西村京太郎のレビュー一覧
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◎殺される猫娘の無念を晴らすため、十津川が動く!
十津川警部のもとに、「子猫ちゃん」などのあだ名を持った18歳くらいの女性が殺害されている事件が、2件舞い込んできた。三上本部長からの提案でもあったが、十津川も関連性があると請け負う。しかし、なかなか関連性が見えてこない中で、鳥取県の境港で「猫娘コンテスト」が開かれると聞いて向かう。警備体制も強化する中で万全と思われたが、ミス猫娘に選出された東京出身の女性が誘拐されてしまい・・・?
なかなか手がかりがつかめない中、「子猫コレクター」と呼ばれだしたその犯人を追うために、「10日」「18歳」というキーワードで探すと、意外な犯人像が見えてきて・・・
溺愛していた娘を取り戻そうとする男。それを追う十津川班。
美しい娘、自分の娘のようなきれいな女性を探すその男の姿は、とても醜い。京都人であるがそこに奥ゆかしさのかけらもない。
弱きものをくじく十津川の執念は、途中困難な壁にぶちあたってしまうものの、犯人の手がかりを少しずつ解き明かし追い詰める最後の勢いは強い。 -
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◎お市の方がどうなっていたか?から始まる復讐ストーリー
時代小説家・広沢弘太郎は、新たな小説として「もし柴田勝家が戦国時代に秀吉に勝手いたら、妻・お市の方はどうなっていたか」というものを考案し、琵琶湖北側(湖北)へ懇ろであった秘書の木村と取材旅行へ行くこととなった。そんな中、広沢の妻であり画家・富永の若い恋人・山内が殺されたことがわかり、そこに残されたダイイングメッセージが「オイチ」で・・・
冒頭、雑誌「小説時代(エイジ)」の編集者井上の目線で進められるこの小説は、戦国時代に詳しくないものでも比較的わかりやすく物語のきっかけとなるエピソードを解説してくれる。西村氏の面白いところは、史実と言われている部分をどう変えたら現実味を帯び、それを現代の事件とどうリンクさせるか、考えた末このような物語になっていることである。モデルは自分なのか、と思わせるほどだ。
十津川が調べを進める中で壁に突き当たるのは、広沢も富岡もアリバイを持っている中で、いったい誰が殺人を犯したのかということだ。広沢に動機があることが突き止められるか、それは十津川の推理がさえる瞬間でもあった。 -
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◎不思議な女の一夜同棲契約、その真相は
小早川恵という女性が、月曜~金曜までそれぞれ一人ひとり男が変わるがわる家に出入りして料理をふるまったり一緒に添い寝したり・・・不思議な行動をしていて、契約している男たちもだんだん不思議でいったい小早川に選ばれるのは誰かが気になってくる。
そんなさなか、木曜日の男・岸川正典の秘書・城戸はるかが殺された。城戸は岸川に好意を寄せていたこともあり、岸川は十津川はじめとする捜査班に疑われるが、岸川のアリバイを小早川が証言してしまう。岸川は城戸を殺害したのだろうか。
そして、5人の男たちは、一緒に情事を達成できない腹いせに小早川を襲おうと計画するが、小早川は拒み・・・
そもそも、なぜ小早川がこのような形で5人の男と過ごそうと思ったのか。ここに大きなポイントがある。普通に考えたら、こんな申し出をしかもこのご時世(と言っても2007年に書かれた本のようなので、女性からいろいろと言い寄る、ということにはあまり頓着しなかった時代なのかもしれないが)で言い出す、あるいは男性側も受けるということはないのだろうが、まんまと(!?)この5人の男性ははまってしまう。
鉄道が「湘南ライナー8号」しか出てこないのに対し、様々な動機は過去にさかのぼり、そして深い。虎視眈々と狙った行動である。この点で小早川に読者はきっと完敗だ。しかしその小早川は殺されそうになる。さぁ十津川、小早川を守り切れるか、そしてこの事件の真相は何か。ネタバラシしては面白くないのがこの本だ。 -
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○内容自体は古いのだがハードボイルド西村を読める作品としては貴重!7つの短編集
・夜ごと死の匂いが
次々殺される女性。独身もいれば夫子持ちもいるが共通点が全くと言っていいほど見つけられず、十津川と亀井は苦労する。
―突破口はかすかな手掛かりから。
・危険な賞金
佐藤幸太郎医師が殺された。聞き込みをする十津川は、決して人々が好意的に思っていないことに気づく。そんなとき犯人を捕まえたら賞金、という記事が新聞に載り。
―恐喝をしてしかえそうとして。
・危険な判決
上条雄一郎という男が殺され、凶器は面白い模様のゴールドのナイフだった。鈴村尚子が殺されたのも同じナイフで、調べてみると…
―判決を下してダメな人。「間違った正義」が許せない人。
・危険な遺産
探偵の森恭介のところに、古山藤太郎という社長が亡くなった後の遺産相続者のことで弁護士から不思議な依頼が来て。
―誰が最も悪いことを考えているだろうか?
