西村京太郎のレビュー一覧
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〇犬と伊勢神宮を巻き込んだ男の覇権争い
妻・直子におされて、ゴールデンレトリーバーを飼い始める十津川家。そして犬つながりで知り合った小原サービスの社長の犬が、「犬のお伊勢参り」に出発するという。
そんなとき、木村豊という会社員の男が殺された。BB弾を打つ銃のようなものを持っていて、殺害時刻付近でお伊勢参りの犬とみられるゴールデンレトリーバーが目撃されていて、関連を調べ始めると、小原サービスと、黒田勲率いるジャパン物流が競い合っている様子が浮かんできて・・・
殺人事件を起こしながら行なう、男同士の熾烈な争い。三上刑事部長にすら、仮説ばかりとなじられたが、十津川は粘り強く伊勢に足を運び、まとわり -
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〇仙石線に殺意を乗せて。海の香りも楽しんでほしいな
宮城県女川町の海岸に係留されていた客船「グズマン二世号」。東日本大震災の津波に流され沈没してしまっていたが、引き揚げる動きがでてきた。ホテルの運営会社に勤める柏原がまだ遺体が見つかっておらず、運営会社の若宮と柏原の妹・美紀が立ち会う。
しかし、姉の遺体が明かされない美紀は憤るが、姉の船の部屋からプラチナが出てきたことがきっかけで美紀が事件に巻き込まれてしまう。
一方、東京・青梅の病院に千石という謎の女性が入院している。しかし突然襲われたことをきっかけに十津川警部が調査を始める。2つの事件には思わぬ共通点が見つかり、宮城県警と合同捜査をするこ -
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・古くもあるが人生とトリックが詰まった短編集
どことなく古めかしさをこの作品の空気からは感じる。それもそのはず、1986年に角川書店から単行本が出ており、この本は文庫の改版本として出版された。しかし、感じる古めかしさはそれぞれの話の面白さ、そして恐ろしさによってすぐ打ち消されるのだ。
六編の短編集だがそれぞれに濃密で一筋縄ではいかない、トリックと人生模様が表現されるのを見逃さないでほしい。
○夜の追跡者
明子にプロポーズしたが「半年待って」の発言に、秋山はいぶかしがる。しかし誘った夜、明子のマンションに行くと明子の死体があって…明子の上司が犯人とにらむ秋山だが、事実はもっと奇なり。
○怠惰 -
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〇北海道の空気感を1冊で感じられるが、メインは事件。読み応えある作品ばかり!
北海道に関わる短篇集が5つ。
・石勝高原の愛と殺意
十津川警部夫妻への招待券を譲り受けた三田村刑事夫妻は、トマムのホテルに着いたが、謎の手紙が届き――とばっちりからの。
・最北端の犯罪
稚内へ来た記念に札幌開発銀行へ預金をした西本刑事。しかし東京に着いた後部屋が荒らされ――荒らされた理由が思わぬところにありつつ、そこから事件解決の糸を手繰り寄せていく。
・愛と孤独の宗谷本線
娘を殺された復讐をしたい辻村と、行きずりに出会ったリサ。しかし稚内までの鉄路の中リサが怪しい行動をとり――いくつもの糸が最終的に一本にまと -
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〇人間味も情景もあふれるが事件には変わりない。
最近出た本だが、若干内容的には古いものも入っている。しかし良さが語り継がれているということだろう。4つの短編集。
・臨時特急を追え
占い師永井の予言に対策したい国鉄総裁の北野は十津川に相談する。そんな中新たな予言が行われ――突飛な発言はどう仕組まれたものだったか?
