西村京太郎のレビュー一覧

  • 十津川警部「悪夢」通勤快速の罠

    違った切り口

    この様な内容は初めて読みましたが、今までの十津川警部シリーズとは違い、これはこれで楽しめました。
    また、普段は臆病な主人公が変わっていく様がリアルで怖ささえ覚える部分がありました。
  • 十津川警部「裏切り」

    一気に

    警察署署長と反社会的組織との癒着。
    それが大都市の繁華街の治安を守るためなのか、はたまた自分自身の保身なのか。

  • 十五歳の戦争 陸軍幼年学校「最後の生徒」
    戦中を生きた筆者による回想録であり、なぜ日本が戦争に負けたのか、が記されたエッセイ。先日読んだ「失敗の本質」にも通ずる内容が分かりやすい言葉で書かれていて、読後感は相通ずるものがあった。軽い絶望感、だ。
    日本人なら誰しもが、多少なりとも共感できる部分が書かれていると思う。
    日本人には戦争はむいてない...続きを読む
  • 伊勢路殺人事件(十津川警部シリーズ)
    〇犬と伊勢神宮を巻き込んだ男の覇権争い
    妻・直子におされて、ゴールデンレトリーバーを飼い始める十津川家。そして犬つながりで知り合った小原サービスの社長の犬が、「犬のお伊勢参り」に出発するという。
    そんなとき、木村豊という会社員の男が殺された。BB弾を打つ銃のようなものを持っていて、殺害時刻付近でお伊...続きを読む
  • 阪急電鉄殺人事件
    普段乗っている阪急電車に関する物語が、本屋さんの店頭に並んでいたのが気になって購入しました。

    駅名がいっぱい出てくるのかな?と思ってましたけど、そういうわけではなくメインは阪急電鉄の歴史と創設者・小林一三さんに関わる人物達のお話。

    調べていく内に謎が少しずつ明らかになっていく流れは、ページをめく...続きを読む
  • 十津川警部 仙石線殺人事件
    〇仙石線に殺意を乗せて。海の香りも楽しんでほしいな

    宮城県女川町の海岸に係留されていた客船「グズマン二世号」。東日本大震災の津波に流され沈没してしまっていたが、引き揚げる動きがでてきた。ホテルの運営会社に勤める柏原がまだ遺体が見つかっておらず、運営会社の若宮と柏原の妹・美紀が立ち会う。
    しかし、姉...続きを読む
  • 怖ろしい夜
    ・古くもあるが人生とトリックが詰まった短編集

    どことなく古めかしさをこの作品の空気からは感じる。それもそのはず、1986年に角川書店から単行本が出ており、この本は文庫の改版本として出版された。しかし、感じる古めかしさはそれぞれの話の面白さ、そして恐ろしさによってすぐ打ち消されるのだ。
    六編の短編集...続きを読む
  • 十津川警部捜査行 恋と哀しみの北の大地
    〇北海道の空気感を1冊で感じられるが、メインは事件。読み応えある作品ばかり!
    北海道に関わる短篇集が5つ。

    ・石勝高原の愛と殺意
    十津川警部夫妻への招待券を譲り受けた三田村刑事夫妻は、トマムのホテルに着いたが、謎の手紙が届き――とばっちりからの。

    ・最北端の犯罪
    稚内へ来た記念に札幌開発銀行へ預...続きを読む
  • 十津川警部捜査行 車窓に流れる殺意の風景
    〇人間味も情景もあふれるが事件には変わりない。
    最近出た本だが、若干内容的には古いものも入っている。しかし良さが語り継がれているということだろう。4つの短編集。

    ・臨時特急を追え
    占い師永井の予言に対策したい国鉄総裁の北野は十津川に相談する。そんな中新たな予言が行われ――突飛な発言はどう仕組まれた...続きを読む
  • 歪んだ顔
    推理要素はない作品が多いので
    著者のネームバリューで読むと
    大変痛い目を見ます。要注意。

    結構えぐい作品、救えない作品は多いです。
    結局バッドエンドを迎えるのよね。
    特に死を予告できる人物がたどった悪夢は
    予想通りの結末をたどる挙句に
    救いは一切ないのですから。