・危険なスポットライト
危険な私立探偵秋葉京介のもとに舞い込んだのは、脅迫状が届いたアイドルを守ってほしい、という依頼。しかしそのアイドルは失踪してしまい?
―アイドルをめぐる金儲けの匂い。
・狙われた男
水商売のオーナーの川島大三郎は、誰かに命を狙われているとし、探偵秋葉京介に助けを求めるが、川島の一筋縄ではいかぬ秋葉の取った行動は。
―最後に川島を裏切るどんでん返しが。
・私を殺さないで
ラジオDJの西井純の番組で「私を殺さないで」という曲をリクエストされた宛先になった人が次々と殺された。いったい誰がリクエストしたのか?
―ラジオで殺害予告されるという斬新さと動機の意外さ。 -
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厚かましいとか身勝手との誹りを覚悟して、お婆ちゃんの供養のために手に取りました。
あいつ等は鬼畜でした。お婆ちゃんを惨めに追い込んで、読んでる本まで貶し始めて人格攻撃です。あいつ等は許せないです。自分達ですら大学を裏口入学しておきながら、よくもまあ偉ぶるわ偉ぶるわホラを吹くわ。あろうことかまともに大学入学すら出来なかった御仁が新書を出すとか、失笑モノなんですけどね。正直怒ってます。そしてそんな世間を阿呆だとも思います。身元くらい洗えと。
お婆ちゃんが旅先のおともに置いておいたんでしょうね。破綻もなく旅先での到着駅を豊かにするモノだったと思う。決して馬鹿にされるものですらない。目的に見合った書籍です。人生を豊かにもしてくれる本です。 -
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○誘拐・失踪で綴る、西村小説6編
・誘拐の季節
マネージャーの沢木は、女優の小野由紀子を迎えに行くが、「朝早くにでかけた」という。以前姿をくらましたことはあったが、今回は長すぎる。五十嵐刑事に相談した直後脅迫状が来るが、ある映画の脅迫状によく似ていた…
・女が消えた
ある山道でガス欠した。一緒に車に乗っていた京子が下の町に助けを呼びに行ったが待てど暮らせど戻ってこない。心配した私は清心教に染まった町まで行くが、目撃者がいない。いったい京子はどこへ…
・拾った女
私は落ちていた財布を手にホクホク顔で飲み屋に行くが、女に声をかけられそのまま一夜を共にする。財布は盗られたが、そのあと別のナイトクラブで会う。しかしつれない対応で、2日後行くと辞めてしまっていた…
・女をさがせ
バーで飲んでいると女に声をかけられそのままついていった。そうすると殴られて気を失う。気が付いて男2人を殴って飛び出して警察に行くと、その家は誰もいなくなっていた…
・失踪計画
俺は会社で失踪計画を立てた。金庫の金を盗み、その罪を課長に着せ同僚の木村が失踪するというシナリオだ。木村を少しずつ手なずけつつ、状況を作り上げていくが…
・血の挑戦
探偵社の私の元に会社社長の山中が来た。義理の妹を探してほしいという。喫茶店に勤めていたと山中は言っていたが、実はバーだった。なんだか奇妙な様相になってきたとき、後ろからピストルを突き付けられ…
やや古め、だが真実にたどり着くまでにいくつもドキドキするような展開が用意されていて、面白く読んだ。 -
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○いずれも濃く思わずうなってしまう西村氏珠玉の8編の短編集。
「受験地獄」
T大受験2浪目の木村は、試験当日寝坊した。間に合わないと悟った木村は大学事務局へ「爆弾をしかけた」と電話を入れた。目論見通り試験時刻はずれ、受験にも成功した木村だったが、それを佐藤という男が不審に思って脅してきた。脅しに屈した木村は佐藤に金を渡し続け、ある日我慢ならなくなり殺しに行こうとして・・・
※若干上記エピソードとは違うが、2014年7月に日本テレビ系列で、「殺人偏差値70」というタイトルでリメイク実写化。
「海の沈黙」
新聞記者の田島は東北旅行の際、新聞で船の沈没事故の記事を読む。乗員全員が助かったという奇妙さに惹かれた田島は、漁師町Nへ向かい聞き込みを始めるが、街人の様子はおかしい。やがて、助かった高木という漁師に話を聞けたが、その高木も殺されてしまい・・・
