西村京太郎のレビュー一覧

  • 特急「しなの21号」殺人事件
    十津川警部の推理が冴える。
    連続殺人事件の先に,詐欺事件があるのかもしれないことが分かる。

    老夫婦を騙して殺したと思われる人達と,その詐欺者達を殺して行く犯人。

    推理小説としての組み立てはしっかりしているし,
    最期は西村京太郎の美学とも思える終わり方。
  • 十津川警部の死闘
    短篇4つ。
    心中プラス1
    処刑のメッセージ
    加賀温泉郷の殺人遊戯
    特別室の秘密。

    最期の特別室の秘密は,十津川直子が活躍する。
    結末の終わり方がちょっと味気ない気もする。
    もう少し説明で描写があると嬉しいかも。
  • 寝台特急「日本海」殺人事件
    大阪から青森へ行く,寝台特急「日本海」が3度出て来る。
    1度は,車掌が殺され,
    1度は,その昔,車掌が列車内で子供の出産に遭遇した昔話として,
    もう一度は,最期に大阪から青森へ向かう,
    そのいずれにも,関係者の早苗が乗っている。

    鉄道推理小説として,起承転結のうち,起結が寝台列車に関連するところが...続きを読む
  • 尾道・倉敷殺人ルート
    日下刑事が両親を,尾道へのバス旅行に招待した。
    バスジャックが起きて,身代金の要求があった。

    不思議なのは,本当にバスジャックがあったかどうかを確かめずに,身代金を渡すところだ。

    参加者の家に連絡がなかったか,他人のふりをして調べるのは捜査の常道だ。

    西村京太郎でも事件を進展させるために捜査の...続きを読む
  • 特急ゆふいんの森殺人事件
    元刑事で,私立探偵の橋本豊が罠にかけられ殺人の容疑で逮捕される。
    十津川警部は捜査協力の名の下,真相に迫ろうとする。

    巧妙に仕組まれた罠。
    何重にも鍵がかけられている。
    1つ一つを解いて行く十津川。

    別府ー博多を一日一往復している特急ゆふいんの森での事件が最大の鍵だった。

    「君の人徳だよ」
    ...続きを読む
  • 寝台特急「紀伊」殺人行
    両親が亡くなり,暗い思いでがある故郷に帰る男。
    同級性が迎えに来ている。

    婚約者が後から来る予定なのに,着かない。

    いろいろな嫌がらせがあり,殺人も起こる。

    東京から亀井刑事と小川刑事が来て捜査に協力する。
    十津川警部は最期の方で電話で指示するだけ。

    十津川警部愛好者には物足りないかもしれな...続きを読む
  • 失踪
    私立探偵の左文字進が主人公の物語。

    左文字の友人の矢部警部が撃たれた。
    入院している矢部から,内密に調査を依頼される。

    矢部の妻の美加が関係しているかもという。

    左文字の妻の史子とともに調査を始める。

    殺人事件と整形手術とがからみあう。

    左文字ならではの展開。
  • 伊勢志摩殺意の旅
    東京で亡くなった人が,亡くなる前に「セコ」という言葉を発していたという。

    伊勢では,「せこ」は路地という意味だということが後で分かる。

    岐阜羽島にある健康食品の会社の実態が新興宗教らしい。
    伊勢をめぐる,事件。

    十津川警部と新興宗教団体との抗争。

    新興宗教の問題点がややあいまいかもしれない。...続きを読む
  • 十津川警部捜査行 北海道殺人ガイド 十津川警部
    北海道を舞台にした殺人事件の5作品を集めたもの。

    十津川警部が活躍するものもあれば,
    殺人者が主人公のような感じのものもある。

    函館本線,北廃止線,石北本線,ブルートレインなどの鉄道が標題になっているものが4つ。

    西村京太郎愛好者のための1冊。
  • 三年目の真実
    鉄道もの以外の西村京太郎の短編集。標題作を含めて8作品所蔵。

    フタバノベルズになってから文庫になった。

    そういえば,西村京太郎の公式ホームページの更新が止まっているとのこと。どうしたんだろう。
  • 十津川警部「悪夢」通勤快速の罠
    十津川警部ものの中では,やや疑問の多い作品。
    殺人事件の犯人だと思われる人をその前に見ていたのに,
    知らないと証言した通勤快速の同乗者。

