二木真希子のレビュー一覧
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ネタバレ「ーでも、他人をあっさり見捨てるやつは、自分も他人からあっさり見捨てられるからね。」
名言でた!しかもこんな端的な名言。いや、今までもたくさんいいセリフ、あったんだけど、メモをするのももどかしく、先へ先へ進んでいた。でも、なぜかこのセリフは今の私にささった!野獣のような闘争心を持つバルサが、結局、誰よりも人間的に温かいのは、こういう考えを持っているからなんだ、とすっと心にささった。
シハナ、なかなかの戦略家。シハナとアスラは昔から関係があったとは・・・。
シハナの罠にはまるバルサ。この戦いもすざまじい。上巻からサルが気になっていたので、おぉ、やっと出てきたか、と。傷を負ったバルサの元にタン -
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ネタバレタンダやチャグムなど、大切な人のいる新ヨゴ王国を離れ、故郷カンバル王国へ向かったバルサ。読者はバルサの過去をもっと深く知ることになり、バルサはずっと抱いていた祖国への怒りに向き合うことになる。
ジグロが殺した友がなぜ8人だったのかなど、本書で明らかになっていくにつれ、ログサム王の本当の、そして恐ろしい陰謀がわかってくる。ジグロの弟、ユグロみたいな人間には、私もコロッと騙されそうだと思うと、小さな怒りのようなものが自分の中にも灯った気がした。
牧童の存在がとても良かった。一見、カーストの最下級のものとみなされている者たちが山の王の民であり、誇りをもって暮らしていることになんだかとても心地よさを感 -
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ネタバレ守り人シリーズ、最終章の最終巻!終わりの終わりです。
ついに帰ってきた新ヨゴ皇国、バルサとチャグム、それぞれの目的と役目を果たすわけだけど、どっかで交わるのかと思ったら交わらない!!逆にそれがリアルでよい。そしてスケールのでかさがすごいね!こんな国と国との大激戦まで出てくるようになるとは、精霊の守り人を読んでいたときは想像もしなかった。
最後はもちろん大団円なわけだが、チャグムはもちろんのこと、バルサも落ち着くべきところに落ち着いた感じでよかったね。エピローグで、チャグムが遊びに来る話でも書いてくれないかなぁ。いや、それは想像で補うべきですね。
二人とともに精神は守り人世界に行ってきた身として -
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守り人シリーズ最終章の、中巻。カンバル王国編。
精霊の守り人以来の、バルサとチャグムの二人の主人公が一緒に旅する物語。というか、実は精霊とこの天と地の中巻だけだよね。
なんといってもホイ(捨て荷)のエピソードが秀逸。
途中でこの話が出てきたときは、なんでここにこの話が必要なんだろうかと訝しんだが、あとで出てきたときはめちゃくちゃ納得!!チャグムの、実は持っていた皇太子としてのプライドとの葛藤が、ホイの話で見事に辻褄があって、震えました。
しかしこの二人、先にも書いたが、これまでのシリーズで互いに常に想い合いながら話が進んできたのに、ここでともにバルサの故郷を旅しながら、また分かれ、最終章ではま -
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シリーズはじめての上下巻、の下巻。思わず一気読みしてしまった。
最後まではらはらどきどき。虚空の旅人が、必ずしも完全に解決して終わったわけではないので、今回も必ずしもハッピーエンドではないだろうという予感が働き、どっちに転ぶのだろうかと思っていたが、やはりという面も、そうはいってもという面もあった(笑)
しかし異世界の干渉力、はんぱないな!各国の神話・伝説は国によって異なるのは当然だとしても、それぞれ異世界からの干渉が強すぎる。まぁもちろんそういう世界観であり、だからこそのハイファンタジーなのだけれども、これだけの突出した力があれば、世界を制覇してしまいそうだ。
うーん、この壮大な世界観をどう -
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やめられないとまらない守り人シリーズ。
しかし、巻を追うごとに、これは本当に児童文学なのだろうかと思う。この「神の守り人」なぞは、あのトロッコ問題のような話であり、正解がない道を歩いていく感じ。
精霊の守り人と同じように、思わぬ運命を背負ってしまったこどもをバルサが守っていく話なのに、精霊の守り人が「最初は敵だったものたちと味方になって強大な敵から庇護者を守り抜く」的なわかりやすい話だったのに比べて、この話は最初から庇護者を守ることが果たして正解なのか分からない状態で進んでいく。敵対する側も、単に敵になったり味方になったりするのではなく、それぞれの正義で動いていく。
虚空の旅人のときもそうだっ