「神話の殺人」
小雑誌社に勤める田辺は、「テレビに出演していた車引きの女は偽物」という奇妙な投書を調べ始める。実際に偽物で、ディレクターのでっちあげなのではないかと推理した田辺は東京の女のもとへ駆けつけるが、殺されてしまい・・・
「見事な被害者」
新聞記者の田島は、モナコレースで優勝した宗方の恋人を探していた。すると、偶然通りかかったアパートで自殺があり、それが恋人の上岡らしき人物だった。しかし覚醒した後話してみると別人だということがわかり狼狽するが、ある取引を田島は持ちかけ・・・
「高級官僚を死に追いやった手」
地方に飛ばされていた官僚・片桐は、いつか同期の里見が失脚しないかともくろんでいた。その折、失踪したという連絡が入り片桐が中央に戻されることになった。大臣の井上が仲良くしているKパルプの秘書や社長とも顔を合わせることになったがそのとき、里見が死んだという連絡が入り・・・
「秘密を売る男」
雑誌記者沢木は、政治家三田を選挙公報で告発する謎の立候補者前島徳三郎のことがとても気になった。取材に行った沢木は、前島が何者かから金をもらってその広報を書いていることがわかり、いろいろと調べていると、何者かが前島の名前の印鑑を作らせたことを調べていることがわかり、そのあとを追ってみると・・・
「残酷な季節」
安田プラスチック専務の水島は、社長の安田に呼び出され、経営難であることから不安を覚える。しかし打診されたのは新会社・安田玩具の社長就任だった。順調にいっていると思われた新会社の立ち上げだったが、ある朝出勤すると、横領の疑いで出頭せよというのである。おかしいと考えた水島は自白したことにして自宅に戻ったが・・・
「友よ、松江で」
警視庁の小川刑事は、松江のホテルから友人江上の手紙を受け取り、助けるために松江にやってきた。が、そこには江上はおらず、代わりに君原というアベックにたどり着く。ようやく江上を見つけたと思ったら逮捕されていた。江上の無実を晴らすために動き回っていると、江上の勤め先の岡村が殺され、「俺がやった」と言っていたらしい。しかし、真相は・・・ -
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○暗い暗い(西村氏には珍しいくらい)えぐってくる話をまとめた短編集。6編収録。
「危険な若者」
冴子は、松崎という人気役者を抱えるプロダクションの社長。そこに瑛一が入ってきた。松崎が売れっ子になり天狗になっていくと、なぜか付き人の健治が会社を辞めた。そしてそこの穴を瑛一が埋めるという。
さらに、松崎が警察に連行され、そのスターの穴を瑛一が埋めるようになった。冴子は不審に思いタレこみの電話を取ると、真実が・・・
「ある男の肖像」
マスコミの帝王・沢木信介が死んだ。出版社を経営する田代は部下に、田代の私的なブラックな部分の伝記を書くことを提案する。不思議に思う部下たちだったが、その頃謎の手紙が投かんされた。それを読むとそこには・・・
「脅迫者」
ある会社の営業部長・安田が、行きつけのホステスを乗せて運転中、男を轢いてしまった。幸い軽傷だったが、実は同じ会社の部下・松崎だった。松崎からは暗に昇格させろと脅され、その通りにした。その2年後、再び同じく脅された。今度は行きつけのホステスだった女がしゃべったらどうなるか、と言ってきた。その女を問い詰めてみると・・・
「電話の男」
頭痛で会社を休んだ俺は、奇妙な電話を取った。どうやら妻の文子が浮気をしている相手らしい。どうりで最近冷たいと思った。その男が文子を呼び出した場所へ行ってみると見事に会うことができたが、殺されそうになったので殺した。そして別れようと思い文子を問い詰めると・・・
「優しい死神」
週刊誌の記者加倉井と京子は、高級マンションを購入した土田昭子の取材をすることになった。その直後、2日連続して周辺の人間が死んでしまう。怪しいと思った加倉井たちはもう一度土田の周辺を調べてみる。すると襲われてしまい、気付いた加倉井たちは・・・
「めでたい奴」
