西村京太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
〇トリッキーでもなくありえそうなトリックだが、いまは引退のために実現しない列車も多くてそれが物悲しい。
表題作を含む、5編の短編集。
・列車プラス・ワンの殺人
小学校で殺された会社員。動機のある服部はアリバイがあり、その時間では殺害できるはずもないのだが――この時代でないとあり得ないこのトリックはまさしく「プラスワン」。作者の取材力。
・死への週末列車
列車内で殺された男。動機がありそうな中村は無実の罪を着せられそうになるが、列車が雪崩の影響で止まってしまい――缶の指紋トリックも犯人側の思うつぼになりそうになりながらも最後は容疑者の記憶頼み。ゆぅトピア和倉がとても懐かしい。
・マスカットの証言
東京駅で殺された死体のポケットに「マスカット」が入っていた。同期のある男は岡山にいたがアリバイがあり――アリバイ崩しの基本中の基本。
・小さな駅の大きい事件
指宿枕崎線・西大山駅で殺された加倉井刑事。誰かに頼まれたらしいが、その裏には思惑が――十津川亀井が捜査中止を命ぜられながら、謎を解き犯人を追いつめる姿がかっこいい一作。
・寝台特急六分間の殺意
十津川と直子の電話に割り込んできた会話で聞こえた「六分間」「やる」「六時半」。いったいどの時間のどの列車か?――経験が呼び寄せる勘か?犯人もびっくり。 -
購入済み
初級者向けとしても
短編集なので当たり前ですが、もっと先を読んで見たい!と感じる作品ばかりです。よって、これから、サスペンスを読んでみようと考えている方やサスペンスはちょっとと考える食わず嫌いな方々には入門用のテキストと考えて手に取るのもよいですね。様々なジャンルが詰め込まれているので、自分に合った作品にも出会えるはずです。
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Posted by ブクログ
○幻覚…夢オチではなく、ちゃんとした本当の事件、そして結構根深い
食品会社社長の中山は、心理カウンセラーの小暮に、最近3名の女性から電話がかかってくると相談をした。
その女性たちに共通するのは、
・中山が彼女たちにひどいことをしている
・中山が偽名で接していた(しかも3名とも違う名前で)
・金で解決できるわけでもない
ということだろうか。
小暮は中山を励ますことしかできないが、中山には記憶の薄れている一瞬間が過去あって、どうやらその時期を境にこの課題が発生しているらしいときづく。
女性の一人に求められ振り込んだ銀行口座のある長野に向かうと、長野新幹線上田駅からそれて上田電鉄で別所温泉のある旅館に自然と足が向かった。そこで気づかされたことは…
犯人の思惑と異なり中山が意外とタフであり、警察に頼らないのはよくないかもしれないが自ら何とか解決したいと考えたのはさすが実業家である。その過程で見つけたのは政治家の関与を匂わす事実だ。それと金が結び付けば、ひなびた旅館であっても事件は連想できるが、なかなかそこまでたどり着かせない西村作品。クライマックスは十津川と亀井の絶妙な攻めを読み飛ばさないでほしいところだ。 -
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○文庫初収録の4本。十津川警部やとりまく仲間たちが遭遇する事件を追う
・宮古行「快速リアス」殺人事件
前科二犯の荒木圭介は、盛岡13:51発の快速「リアス」終点の宮古駅で殺された状態で発見された。新たな仕事をしようと掲示板に書き込んだ形跡があるが、ちょうど別件で起きた殺人事件のアリバイ証人として原田健太郎容疑者から指名をされており、十津川は困惑する。
―尊敬する人を殺された復讐。
・湘南情死行
西本刑事は、塚本恵とともに湘南の海のレストランから窓の外を眺めていると、突然ボートが爆発した。いったい誰が。
―爆発の規模感も驚きだが塚本の食い込み具合もいい。
・わが愛 知床に消えた女
元刑事で私立探偵の橋本は、三浦夫妻から娘の亜紀を探してほしいという依頼を受け、知床へ秘書のゆかりと共に行き、聞き込みをするがなんだか町人の反応が怪しい。挙句離島で死亡していた。
―金の亡者。真相に男を思う女の一途さ。
・カシオペアスイートの客
刑事を定年退職した内山は、妻と二人でカシオペア号に乗車した。札幌到着後、1号車で人が死んでしまったことがわかりつい関わってしまうが。
―昔取った杵柄、ベテラン刑事はさすが勘や記憶がさえる
一番好きなのは「わが愛 知床に消えた女」。知床の情景も浮かぶようで、なおかつ一人の女を追いかける担当の執念は、やがて発見へと結びつく。しかし、発見は衝撃とともに、結末へとなだれこむ。
4本ともなかなかの衝撃な結末具合で、全体的には満足。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ短編6話。いずれもやや暗めの短編集。
標題(収蔵単行本)
女をさがせ(誘拐の季節)
夜が待っている(脅迫者)
赤いハトが死んだ(脅迫者)
愛の詩集(歪んだ顔)
死の予告(歪んだ顔)
夜の秘密(夜が待っている,薔薇の殺人)
「赤いハトが死んだ」は暗殺の物語。
「愛の詩集」は,結末をどきどきしながら読んだが,西村京太郎の美学がわかった作品。
西村京太郎の根暗なところが出ているかも。
いじけているわけでもなく、ひがんでいるわけでもない。
前を向いて旨を張って笑えないだけかもしれない。
根暗な人にはお進め。より暗くなることがないところが西村京太郎の技だろう。