西村京太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昭和56(1981)年度日本推理作家協会賞長編部門受賞作。西村京太郎のトラベルミステリーとしては3作目で、恐らく最も有名な作品といえるだろう。
3度ドラマ化されているため、私も見たことがあるのだが、ドラマ版は結末が異なっていた。
まず本作で描かれる上野駅が纏うイメージが私の持つそれとは全く異なる時代性。東北新幹線も開業前で、「上野駅に行けば故郷を感じられる」旨が複数の登場人物から語られる。その感覚がとても不思議、というか。発刊当時は共感を呼ぶ概念だったのかもしれない。もう40年も前のことである。
設定と展開は、今読むと多少強引にも思える。まあ今は没交渉になっても割と簡単に連絡がつく時代だから、とも思う。
西村京太郎本人は自選のベスト5には本作を選ばず「寝台特急殺人事件」を選んでいる。確かに、「トラベルミステリー」としての構成自体は恐らく「寝台特急殺人事件」のが技巧的なのだが、いかんせん大がかりすぎて若干説得力に欠けた。本作も「動機が弱い」と言われそうではあるのだが、こんなにもやるせなく人間臭い動機こそが人を凶行に駆り立てるのだ、と考えると、どことなく切迫した苦しさを感じる。
ただトリックは「そこかよ!」となるやつではあるしいささか強引。あと、2つの物語を強引に結んでしまっているのが微妙に感じる。いかにも小説っぽい。まあ、小説なのだけど。 -
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寝台特急「銀河」殺人事件
1970年の大阪万国博覧会へ寝台急行「銀河」で往復したことを思い出しました。当時、ホテル・旅館が一杯で宿泊が出来なかったので寝台急行で往復したと父親から聞いたことがあります。当時は小学校6年生で大人料金になる前に強行したようです。確か当時の車両は20系ではなく10系だったような気がします。また、A寝台だったと記憶しています。当時は東京から北九州の親戚のところ毎年のように寝台車で訪ねていました。小学校の私が一人でお金を持って新宿の緑の窓口に歩いていって6時過ぎ頃から並んでいたのを思い出しました。各地に走っていた寝台車も電車のサンライズのみとなり大変寂しいこととなりました。また、10時間以上かけて九州・北海道へ走って行く特急・急行等が復活するとよいですね。本の内容には触れませんでしたが大変懐かしく・古典的となったトリックも大変面白かったと思います。
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Posted by ブクログ
【七人の証人】
先日逝去された西村京太郎氏の著書です。
京太郎氏お得意の鉄道ものではなく、でも戸津川警部が出てくる作品。
ある傷害事件で有罪とされ、獄中に病気により死去した息子のために、その父親が当時の証人を集めて真実を暴こうとする推理小説です。
集め方は無茶苦茶、場所もどうやって運んだんだという無人島、でもそこには事件の舞台となった街が再現されている、というものですが、その父親が一人ひとりに真実を話してもらう展開はなかなか面白いものです。
最後はスカッとします。
次は鉄道ものにします。中学の頃、よく読みました。
#西村京太郎 #戸津川警部シリーズも好き #七人の証人 -
Posted by ブクログ
〇若手官僚の失踪に殺人がどう関係するか?!
