田房永子のレビュー一覧
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田房さんが第二子として息子を授かった時に、自分の中にある男性に対する感情と向き合った本。
これを読んで、私も父に対する気持ちを色々と発見することができた。
うちの父はそのへんにエロ本とかエロビデオを置いておく人だったんだけど、私は本当にそれが嫌だった。性的なことと父とが結びついていることを知るのが嫌だった。でも私は父に私を見て欲しかったので、父が持っていたエロコンテンツに出てくるような女の人になろうとしていた。それは決して父に対して性的な感情があったわけではなく、そうしないと私には価値がないような気がしていた。成人してからのモラ男遍歴もそれじゃん!!と思ったらすごく腑に落ちた。
本当はザ・草食 -
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田房永子さんが、母親との関係に苦しんできた13人に体験談を聞く本。何かに似てるなと思ったら、くらたまさんのだめんずうぉ〜か〜かも。
書き方が似ているというよりも、毒母とダメ男には共通点があって、それはおそらく支配なんだと思う。
しかし世の中には猛毒母がこんなにいるとは…。上野先生の本にもあったけど、母と娘って本当にこじれる。この本には1人だけ男性も出てくるんだけど、めちゃくちゃな母親に過干渉されているのに「でもうちの母は結局僕を愛してるんで」って言ってて息子強いなと思った。
父と娘はそうでもない気がするけど、母と息子はこういう繋がり方しがちなの何でなんだろうな。
うちの母はこんなにあからさまな -
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フェミニズムについて。対談形式なので分かりやすいし、田房さんもほぼ初心者だから分からない言葉は上野さんが解説してくれるし、入門書としてはとても読みやすい。
田房さんの父親が田房さんに「長男的な役割を求めていた」という部分で、私の父もそうだ!!と腑に落ちまくった。父は典型的な女性蔑視人間なのに、私を東京に行かせたのはそれが理由だったと思う。
それにしても女性を取り巻いてきた、今も取り巻いている環境は本当に劣悪で、おそらく多くの女性も何が問題なのか気づかないままでいるということを考え出すと気が遠くなる。
私の元夫は自分ではフェミニストと名乗っていたけどおそらくフェミニズムについて何にも理解してない -
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「呪詛抜きダイエット」が面白かったので田房永子さんのこちらを読んでみた。育児エッセイかと思ってたら主に自分の性欲の話だった。
内容とは関係ないんだけど、私は女性器の呼称にめちゃくちゃ嫌悪感があるなと気づいた。男性器の方は大丈夫だけど、「女性が言う用」の呼称は苦手。この年になって自分のセクシュアリティを色々見直す部分があって新鮮。
妊娠〜出産〜育児って、社会からの「こうじゃないといけない」みたいなイメージ像の押し付けがすごくて、「うるせぇ!」って思うことも多いんだけど、この本を読んで再認識した感じ。「妻の妊娠中は男もち○こが腫れたりすればいいのに」っていうところのイラストで笑った。
性欲の向こう -
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ネタバレ上野先生の名前は昔から知っていて賛否両論あったので、ウキウキしながら読んだ。
色々と、目からうろこなこともあったけれど、特に印象に残ったのが、「源氏物語などの古典テキストを読んでいて、知っているから」「恋愛を恋愛と認識出来る」というのと同じぐらい、セクハラやDVという単語が輸入されたから、私たちはセクハラをセクハラと認識出来る、角度を変えると洗脳されていると言う問題。
言われてみれば、何を持って恋愛とするのか、前例がなければ、私たちには恋愛が自覚出来ない=恋愛出来ない、していてもしたと認められないという問題だった。
では何をして恋愛とするのかというと、本の中では源氏物語とかから始まる古典テキス -
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なんとなく手に取ったのだけど、読んで良かったです。
エッセイの大きな魅力はフィクションではないものに共感できて、癒されること、自分にとっては。
半分虚構みたいなもんです、のようなお洒落でのほほんとした日々つらつら系エッセイも素敵だけど、ご自身の傷や(とても失礼な言い方になってしまうけど)もしかすると「恥」と見做されてしまうような内側を描く本は、読めて有難いと思う。作者さんすごいなあと思う。
井戸の底にいる自分、心ではなく状況だけを捉えてしまう・しまわれること、家族への悔しさ。私は自分のそれに触れたとき「キレる」方面にはいかないのだけど、根っこにある感覚は分かる気がしました。感情が悲鳴をあげて -
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なんて読みやすくかつわかりやすい本なんだと思った
「物事をA面とB面で捉えてみてみる」という考え方に既視感を思っていたら、上野千鶴子さんとの著書『上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!』で言ってたのだと気づいた。
著者がとある本で出会った「親の行動の種類やひどさの度合いは関係なく、子どもは親から自分の気持ちに耳を傾けてもらえないこと、関心を持ってもらえないことに非常に傷つくのである。」
「相手を理解することとその行為を否定することは両立できる」
日光(親との距離)を調整するのは太陽(親)を否定することにはならない
(親を太陽に、日光を親の影響力に例えている)
薄めで手に取り -
Posted by ブクログ
この本を読んで、なぜ親はうるさいのか少しわかってきたような気がしました。
私は今、親元を離れ一人暮らしをしている大学生です。親と離れてから、自分の生活、時間を持てるようになり落ち着いて生活出来ています。
しかし、本書のように、中高生のとき自分の進路など様々な面で常に先回りをして子どもの未来にレールを張り、そこから出ようとすると押し込められる日常がとても苦痛でした。特に私のお母さんは、お母さん自身良い子育てをされてきてないという気持ちが強く、絶対に自分の子には立派な子育てをするんだという意思が強いです。それによる私への教育熱は周りの子と比較するとかなり強く、しんどい時期がありました。
それでも、