非日常(あるいは違和感)をどう受け入れるか。
ある中学生にとってはすんなり受け入れられるかもしれないし、ある中学生にとっては成長痛のように軋みとなるかもしれない。だが読書がいいのは強制を求めないところ。そして読んだ者の心にそっと種を宿してくれるところ。
5編のあらすじは載せられている。だが私なりに“日常”と“非日常”という視点から、各テーマの仕掛けに踏み込んで紹介する。
1 To be a Mom:女子中学生が成長とともに避けえない生理(月経)、妊娠、出産がテーマ。中学生の私は生理は始まったけど、妊娠とか出産とか今から考えなきゃいけないこと? ましてや周りからこうしたらいいとかこうすべきとか言われなきゃいけないこと?
2 三月のグラウンド:中学校の卒業式が終わった。香田さくらは中学生活のほとんどを硬式野球のシニアチームで練習に費やし、得意のナックルボールは全国大会レベルだと自信もある。でも高校に進むと女子は男子と一緒に甲子園を目指せない。それが決まりだから?
3 親友のカレ:自己紹介でわたしは「大切にしているのは偏見をもたないこと」とみんなの前で言った。それを聞いてわたしを好きになってくれた彼とつきあい、ある日彼とは恋愛関係から友人になった。その彼が好きな男子ができて付き合うと打ち明けてきた。そのときのわたしの感情って、正直に言って偏見だらけじゃないの?
4 ダイニングテーブル:わたしの家族って理想形じゃない。女性にばかり家事が押し付けられている。向かいに住む同級生の男子の家族はパパが2人。でも家事は分担制だし理想だなって思う。その男子にそう言うと即座に返された-「だれかんちみたく、とか。ガチで言ってんの?」
5 ぼくと、体と。:中学生からはじめた電車通学。満員電車で身動きできない中で、誰かが「ぼくの尻とチンチンと金玉」(原文ママ)を触る。ぼくができることはいろいろ試した。でも今日もぼくは痴漢に襲われた。どうすればいい?
読み終えて改めて表紙を見る。鎌谷悠希さんの女性のイラストがすばらしい。読む前は私も「目がきれいな女性だな」以上の感想はなかった。だが読後はこう思える-この女性はもしかしたら自分が将来出産することを素直に考えられていないかもしれないし、高校進学と同時に男女別になるスポーツを続ける気力が折れそうになっているかもしれないし、男子が好きな男子が同級生にいて自分にだけそれが打ち明けられているかもしれないし、家族のなかで自分だけがという不公平感を抱えているかもしれないし、痴漢にどう立ち向かうか悩んでいるかもしれない、と。少しだけ想像力が広がるようになった。
5編を読み終えたら、シンディローパーの歌を、動画サイトで聞いてほしい。
…But I see your true colors shining through/
I see your true colors/
And that’s why I love you/
So don’t be afraid to let them show your true colors/
true colors
are beautiful like a rainbow -
Posted by ブクログ
一般書のコーナーにいとうみくさんの本がある!と思って読んだら、なんと天使のにもつの続編!風汰くんにまた会えてうれしい〜
夜間保育園のお話。夜間保育園に利用しているのは、夜勤のある人か夜のお仕事の人というイメージでしたが、超多忙な会社員とかも利用しているのだと知りました。子ども側よりは大人の目線がメインのお話です。この園の先生たちは本当に熱心で、子どもにも親にもとことん向き合っていて、頭が下がりますが先生たちの善意で成り立っている状況には危うさも感じます。この保育人数では先生たちの給与もだいぶ低いのでは…と思ったり。
1つの保育園で背負うには重すぎる。もっと広いところでの支援が必要だと感じました。 -
Posted by ブクログ
「天使のにもつ」で中学生だった主人公が、保育士になって夜間保育園に勤めるようになって再登場。彼自身が成長しているのを見るのも面白いが、今回の彼は脇役に回ることが多い。彼が中心になる話では、男性保育士に女児のオムツ替えをして欲しくないという親が登場する。まだそういう話があるのかと思う。確かに最近も、教育者による事件が起きているけれど、保育の場に男性がいることが当然だし、メリットがあることについて、まだまだ認識が浅いのだと思う。
他に保育園で働く人や、保育園を利用する親子を描いた4つの短編が入っている。これまで夜間保育園という存在について知らなかった。でも、子どもは親だけでなく社会全体で育てるべきと考える私が、今まで気づかずにいたことを反省した。 -
Posted by ブクログ
トレンディでドラマになりそうな夜間保育園のおはなし。
どんな環境にある子どもでも保育を受ける権利がある…。
(夜間)保育を必要とする環境というのは親の「都合」によって多様であっても良いのだなというのが気づきだった。
例えば母子家庭でお母さんが看護師さん。どうしても夜勤の対応をしなければ働き口がない。
この場合は世間的にも仕方がないと捉えられることも多そう。
だけど、お母さんの職業がホステスだったり、会社員だけど自己実現のために残業や接待も参加したい。これだときっと世間の風当たりはもっと強い。
実際、いま私が死んだら、夫は自己実現と子育てを天秤にかけ、どちらかを選ぶのだろうと思っていたけれど、両方を求めることも選択肢にはあるのかもしれないと思った。
それが社会的には間違ったことで、仕事をセーブしてきちんと子育てをするか、祖父母などに預けるのが「正解」なのかもしれなくても。
子どもの幸せと親の幸せの最大公約数は親子によって違うから。
もっとお互いに迷惑をかけてもいいと思える社会、社会とまでもいわず、小さな人間関係ってどうしたらできるんだろう。