二木真希子のレビュー一覧
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めっちゃおもしろかった。
サラサラサラ〜っと読めた。
気づいたらもう残りわずかで。
『精霊の守り人』もおもしろかったけど、その数倍おもしろかった。
死んだジグロ(ヒョウル)と冒頭から槍で舞うシーンが好き。
ヒョウルの正体はその冒頭から分かってはいたけど、『山の王』や『最後の扉』が気になり過ぎて最後まで飽きなかった!
ヒョウルの存在意義がすごいよくできてる。
国を守るため、また世代交代というか、きちんと弔われることもいい。
『オコジョを駆る狩人』、や『牧童』という不思議な存在にもわくわくしたし、洞窟の中の深い川や儀式などの神秘的なところも印象的。 -
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ネタバレ浮もみ なんだか切なくて涙が滲むような短編
ラフラ
アズノの心より機微について、最後まで付き添われてないからこそ想像こそ余地があり、思いを馳せてしまう物語だった。
読み解けているかわからないが、きっとアズノにとってターカヌとの勝負は金銭も、人の目も絡まない純粋で大切な勝負だったのだろう、というのが私の解釈だった
合っているかはわからない。ただ、わかったつもりでこうだ、と言ってしまうのも嫌だな。また読みたい。
流れゆくもの
バルサの初めての人殺しの話。重い。
あとがきも含めてとても好きだった。ため息をつくほど胸が切なくなる短編集。 -
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ネタバレユグロの口のうまさが本当にすごい。そして、自分のことしか考えてない人の方が迷ったりせずハッキリと物事を言えるし進めるので周りの人は流されるんだろうなぁと思った。断定する人に人は騙されやすい。気をつけよう…。
そして、最後のお別れ。驚いたのは、「辛かった。それでもバルサを育てて幸せだった」みたいなことを告げずに、バルサを守るために友を殺さなければいけないことへの憎しみが伝わって怒りながら育ての親を刺した後、バルサが哀しみと共に寒い中自分を包んで守ってくれたことを思い出し、ジグロが消えてゆくという…。いい意味で予定調和ではなく、ただひたすら、「憎んでいた、それでも守り抜いた」というジグロの現実を置 -
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(小6女子)『闇の守り人』は、守り人シリーズの二巻目だ。一巻目である『精霊の守り人』では分からなかった主人公の過去が明らかになる。『闇の守り人』を読む前に『精霊の守り人』も読んでみてほしい。私は以前、自分の本当の気持ちを外に出すのが苦手だった。私と同じように、主人公と育ての親も、怒りや憎しみなどを隠し続けてきた。しかし、この本の最後でついに、今まで言えなかった感情をお互いにぶつけあう。だから私は、この場面が一番好きだ。誰にでもいつか、本当の気持ちを言える日がくることを私はこの本から学んだ。私は特に、自分の気持ちを外に出せていない人にこの本を読んでもらいたい。
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もう10年以上前、小学生か中学生の時にお小遣いで買った大好きな作品を再読。
上橋菜穂子さんの作品に出てくる食べ物ってすごく美味しそうで魅力的。独特の甘辛い香辛料で煮付けた魚、タレがしみたご飯、読んでるだけで口の中に唾がたくさんわいてくる。
これは全10巻のシリーズの第1巻目。新ヨゴ王国第二皇子のチャグムが、目には見えないもう一つの世界の水の精霊の卵を身に生み付けられていて、ひょんなことから女主人公の用心棒・バルサがチャグムを守ることになる話。当時2巻目の『闇の守り人』から読み始めた私的に、シリーズものだけど1話完結的な楽しみ方もできると思う。
呪術師のおばあさんトロガイ、その弟子タンダ、宮に仕 -
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小学生の頃から何度も読んでいる大好きな本。数年ぶりにチャグム達に会いたくなって再読。はじめて読んだ時はチャグムよりも幼かったのに今ではバルサと十しか離れていない。時の流れる速さに驚いた。
今回は、突然母と離されたり、父である帝に暗殺を企てられたり、よくわからん異界の生き物に卵を産み付けられたりと大変なチャグムの心情に着目して読んだ。チャグムが、バルサ達に感情をぶつける所でバルサとタンダはチャグムに安心を与える存在になれたんだなと実感できた。
上橋菜穂子の作品を読むのは1年ぶりだが、文章の読みやすさですぐに話に入れた。バルサ達と共に旅をするのはやはり楽しい -
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ネタバレあのヒュウゴの少年時代の物語。タルシュ国密偵アラユタン・ヒュウゴ。やたらと気になる存在だったあのヒュウゴ。
バルサやチャグムにとって、敵対する関係のはずなのに、完全な敵ではない。
ラウルを説き伏せた能力の持ち主。
なぜ、あんなにもヒュウゴという人物が心に残ったのか、本作の上橋さんのあとがきで納得。ヒュウゴのこの少年時代の物語は、ヒュウゴが登場した時点で出来上がっていたとのこと。だから、ヒュウゴがあんなにも、登場人物の中でも際立つ存在となっていたのだ。
本作は守り人シリーズのスピンオフみたいな位置づけなのだろうけど、もはやひとつの物語として完璧に出来上がっている気がする。
ヒュウゴが家族全員 -
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「感無量」、「感慨にふける」・・・
あぁ、この読後感をどう表現してよいのやら。
ついに、終わってしまった。バルサとチャグムの長い長い物語が。
この「天と地の守り人」は三部作で、タルシュ王国の北への侵攻を前に、第1部と第2部で、様々な戦略、駆け引き、思惑があって、そういったものがあったからこそ、最後のこの第3部は話の展開も早く、ページをめくる手が止まらないとはこういうことか、というほど早く読み終えてしまった。そして、「守り人」シリーズでは私としては初めて、何度も涙が溢れた。
戦争や、歴史上の戦など、これまで何度も映像で見聞きしたけれど、これまでで一番と言っても過言でないほど、チャグムとともに