刑務所から出たばかりの三木と安田は、せめて年越しくらいはいい暮らしをしたいと盗みを企てようとした。そこに偶然、土管の中に金がありその金で奥伊豆に行くことになった。泊まっていた部屋に急に女が乗り込んできたが、翌日警察が来て、実はその女は・・・
どれも読みごたえ・悶えがいのある短編でした。 -
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○タンチョウに興味を持つ謎の美女、その目的とは
タイトルに「伝説」と書いてある割に伝説感はあまりしません。
釧路湿原のタンチョウサンクチュアリで働く持田。突然、白井香織という女性が退勤と共に「タンチョウの世話をしにボランティアに来た」と言い、戸惑う。周りに勧められながらもボランティアとして働いてもらうが彼女はなかなか働きぶりがよい。
そんな中、田中修という男もボランティアとして志願しに来た。彼は白井に大変興味を持っている様子で、白井も迷惑したが、ある日塘路で殺害されているのが見つかる。当然、白井にも捜査の手がかかったのだが、白井は知らぬ存ぜぬの一点張り。警察は不信を抱くも、白井は突然失踪してしまう。田中は妻も殺されていることが分かったが、彼は実は私立探偵で、神奈川の県会議員の疑惑について調べていたらしい。すると、当選直後の議員の妻に、白井が似ていると神奈川県警から話があり、白井を参考人として、十津川が動き出す。
釧路の雄大な自然を舞台に起こる逃走劇。持田の徐々に抱く想いに十津川も共感し、最後にはこんなハッピーエンドが待ち受けるとは、あまりこの展開のパターンは十津川シリーズでもないかも。 -
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◎5つのいつもの事件でない刺激ある短編集
・特別室の秘密
十津川の妻、直子が尿管結石で入院。
すると特別室のあるフロアの廊下の奥に謎の部屋があるのを見つける。いろいろな目撃談や証言を集めるが実態がなかなかはっきりしない。あるとき関係者が出入りするのを見つけ十津川に協力を仰ぐ・・・!結末が意外とホラー。
・一日遅れのバースデイ
主治医の田口が広永の死後駆けつけるとなぜか違和感。そして十津川に相談してみた。調べてみると、息子兄弟たちの挙動が怪しく、死因もやや不自然。そして祝った誕生日の日付が本人のものと一日ずれていた・・・!結局人間の欲望がモラルに勝つ。
・野良猫殺人事件
北条刑事の飼っている猫が見つからなくなり探していると、ある日子猫を抱えているのを見つける。同時に発生した殺人事件にはその猫が関係している可能性が。飼い猫に関係したぶち猫が謎を解く鍵だと判断した北条は一生懸命その猫を探すが・・・一方容疑者がなかなか口を割らないがあるところで見つけた死体のそばにはそのぶち猫が死んでいて・・・。北条と西本刑事の執念の捜査。
・死体の値段
君子のパトロン・資産家大山が突然死んでしまった。それを隠したい大山はある男を使って一芝居を打つが、いとも簡単に十津川に見抜かれてしまいました。
・死が乗り入れてくる
仙台をやまびこで出た佐々木は上野駅でめぐみと待ち合わせをしたが、めぐみはひたちの中で死んでいた。なぜそのひたちに乗っていたのか。東京メガループで起こるアリバイダイヤトリック!
5本とも秀逸。ダイヤトリックという意味では死が乗り入れてくるは傑作!一日の遅れのバースデイはたった一日の違いを「たった」で終わらせない十津川の勝利! -
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◎死体が消える謎の事件を直子が追い、十津川が追う。展開は意外な方向に行き過ぎて予想できない。
都内で、死体を見つけたという通報があったが、死体がなぜか消えてしまった。一件だけならまだしも、二件目は妻を殺したという男からの通報だったが、その死体もなくなってしまった。実は生きていたのではないか、とかそういうことになってしまったけれども、直子がそれに違和感を感じ、探し出そうと活動を始める。
すると、最初の死体があった場所付近から「秋山貢」という名前の書いたライターが見つかり、偶然十津川と入った店でその名前が書かれたボトルをもらう人間がいた!