    恋人に知り合いが一緒にいるとメールされていた。

    殺人事件だから,何があってもおかしくないが,
    軟弱な対応から,殺人にまで至る敬意がうれしくない。

    たしかに,...続きを読む
  • 十津川警部「故郷」
    刑事が死亡し,女性を殺して自殺したと看做される。
    十津川警部が乗り出し,殺人事件であることを立証しようとする。

    亡くなった刑事の故郷を訪れ,事件性を確認する。
    こみいった糸をときほぐしていく。

    北陸地方を故郷に持つ人にお勧め。
  • 河津・天城連続殺人事件
    黒部トロッコ列車の死が興味深かった。
    亀井刑事の息子が車にはねられたところから,
    事件の匂いをかぎとり,捜査をはじめる。

    順においつめ,逮捕する。
    刑事小説の王道を行くような話。
  • 奥能登に吹く殺意の風
    奥能登,京都,日本海と
    「殺意の風」という標題の西村京太郎作品は3つある。
    「風の殺意」というのもあり,どれがどれだか記憶しきれない。

    奥能登に吹く殺意の風は,
    主人公が刑事の北条早苗なので印象深い。

    最初は,ある女性が狙われていたように思うが,
    実際には警察への犯罪の可能性も高くなる。

    結局...続きを読む
  • 十津川警部「告発」
    首相暗殺とヘルメット作成では,ヘルメット作成の方が小さいかもしれない。
    首相と防衛庁だと防衛庁の方が不気味だ。

    「標的」と「告発」ではどちらがヤバいか。
    西村京太郎の遊び心が止まらない。

    小説の上では,なんでもあり。

    最期に内部告発者が登場するのはちょっと安易かもしれない。
    せめて,ヨーロッパ...続きを読む
  • 十津川警部「標的(ザ・ターゲット)」
    総理大臣誘拐事件。
    まさかの大事件。

    社会派西村京太郎がやりたかったことはこれなのだろうか。

    偽の総理大臣をたてて,様々なことをしようとする人がいる。

    十津川警部はじめ,警察官が辞職して,偽の総理大臣を誘拐しようとする。

    男のロマンなのかもしれない。
    壮大すぎてついて行けない人もいるかもしれ...続きを読む
  • 寝台特急「あさかぜ1号」殺人事件
    列車での3つの連続殺人事件。
    常に同じ列車に乗っていた2人。

    一人は刑事で,一人は元金融機関勤務。
    壮大な犯罪が見え隠れする。

    十津川警部の人間性に敬服する。
    犯罪関係者を見逃している部下。

    人を育てるというのはこういうことかもしれない。
  • 十津川警部 影を追う
    社会派を目指した西村の書きたかった話だろう。
    情報管理社会と立ち向かう十津川警部。

    途中から,やけに規制がゆるくなる。
    結論を急ぎ過ぎではないだろうか。

    できれあ,最期の5分の一あたりに加筆をお願いしたい。
  • 南九州殺人迷路
    最初はお見合いの話で始まる。
    政治がらみの殺人事件。

    鹿児島を部隊にした,知事選挙に向けた陰謀。
    政治結社も暗躍する。

    十津川警部の冷静さが光る。
  • 十津川警部 長良川に犯人を追う
    上野公園で,寝泊まりしている人が,火事で亡くなった。
    家がない(ホームレス)と言われているが,家があってもなんらかの事情で帰れない人達もいる。

    現場にいた新聞記者が不審火だと思い,調べ始める。
    火元でなくなった人が長良川について話ているのを聞き,岐阜へ行く。

    記者が殺され,十津川警部らが乗り出す...続きを読む