旅行会社勤務の牧野は、大学同級で内政省勤務の白石と連絡が取れない、と妻で大学同級の麻美から連絡を受け、出かけたと思われる富山県の宇奈月や黒部周辺へと、2人で探しに出かけることになる。
宇奈月温泉に1泊した2人は翌日、黒部峡谷鉄道に乗って白石を探しに行くが、終点の欅平駅では女性が何者かに殺されたと知る。そしてそこで牧野が出会ったのはこれまた大学の同級で、中央新聞記者の大久保。なんでもその殺されたのは中央新聞記者の川野だったということだ。
そして十津川・亀井も、内務省大臣と白石の関係が深いという理由で川野が白石を追っていたことから、この事件を追いかけ始める。内務省大臣の不祥事を、若手官僚の白石がかばったことから、その不祥事を警察が立件できなかったということがあり、大河原大臣・白石・川野の関係を鑑みて、警視庁が富山県警と内密に捜査連携をすることになり―――
***
黒部峡谷鉄道の終点である欅平で誰が川野を殺し、どうやって逃げたか。不審者が帰りの列車に乗っていた形跡はなく、殺した後どうやって逃げおおせたがが焦点であったがなかなか見つけられない。
そんな最中、大河原の秘書の佐々木から、牧野は「白石を富山市で見た、と言え」と言われ、協力するつもりで噂を喧伝したが、それを何かのサインだと感じた十津川たちはどのような行動に出たか。
表紙カバーに写っている富山の雄大な山々が随所に出てきて、読み進めていて清々しい。一方で事件自体は混迷を深めるのだが、十津川の見事な推理で進んでいくのは例に漏れず気持ちがよい。
ラストは、十津川の大岡裁き、ですな!どのように犯人を追い詰めるのか、ぜひ最後まで楽しみに読み進めていただきたい。
この本は、おそらく話の内容だけ考えれば、富山宇奈月殺人ルート、と言っても差し支えないのだろうが、富山地方鉄道の長距離かつ丁寧に地元貢献を果たしてきた役割への著者の最大の賛辞と言っても過言ではないだろう。 -
Posted by ブクログ
○鉄道トリックに舌を巻け!な短編集
タイトル通り、北国関連の殺人事件を十津川が追う短編が4本収録されている。
・おおぞら3号殺人事件
亀井刑事の姪、典子が、通産省事務官の花井とデートに北海道へ向かう。婚前旅行だ。
一方、時を同じくして千歳空港周辺で殺人事件が発生。容疑社宅には花井の写真があり…!?
鉄道の面白エピソードをうまく使ったトリック。あらすじにのっている内容の、いわば表題作品か。
・新婚旅行殺人事件
小川刑事が新婚旅行に向かう特急やまびこの車中で爆破が起こった。妻幸子が何者かに殺されてしまい途方にくれる小川。犯人の目星をつけた亀井と小川は辻宅に飛び込むが殺されていて…
車両の使い方が時間を生み出す。
・恐怖の橋 つなぎ大橋
盛岡のつなぎ温泉にかかる繋大橋は幽霊が出るらしい。そう聞いてやってきた男女も次々に殺されてしまう。その中に元刑事の中川がいることを知った十津川は、中川の追っていた事件に目をつけ…
意外と動機は金ほしさ。
・快速列車ムーンライトの罠
新潟の弥彦温泉に泊まっていた小室が殺された。容疑者は妻と愛人。しかしどちらにもアリバイがあり…
読者の目をかいくぐった結論。
他の本で既出のものも多いが、鉄道トリックがほとんどで読みごたえある短編集だった。 -
Posted by ブクログ
〇よく練られた秀逸な事件ばかりの短編集。
東海道周辺で起こった5編の短編集。
・運河の見える駅で
香取めぐみが人気のない公園で殺された。彼氏の田代は亀井の捜査に対し、運河の見える駅へデートに行ったと証言した。めぐみがその運河で見たものとは…
鶴見線(海芝浦支線)・海芝浦駅が舞台。現地に行ってみるとより目撃したようなことがわかるだろう。
・死を呼ぶ身延線
私立探偵・橋本豊の父、橋本晋作が、東京の豊宅を訪ねた直後身延山へお参りに行くといったが、富士川に近い井出というところで溺死した。静岡県警は自殺と断定したが豊は諦めきれない。自分が原因かと想起した豊は、十津川が追っている事件との関連があると考えて相談すると…
安西は安西でも別の安西…。なお、身延山久遠寺は日蓮宗。
・殺人(ころし)は食堂車で
俳優の田原伸一郎が、寝台特急「富士」の食堂車で殺された。コーヒーカップに入っていた青酸カリが原因だが、田原が殺される動機が腑に落ちない。同行していたマネージャーの矢木に話を聞くと…
何気ないファンの行動に目をつけ、一筋縄でいかぬトリックに仕立て上げた。
・長良川殺人事件
長良川で男女二人が心中しているのが見つかった。同じ新橋の高木法律事務所で働く木村と北原だった。岐阜県警の土居は疑念を抱くが、同じく高木法律事務所の小林が若いホステスと心中していたことから、合同捜査が始まり…
山下鵜匠の話がありがたい結果に?引き金に?
・十七年の空白
十津川の大学の同窓の曾根まゆみ(現:広田まゆみ)が、夫でこれも同窓の広田収が逮捕されたとして助けを求めてきた。なんでも、大阪のラブホテルでSMクラブの女性を殺害した容疑だという。十津川なりに調べていると、東京でも第三の殺人が起きてしまい収は釈放されたが…
十七年経つと人は変わる、ということ。