西村京太郎のレビュー一覧

  • 寝台特急(ブルートレイン)殺人事件~ミリオンセラー・シリーズ~
    初の西村京太郎。久しぶりにアリバイ崩しを読んだ。
    アリバイ崩しはある程度最初の方で犯人が分かってしまうので、いかに強固なアリバイを崩すかが問題となり面白さにかかわる。
    僕としては本作よりは「点と線」の方がアリバイが崩される過程や描写がよかった。
  • ミステリー列車が消えた
    なるほどなるほど、そうやって消えるのか。

    西村京太郎、“電車のミステリー”っていうイメージが強烈で、時刻表の隙間をついて殺人事件が…というお決まりのパターンだと勝手に思っていた関係で正直あまり興味がなかった。縁あって初めて読んだ(借り物だけど)けれど、結構おもしろかった。

    さすが巨匠。

    機会が...続きを読む
  • 東京湾アクアライン十五・一キロの罠
    職安(はろーわーく)通いの中年の男性が殺される。
    そこから,東京湾アクアラインでの事件までの飛躍がわからない。
    お金目的なら手が込みすぎているし,逃走経路が杜撰。
    海外に逃亡するなら,事件中に逃亡し,
    スイスの銀行にでも振り込まないとうまくないのでは?

    なぜ仲間を殺し始めるのかもわからない。
    しっ...続きを読む
  • 上野駅殺人事件~駅シリーズ~
    土曜ワイド劇場で西村京太郎サスペンスを何度か見ているうちについに原作にも手を出してみた。
    予備知識なしにタイトル買い。毎日通過している「上野駅」に惹かれて。
    舞台は民営化前、しかも東北新幹線が上野まで開通する直前の物語。
    一瞬、古すぎる!と思ったが。
    昔のドラマや映画の街並みが記録映像的価値があるよ...続きを読む
  • 門司・下関 逃亡海峡
    無実の疑いから逃れるために逃亡、韓国に一番近い対馬も舞台に、最後は自分の意志で自供、ちょっと変わった一冊。
  • 萩・津和野に消えた女
    やや納得感のない展開。
    証拠がない時点で、警察が発表するのは違和感がある。

    実際の警察ではあることなのかもしれないが、
    十津川警部が実行するとは思えない。

    十津川警部に子供がないことの悩みの現れなのだろうか。
    あるいは西村京太郎の悩みが表出しているのだろうか。

    作品としての出来とは別に,構成,...続きを読む
  • 五能線の女
    トラベルミステリーの大御所、西村京太郎先生の作品を、実は本で読んだことがなかったことに今頃気がついて、何から読もうかなぁ~と古本屋さんにずらりと並ぶタイトルを見ていたら、「五能線の女」というのがあったので、迷わずこれに決めました。
    実は先日、20年ぶりに五能線に乗ってきたばかりだったからです!

    西...続きを読む
  • 十津川警部とたどる時刻表の旅
    一時期、私が夢中になって読んでいた作家の一人である西村京太郎さんが、ご自身の作品を振り返りながら、主人公の十津川警部が辿った場所や、トリックについて回想されている書籍です。時刻表のトリックがとても楽しみでしたが、新幹線が整備されるとともにトリックの構想を練られるのも難しいことが読み取れます。
  • 十津川警部 南紀オーシャンアロー号の謎
    ○3つの別な動きが収束して事件が起こる。きれいな決着はすっきり

    外務省の中田は、アメリカ大統領の命により駐米大使となることが決まっているウィリアム・コテッティ一家の私的な日本国内旅行に帯動することになった。秘密裏な旅行であるから警察もいない。はじめは京都から、和歌山の串本へ行きたいといい、中田はそ...続きを読む
  • マンション殺人
    ○死体たちがマンションで見つかった意味とは。結末は悲しい家族物語へ

    マンションのモデルルームで見つかった男の死体。直前まで見学していた彼は、同じく見学していた他の複数人に事情を聞くがわからない。名刺の肩書きや名前も大手企業の岡崎を騙っているようだし、品川署の田島刑事は困り果てる。
    一方、これから入...続きを読む
  • 伊豆の海に消えた女
    よく5年も前の事件を掘り起こすことができるな、と思うけどな・・・

    あるサラリーマンが、休暇をとろうとして「踊り子3号」に乗り込む。踊り子では一人旅と思われる美人なお姉さんがいたら、そりゃ話しかけてしまわない気持ちがしないでもないが、でもそれが事件のきっかけになるとは誰も思っていません。

    逃走...続きを読む
  • 金沢加賀殺意の旅
    「古都加賀」と表現するのは西村氏のこだわりだろう。
    もう少し加賀の有名どころが登場してもよかった。

    ただ、ストーリー自体は犯人だろうが犯人だと断定できない女将をめぐってどんなことがあるのかを探っていくと答えにぶつかってきた、というストーリー。
    そこにうまく政治がからんでくる西村作品はあなどれ...続きを読む
  • 十津川警部 紀伊半島殺人事件
    シーサイドビューとシーサイドホテルの二つのホテル。
    シーサイドビューは倒産してしまったが、シーサイドホテルにはそのお客が来る。

    そんな中、二つのホテルに関係する人々が次々と死んでしまう。
    二つのホテルの関係は?そして事件の真相は??

    名コンビが今回は苦戦。
    でも現場を見直すとヒントがで...続きを読む
  • 八ヶ岳高原殺人事件
    娘を殺された腹いせに、被害者の周辺の人間を次々と殺していく父親の話。
    どこを探しても手詰まりで、読者も文の向こう側も冗長と感じている場面はありますが、最後の追い込みは毎度ながらスピード感がありました。
  • 九州特急「ソニックにちりん」殺人事件
    回収できていない伏線は気になりましたが、ストーリー的にはかなりのおもしろさ。やはりこの人は、社会の黒いところをからめるのがうまい。
  • 終着駅(ターミナル)殺人事件~ミリオンセラー・シリーズ~
    茨城県人にとっても上野駅ってのは終着駅なんだよね常磐線の。山手線の中でも上野日暮里は他とはなんか違うって気持ちよく分かる
  • 行先のない切符
    ミステリーかと思っていたんだけど、どちらかというとサスペンスとかドキュメンタリーに近い。
    ひとりの人間の過去や、心の内を追うような話が多く、大抵は後味が悪かった。「刑事」とかは、ここまで救いがないのかと思った。主人公を追い詰め、不安をあおり、誰ひとりとして救われない実に後味の悪いラストを見せつけてく...続きを読む
  • 黙示録殺人事件
    旅行しない十津川警部シリーズ。初期の頃にはこんな重厚な作品もあったのかと驚かされる。紋白蝶の群れの中で自殺する若者。どの顔にも苦しんだ様子がない。1980年にカルトを先取りして警告していることを考えるとなかなか興味深い。ストーリーにも起伏があり、最後まで飽きさせない。人は死に際して苦しむのが当然だと...続きを読む
  • 脱出
    サチオの逃亡に便乗して利用しようとする者、純粋に逃亡を助けようとする者。サチオの気持ちを考えたら切なくなった。
  • 華麗なる誘拐
     ある日首相官邸に1本の電話が入る。それは「日本国民1億2千万人を誘拐した。身代金として5千億円の支払いを要求する」というバカげたものだった。
     しかし、身代金の支払いが行われないために、みせしめとして人質である国民が殺されていく。助かりたければ身代金の支払いに国が応じるか、個人で安全を買いたい者は...続きを読む