西村京太郎のレビュー一覧

  • 浅草偏奇館の殺人
    川端康成が愛したという浅草。
    御芝居の街浅草。
    なんとなく文学的な匂いのする作品。

    やや暗く,男中心の記述なので,好き嫌いがあるかもしれない。
  • 愛と悲しみの墓標
    自殺志願の若者。
    殺人犯に仕立てられる。

    亡くなった金持ちの男をとりまく女性たち。

    怪しげな弁護士も登場する。

    最後は大どんでん返しで推理小説らしい仕立て。

    十津川警部の思いやりがキラリ。
  • 青森ねぶた殺人事件
    ねぶた殺人事件というか,
    ねぶた用のたいこに死体を入れて運送した事件。

    運送時点で,ごろごろしなかったのだろうか。
    容疑者の不振な振舞に,怪しいと思わない人がいることが疑問。

    十津川警部はあまのじゃくだとの宣託はその通り。
  • 十津川警部 能登半島殺人事件
    十津川警部に三行半をつきつける直子。

    やや唐突だったが,誘拐事件だった。

    馬鹿呼ばわりした直子の真意は,暗号解読。

    ありきたりの先頭文字を読んで行く方式だが,
    登場人物の魅力で飽きがこない。
  • 南紀殺人ルート
    阪和線と和歌山線を使った時間の魔術。

    伊勢線の無人駅。

    鐵道推理小説ならではの題材。

    詐欺事件の報復や,開発などの社会的話題も豊富。

    西村の魔術炸裂か。
  • 十津川警部捜査行 恋と哀しみの北の大地
    北海道を舞台にした短編5話(既出)。

    石勝高原の愛と殺意(最終ひかり号の女)
    最北端の犯罪(特急「おき3号」殺人事件)
    愛と孤独の宗谷本線(愛と憎しみの高山本線,十津川班捜査行湘南情死行)
    謎と幻想の根室本線(謎と殺意の田沢湖線)
    青函連絡船から消えた(十七年の空白,L特急やくも殺人事件)

    「本...続きを読む
  • 祭りの果て、郡上八幡
    郡上八幡の祭りの時に行方不明になった人が
    御母衣ダムの湖底から現れた車の中に死体で発見された。

    男性が写真家で女性がモデルだとの推測が外れ,
    女性は近所の人だと確認された。

    女性モデルはどこへ行ったのだろう。
    写真家は、警視総監の息子とのこと。

    麻薬所持の疑惑から,殺人の可能性を探る。

    警視...続きを読む
  • 十津川警部 千曲川に犯人を追う
    数年前の事件と、最近の事件と十数年前の事件と、
    将棋の試合で起きている事件の関係が複雑。

    複雑な人間関係で、何がいいたかったのだろう。

    将棋を題材にし、将棋を打つ人間の心の問題を問うのが目的なのだろうか。

    警察の誤認逮捕が問題なのだろうか。
  • 北の秘密
    ワンダーフォーゲル部にまつわる過去の事件の清算。
    還暦を迎え,若かったころの事件を謝罪したい人と、
    時効が過ぎているので、なかったことにしたい人との葛藤。

    現在の事件を追う中で,過去の事件も明らかになる。
  • 十津川警部「幻覚」
    「幻覚」というよりは、「悪夢」に近いかもしれない。
    夢に出て来る階段。現実にかかってくる女性からの電話。
    どちらも幻覚ではない。

    登場人物は、食品会社の社長。
    3人の女性から、記憶にない話で追求されている。
    本人もどうも去年の2月の記憶がない。

    精神科医に相談するが、なかなかとっかかりがつかめな...続きを読む
  • 十津川警部捜査行 殺人者は北へ向かう 十津川警部
    地震の予言が当たった男が,
    北へ向かう列車で女性が死ぬことを予言する。