手がかりを少しずつ手繰っていく十津川だったが、事件はよくわからない方向にしかいかず、ただただ困惑する。そしてある仮説にたどりつき・・・
直子も登場しつつ十津川も停職処分を受けながら厳しい戦いをしていく。少しずつ着実に真実にたどり着こうとする十津川の姿は見ものである。
また、最後の結末で意外すぎる展開になっていくのでびっくりする。ちゃんと犯人がつかまりそうなところで終わるので、それはそれでよいのだが、、、 -
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◎難解な殺人ゲームに挑む十津川たち!犯人がめっちゃ推理させる。
十津川にある日いたずら電話と思われる電話がかかってきた。「ゲームがしたい」。真に受けなかった十津川だったが、その翌々日その男と思われる人物から手紙が届く。
寝台特急さくらの車内で殺人を起こす、という手紙だったが、他の事件が起こり気になりつつも乗車できない。公安官が乗ったものの、マークした人物とは違う人物が殺されてしまい、十津川はここから犯人に翻弄され続けることとなる。
少しずつ手掛かりをつかむ十津川たちが、犯人に少しずつ近づいていく姿は純粋な警察小説のような気がする。
ただ、どの列車で殺人を起こすつもりなのかは難しく、十津川は相当苦労していた。鉄道ミステリーならではの醍醐味ではあると思いますが! -
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◎徐福伝説を調べながら真実にたどり着く
徐福についての本を書いた羽太が殺されたところから始まる。徐福の子孫だという彼と、直前まで対談をしえいた木村を十津川と亀井は追い、木村の院生・高木と共に南紀白浜までやってくる。
(こんなに旅情ミステリーに参加しておいて、ワイドビュー南紀に乗ったのは初めてらしい。意外。)
ほんとよく徐福伝説について調べたんだな、ということがよくわかる。全体の2割くらい・・・は言い過ぎかもしれないが、徐福伝説について語られて、それぞれの登場人物の立場を明らかにしようとしている。
・・・がしかし。よくよく推理していると、刑事部長の様子もおかしいし、新たな事実に気づく。
捜査は止められてしまったがそれでもなお続けて真実にたどり着き新たな犠牲をだすまいとする心意気には感服。(ただし、サラリーマンとしてどうかは置いておく。でも、正しいことを地で行こうとすることも必要だとは思う)
最後に政府や警察の内情も見れたような気がして面白かった。 -
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◎よく練られた完全犯罪8つの短編集。
それぞれ思わず唸る物語ばかり。
「奇妙なラブ・レター」
早川が歩いていると、見知らぬ女・冴子からラブレターをもらう。後日家が荒らされてしまい、冴子の素性を調べると見知らぬ男のいる場所へ連れて行かれてしまう。早川万事休すだったが・・・
「幻の魚」
雑誌の仕事をしている田島は、休暇を利用して幻の魚・イシダイを釣りに式根島へやってきた。旅館に泊まっている有子を探していると風呂に現れキスをした。
翌日死んだということがわかり巡査が来て、事件に巻き込まれたと知った田島は・・・
表題作「完全殺人」
あるところに集められた五人の男女。なぜかそのうちの一人、主人役は他の4人が十五年前にそれぞれが犯した殺人を知っていた!最もすぐれた殺人をしたものに賞金が与えられるという話となり、一人ひとりからそれぞれの経験を話しはじめると・・・
8つそれぞれがしっかりしていて読み応えのある作品。殺人をどうやったら巧妙に隠せるか、それぞれの殺人者が知恵を絞って考えている。十津川警部はあんまり出てこないしトラベルミステリーでもないのだが、西村京太郎に慣れていない人でも面白く読める一冊。 -
購入済み
薬害
今日久しぶりに本のページを開きました、先日テレビでサリドマイドで奇形児として産まれた人達が50歳に
なり其々に色んな道を歩んでいる様子が描かれていました、丁度私達が出産したころです。今73歳の私は涙が流れました、普通の子を育てるのも大変な時自分の飲んだ睡眠薬のせいで奇形児として産んでしまった負い目を子供とシッカリ話し合う事なく母は死んで行きました、白い眼で見る故郷を棄て50年たって帰って見たいと言われた人、故郷の海を眺め待って居てくれてありがとう!と言っていられたのが印象的です。西村京太郎さんが好きで良く読ませて貰いますがこんな分野の事も書かれるんだと新たな思いをしました。46年前の現実をもっと確り見つめるべきですね。