二木真希子のレビュー一覧
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女用心棒バルサが生まれ故郷のカンバル王国にもどった。その昔、地位も名誉も捨て自分を助けてくれた養父ジグロの汚名をそそぐために。日本児童文学者協会賞。路傍の石文学賞受賞。(「BOOK」データベースより)
久しぶりにバルサに会えました。
守り人シリーズは2冊目。
やっぱりおもしろい。
なのでぐいぐい読んでしまいます。
25年ぶりに故郷に帰ってきたバルサ。
それを快く思わないものたちもいるのを知りながらも、愛するもののため、自分のために帰ってきたのです。
自責ともいえる思いがいつも澱のように沈んでいたバルサの心が少しでも軽くなったならいいなあ。
この作品にはタンダがでてこなかったので、ちょっと寂し -
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・浮き籾
タンダとバルサの幼少期。タンダの才能の片鱗が見える。2人は幼い頃から仲がよい。バルサも戦闘能力も子供離れしている。どこかの民俗学の引用か、農業の説明はあまりぴんとこなかった。
・ラフラ
肝心のゲーム「ススット」のルールや概要がわからないので、そこに疑問が生じる。始めの説明ではサイコロを振って運任せ、のような説明があるのだが、中盤以降はススットの達人の戦術の見事さの描写が目立つ。これはどういうことなのか。「ラフラ」と呼ばれる達人クラスになるとサイコロの目を自由自在に出せるとのことなので、自分がしたい戦略を実現できるようなコマの動きが可能なさいの目を、自分の意志で出しているということな -
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完結である。
イーハン
ヒュウゴ
これしかないか…という結末に落ち着く。合理性としては充分。お疲れ様、チャグム。そして、ロタのイーハン王子。この人が一番大人なような感じがした。非常に好人物。
毎回、思うのだがこの作品はクライマックスがけっこう終盤にある。一冊の3分の2くらいあたりで「おっ、けっこう盛り上がるな、ここから。しかし、どうやってこの盛り上げを上手く処理して収束するのか」なんてシーンがあったりする。で、この作品はそのあたりをどうしているのかというと、淡泊に収束させる、そんな感じなのだ。その点がなんだか気になってしかたない。もったいないというか、もうちょっと詳細を書いてほしいというか。 -
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ロタ王国が本格的に登場。ロタにはロタなりの苦労があることがわかる。作品に登場する国にはそれぞれの事情があることが面白い。バルサとタンダである。アスラとチキサに都合良く出会ってしまう。チャグムのときと同様にいきなりの肩入れ。肩入れしすぎ。ロタの隠密であるカシャルの言うとおりにしていれば、こんなトラブルはなかった。もしくはここまで大きくはならなかったんじゃないか?などと思ってしまう。
マーサのところを旅立つところでこの巻は終わり。マーサはいいキャラクターだ。こんなやり手の女将キャラはいろんな作品で見うけられるが、マーサもいい描写をされている。正しい筋道を好むけど、それでいて融通も利き、適度なしたた -
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精霊の木 080327 上橋菜穂子
「自由だとか平等などは始めからあるものでなく人が創るもの」
「何事もなく平安に死ぬか責任とわずかな希望を持って生きるか?」
「精霊(精神)といる限り天と地の間のすべてと非土地であると感じていられる」
精霊は神ではなく魂の片割れで生まれた後に出会うものだという
歪みだらけの現実世界をつくりだしている人間が自分自身を傷付けることで
その対極と出会うというパラドックスな相対世界を浮き彫りにしている
を描いた物語
精神は湖の矛盾によってのみ磨くことができることを描こうとしているのだろう
現在地球上で起こっている見るに堪えないあからさまな憎悪と差