・東京―旭川殺人ルート
小鳥を飼う女・白石が気になる西本刑事。その周辺で殺された小坂井・畑との関連性も疑うが――西本刑事の恋慕の情は叶うのか。
・夜の殺人者
共にホテルに入った行きずりの女が殺害されて戸惑う日下。しかし監察医の話を聞いた十津川は――一見当然だと思う内容が覆される根 -
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ネタバレ・十津川が出てこないけど、練りに練られた短編ミステリ小説集
昭和40年前後に発表された小説たち(あとがきの編集部注による)なので現代人なこの書評を読んでいる方々には実際には読みにくいこともあるし、西村京太郎作品なのに十津川が出てこないことはそれだけでマイナスなのかもしれない。
ただ、僕はそうは思わない。なぜなら、西村氏はもともとハードボイルド小説が得意で、江戸川乱歩賞を受賞した「天使の傷痕」も十津川は出てこない。
今昔で作品のスタイルがかなり違うことも、西村氏を精読するうえでは押さえておきたいポイントである。
〇失踪計画
自分のうだつの上がらなさと昇進させない課長へのいら立ちが募ってい -
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◎越中歴史ロマンをめぐる、殺人
同人雑誌「旅行タイムス」の会員の加東は、編集長の佐々木から依頼され、特集「日本歴史探訪」の第1回の取材として、一乗谷朝倉氏遺跡へ向かう。そこで朝倉麻樹という女性が朝倉氏の生き残りと言ってはばからなかったが、実は加東には見覚えがあり声をかけると、加東のことは知らないという。その後すぐタケイという男へ連絡をしはじめる。
一方、十津川班はゲームクリエイターの武井が殺された事件を追っていて、新聞記事を見た加東が相談に訪れる。その加東の証言を追い実際に富山へ向かうと、いろいろな事実がわかり、どうやら武井の部屋にあったフィギュアに似た女性が富山で殺されたようだが、それはいっ -
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○アメリカに嫁いだ日本人女性の歴史をたどり、不可解な分配の鍵を探る
西本刑事は大学の同級生女子、篠塚から相談があると連絡を受け、横浜の外国人墓地で待ち合わせをすることになった。しかしなかなか篠塚が現れない中、墓の前で女性が殺された。その女性は篠塚と言うらしく、同姓同名かと思いきや西本が知っているはずの篠塚と同じ住所だった。ところが西本は知らない顔の人だった。神奈川県警の川口警部とも捜査連携しつつ、篠塚の死んだ墓がケイコトーマスと言うアメリカ人に嫁いだ日本人女性だったことから、ケイコトーマスについて調べはじめると、いま相続人を探しているという。その相続人と思われる男性が東京で殺されたことから、 -
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ネタバレ○12両のブルートレインと400人を犯人はどうやって消したのか?まさにミステリー
ミステリー列車に乗った雑誌記者の津山を見送った乗兼は、到着予定時刻になっても連絡をよこさない津山に不審を抱き、国鉄の大阪鉄道管理局に連絡する。しかし、予定の行程通り、向町運転所に見学者達が来たとして、問題ではなさそうだが、依然彼が来ないことにはかわりない。
一方、十津川は国鉄総裁の木本に呼ばれて国鉄事務所に行き事態の深刻さを知る。実はミステリー列車が全く現れなかったのだ。じきに、現金10億円が身代金として要求される。
250メートルにも及ぶブルートレインと400人の乗客はいったいどこへ行ってしまったのか。
ネタ -
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○出所した男は本当に悪かったのか。会津旅情も感じる義理・義憤ミステリー
12年前に衆議院議員の水谷を殺害した高木が出所した。しかし郷里の会津へ向かい泊まった宿では脅迫状のようなものが置かれる。すると刑期中に手紙をくれた女の佐々木が現れ、一緒に福島市内や喜多方を回ることになるが、共に乗車したSLで尾行していた男と思われる人物が殺されたと聞き…!?
出所や、当時殺害した動機を吐かなかったことを気にしていた十津川はじめ捜査一課は高木が関係していることに色めき立ち、高木の出自や行動から会津出身の中野竹子が関係していることに気づく。同様の雰囲気を持つ女性を探していると、今度は高木が失踪してしまうが、い -
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○墓石の謎を解くと見えてくる、戦時の異常さと男の苦悩。
雑誌「ジャパン21」でフリーライターをやっている森田は、取材で降り立ったJR松島海岸駅から足を延ばして、奥松島K町まで向かった。すると墓地の中に、ひときわ周りの墓よりも大きい「立川家之墓」がぽつんと立っているのが目に入る。立川勝利氏が関係している墓ということはわかったものの、住職や町長に聞いてもあまり多く立川家に関する情報が得られない。すると、その立川勝利が東京で殺されたというニュースを目にし…
一方、立川の殺人事件を追っていた十津川は、森田と連携して立川が殺された謎を探そうとする。一千万円の預金があることを突き止めるも先に進むことがで