    競馬の予言を繰り返し,
    また地震の予言をする。

    殺人事件として追いかける十津川警部。
    意外にも予言をしていた男も殺されてしまう。

    犯人たちを追い詰めるところが少し安易かもしれない。
    壮大な構想だけに、詰めはもう少し複雑だと...続きを読む
  • 東北新幹線「はやて」殺人事件
    青森と秋田の県境にまたがる産業廃棄物処理場をめぐる事件。

    出だしは、はやてに乗る予定だった男が殺された事件と、
    はやてで弁護に行く予定だった女性弁護士が殺された2つの事件の関係を追う中で明らかになる。

    飲食定の女性主人が男の遺骨を持って現地に乗り込み,
    関係者が殺され,最後に女性も殺される。

    ...続きを読む
  • 死者はまだ眠れない〈新装版〉
    死体が次々に行方不明になる。
    何のために,誰が死体を盗んで行くのか。

    一人容疑者を確認するために、
    偽の殺人事件を十津川警部と直子夫人ででっちあげる。

    おいおい、十津川警部,民間人を巻き込んでいいのか。
    幾ら愛妻家だといってもやり過ぎじゃないの。

    西村京太郎のあこがれの女性像が直子夫人なのだろ...続きを読む
  • 海を渡った愛と殺意
    短編3話。

    越前殺意の岬(日本列島殺意の旅西村京太郎自選集4)
    EF63形機関車の証言(EF63形機関車の証言)
    海を渡った愛と殺意

    「海を渡った愛と殺意」には、山村美紗の登場人物であるキャサリンと浜口が出て来る。破茶滅茶なキャサリンと浜口の間の愛のある会話までは再現できていないような気がするが...続きを読む
  • 高山本線殺人事件
    会社の跡目争いの事件。
    殺人事件とその犯人に仕立て上げるという手の込んだ物。

    最後は、罠にかけて主犯を逮捕する。
  • 十津川警部捜査行 出雲神々の殺人 十津川警部
    神無月,神様は出雲に集まってしまうので、出雲以外では神無月。
    出雲では、神様が皆集まってくるので神有月。

    神無月に、さまざまな殺人があり、
    出雲大社に殺人の報告が。

    容疑者がなかなか特定できないでいる。

    出雲大社が何度もでて来るので、一度行ってみたいと思った。
  • 十津川警部捜査行 仙台青葉の殺意 十津川警部
    十津川警部が見知らぬ人から葬儀の案内がくる。
    出かけると,手帳を形見として渡される。

    帰りに睡眠薬を飲まされ手帳を奪われる。
    奪ったと思われる男が東京で殺される。

    事件は、十津川警部の捜査の対象になる。

    すごい、出来た筋書き。
    必然と偶然が織りなす推理小説。

    十津川警部愛好者のための話だとい...続きを読む
  • 北リアス線の天使
    我が儘な画家の世話を担当させられた看護婦。
    患者の言うままに,病院を抜け出して,北リアス線の美しい地方へでかける。

    怪しげな動きがいろいろあるが、
    画家が渾身の1枚を描き上げ亡くなる。

    遺産相続の争いで、実態が判明する。
  • 十津川警部 あの日、東海道で
    刑事の学生時代の事件から始まる。
    同じ日に東海道で死亡事件が2つ。
    ちょうど、青春18切符できままな旅をしていた。
    亡くなった一人とは顔を合わせている。

    事件ではなく事故として処理され5年が経過。
    ちょうどその時に寄った喫茶店の所有者が交通事故死。
    その喫茶店にあったのと同じ版画を持った男が東京で...続きを読む
  • ミニ急行「ノサップ」殺人事件
    釧路から根室に伸びる,鉄道を走る急行ノサップ。
    その途中の駅で起こるなぞの事件。

    半ばから、何のための事件かはだいたい推測がつくが,
    誰と誰がどういう関係かは最後までなかなかわからない。

    推理小説としては面白い作りで,飽きない。
    西村京太郎の本領発揮だと思う。

    北海道へ行きたくなるので、よい作...続きを読む