いとうみくのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ誠実な筆致で、一日で一気に読んだ。
事故で視力を失った兄、そのことに負い目を感じる弟、兄の障害を弟に原因があると感じてしまう母…。
事故であるからには、個人の誰かのせいではないのだけれど、それはわかっているのだけれど、それでも、そう思わずにはいられない。それぞれが、そのどうしようもない気持ちを抱え、押し殺しつつ苦しんでいる。どこかで開放したいと願いながら。
これは、その刺さったトゲを、それぞれに抜いていこうとする物語だ。
走るということは、やはり哲学的なことに通じるのだな、と思う。
『走ることは、孤独だ。どんなに苦しくても、つらくても、誰かに助けてもらえるものではない。走れなくなったら、その -
Posted by ブクログ
中学受験お勧め読書本として良く取り上げられているのと、いとうみくの本なので、ずっと読まねば~と思ってた。
同じ長距離バスに乗った兄弟、朔と新。朔は頭を打った後遺症で盲目になる。新の都合でそのバスに乗ることになったため、新は一番打ち込んでいた陸上を止める(母親はそれが当然、もしくはいつもの勝手な行動のような態度、事故前からうまく折り合いつかない母と新)。そして、一時帰宅もせずにずっと盲学校にいた朔が戻ってきて、新が陸上止めたことをしり、朔はブラインドマラソンを始め、伴走を新に頼む。
盲目の人が体験する初めての外出、初めてのランを追体験できたりしますが、この本の主題は家族の意志疎通なのかもしれませ