    謎解き系ではないので
    本当に要注...続きを読む
  • 十津川警部「狂気」
    途中で解離かなと想像ついたけど、最終的に死んじゃうから、評価はマイナス1。ハッピーエンドである必要はないけど、投げやり感ある終わり方。
  • 東京駅殺人事件~駅シリーズ~
    西村京太郎初期作。いくつかの謎が交わりどうなるかとおもったが、見事に回収。なかなか面白い一作だった。病院のコンビニで買ったけど、良かったな。
  • 失踪計画
    ・十津川が出てこないけど、練りに練られた短編ミステリ小説集

    昭和40年前後に発表された小説たち(あとがきの編集部注による)なので現代人なこの書評を読んでいる方々には実際には読みにくいこともあるし、西村京太郎作品なのに十津川が出てこないことはそれだけでマイナスなのかもしれない。

    ただ、僕はそうは思...続きを読む
  • 十五歳の戦争 陸軍幼年学校「最後の生徒」
    著者には珍しい自伝エッセー。昨今の右傾化に危機感を覚えて書いたということらしい。前半は自身の戦争体験についてで、後半は太平洋戦争で日本が敗れた理由について、著者が考えていることを率直に述べたものである。とても共感する話が多く、実際のその時代を体験された人ならではの重みもあり、とても興味深く読めた。
  • 十五歳の戦争 陸軍幼年学校「最後の生徒」
    百田尚樹の「戦争と平和」を読んだ直後に読んだため、内容がかなり重複していた。だが、中心は西村氏の戦争体験。終戦時は八王子の幼年学校で兵隊の訓練をしていた。貴重な体験をこの年になって書いたのはすごい。
  • 特急街道の殺人
    ◎越中歴史ロマンをめぐる、殺人
    同人雑誌「旅行タイムス」の会員の加東は、編集長の佐々木から依頼され、特集「日本歴史探訪」の第1回の取材として、一乗谷朝倉氏遺跡へ向かう。そこで朝倉麻樹という女性が朝倉氏の生き残りと言ってはばからなかったが、実は加東には見覚えがあり声をかけると、加東のことは知らないとい...続きを読む
  • 外国人墓地を見て死ね――十津川警部捜査行
    ○アメリカに嫁いだ日本人女性の歴史をたどり、不可解な分配の鍵を探る

    西本刑事は大学の同級生女子、篠塚から相談があると連絡を受け、横浜の外国人墓地で待ち合わせをすることになった。しかしなかなか篠塚が現れない中、墓の前で女性が殺された。その女性は篠塚と言うらしく、同姓同名かと思いきや西本が知っているは...続きを読む
  • ミステリー列車が消えた
    ○12両のブルートレインと400人を犯人はどうやって消したのか?まさにミステリー
    ミステリー列車に乗った雑誌記者の津山を見送った乗兼は、到着予定時刻になっても連絡をよこさない津山に不審を抱き、国鉄の大阪鉄道管理局に連絡する。しかし、予定の行程通り、向町運転所に見学者達が来たとして、問題ではなさそうだ...続きを読む
  • 十津川警部 帰郷・会津若松
    ○出所した男は本当に悪かったのか。会津旅情も感じる義理・義憤ミステリー

    12年前に衆議院議員の水谷を殺害した高木が出所した。しかし郷里の会津へ向かい泊まった宿では脅迫状のようなものが置かれる。すると刑期中に手紙をくれた女の佐々木が現れ、一緒に福島市内や喜多方を回ることになるが、共に乗車したSLで尾...続きを読む
  • 郷里松島への長き旅路
    ○墓石の謎を解くと見えてくる、戦時の異常さと男の苦悩。
    雑誌「ジャパン21」でフリーライターをやっている森田は、取材で降り立ったJR松島海岸駅から足を延ばして、奥松島K町まで向かった。すると墓地の中に、ひときわ周りの墓よりも大きい「立川家之墓」がぽつんと立っているのが目に入る。立川勝利氏が関係してい...続きを読む