西村京太郎のレビュー一覧
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初の西村京太郎作品
この推理小説、あの「阪神淡路大震災」の直前に、しかも正月番組としてTBS系列で放映されましたね。故・渡瀬恒彦氏の「十津川警部」役がとても格好良かったですし、かたせ梨乃さんの「十津川直子」役もとても素敵でした。それにしましてもこの推理小説に推理小説に登場しています「竹内耕三」と言う殺人犯、山本鈴美香先生の「7つの黄金郷」に登場しています「紅蜥蜴」やあしべゆうほ先生の「クリスタル☆ドラゴン」に登場しています「邪眼のバラー」同様、誰もが殺したくなるキャラクターですね。「トワイライトエクスプレス」の車内で大胆不敵な殺人予告をした上に「十津川直子」を誘拐し、「広池久里子」と言う女性を殺害しましたから。とにかく「十津川直子」が無事で嬉しかったです。
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購入済み
😖解らん!
不可解な行方不明からバラバラ死体発見となって、十津川警部達の必死の捜査があり、最後の犯人の自殺?でなんとなく納得しなくて?まさかの最悪の結果になり殺された人達の何故(?_?)自分が!痛み感じる複雑怪奇な小説でした!
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ネタバレ著者の作品としては考えさせられる
すごくグッとくる作品です。
人は権力、組織に弱いということ
そしてたとえそれが「おかしい」と思っても
巨大な組織の「そうでない」で事実は霞んでしまうのです。
一人の少女の自殺から始まった事件。
そこに絡んでいたのは明らかに不都合な事実を隠す
巨大コンツェルンの姿でした。
一見するとある大作家のような
不条理は…と思うでしょう。
でもね、実はこの結末の前にも
この終わり方を示唆するような描写が
あったわけですよ。
確かに一度は逆効果になったけど
一番割を食う人たちが目を覚ましたら…?
その場合はね。
今ではこういう声は上げやすい時代。
でも昔は… -
Posted by ブクログ
ネタバレ交通系アリバイトリックの醍醐味がこの本に込められているようです。
・・・といっても、アリバイが出てくるのは1と2だけですが。
1)表題作「十津川警部の怒り」
プロ野球解説者の早田が甲子園球場近くで殺された。直前まで新幹線で会っていた十津川は早田のライバル・小笠原を疑いアリバイトリックも見破った!かに見えたが、裁判で崩されてしまい。
交通系アリバイトリックの醍醐味がこの話には込められているよう。十津川がひっくりかえされたトリックをどう巻き返すのか注目!
2)快速列車ムーンライトの罠
新潟の弥彦温泉に泊まっていた小室が殺された。周囲を調べていくと容疑者は妻と愛人。どちらも十分な動機、しかしどちらにもアリバイがあり…
十津川ならこういう発想しないとね!見事なアリバイ崩しでした。
3)禁じられた「北斗星5号」
十月十日に死ぬと宣言している小田ひろ子に帯同して北斗星5号に乗った十津川の妻
・直子。並行して小田のことを調べていた十津川は、小田が過去友人を亡くしたときの記事を知り。
小田の特徴を具にとらえた十津川の、その観察眼が最後解決へと導く! -
Posted by ブクログ
〇神戸が舞台の殺人事件。女優が殺された理由とは
女優の及川ひとみが、撮影会場に現れず、神戸異人館で永井清太郎という男と一緒に殺されていたことがわかった。マネージャーの高田は失意のうちに、複数の男女が及川の家を訪問したいということを知る。
その中の大学教授の白石が、及川が仏像が好きだと教えてくれ、だるまの中に「隠してある」仏像を見つける。それを貸金庫に置かせてもらったが、高田も何者かに襲われてしまう。
十津川班は、及川と永井がそれぞれ仏像でつながっていることに目をつけ、操作を始めようとした矢先に、大学教授の白石がカンボジアで殺されたと聞き、ますます疑惑は確信を深めていく。
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ベトナムを日本が占領下に置いていた時代にどのようなことが行われたのか、その時代考証もさることながら、現地にいた人間の心情を日記に起こして吐露しているところに、作者の取材力を感じる。
ベトナムで日本人がひどいことをしたかどうかはここでは置いておくが、仏像にゆかりのあった日本人であれば守りたいがために実行してしまいそうなことではある。ただそれを金儲けのために使い、ましてや殺人事件を起こしてしまうことはもってのほかであるのだが。
最終的には関係者がみんな死んでしまい残ったのは悪党だけ、という構図にはなってしまうのだが、十津川の見事な裁きに感服するばかりだ。 -
購入済み
考えさせられる
親や弟を思う現職刑事。その弟もまた、同じく親や妹を思う。そしてそんな子供達が心配な親。家族それぞれが家族のためにという思い。刑事でありながら家族を思うばかりに辞表だけを残して姿を消した刑事。
そして、そんな家族を待ち受けていた罠。
冒頭から引き込まれ一気に読破しました。 -
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〇流鏑馬に秘められた謎の殺人の理由とは…?有名俳優を親に持つ子の復讐を十津川が追う
そこにあった文字は、「陰陽」だったーー
京都の和風旅館で坂本京子が殺された。交友関係を調べていると、今度は東京で石井一也が殺される。なんでもラスベガスのカジノへ旅行に行っていた4名のグループが共通項だったという。そして、その2か所には共通して「陰陽」の文字があった。
東京の初動捜査にかかわった十津川はすぐに関連だと思い、捜査に入る。
残りの2名の反応から鎌倉八幡にヒントがあることに気づいた十津川と亀井は、鎌倉八幡の祭りで俳優・永谷礼一郎が流鏑馬で失敗したことを知る。そして、その後アメリカで航空事故で死亡していたーー
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4名のグループが、何か悪だくみをするグループになっていったことは、この後だんだんと明らかになっていくのだが、このストーリーはもう少し先に進んでいく。
その悪だくみをするグループの人から殺されていることから考えると、もしかしてその悪だくみをするグループの人が殺人を犯したわけではないのではないのか・・・と思わせつつも、犯人グループ候補の人たちが口を割らないので先になかなかすすんでいかない。
そんなときに強い、十津川たちの足を使った捜査である。
ぜひ何が真実で、だれが犯人なのか、その目で確かめてほしい。
比較的短い時間で読めるものの、読み応え・考えごたえのある一作だ! -
Posted by ブクログ
○青森~函館追跡ルート というタイトルの似合いそうな現代的な西村小説
十津川、AIに苦労する、の巻
と思いきや、そんなサブタイトルだったら将棋かな、と。
ちゃんとしたいつも通りの、否、いつもよりも真実になかなかたどり着きにくい謎解きであった、と総括してもよいだろう。
ある研究所に勤めていた池戸さんが失踪した。
両親から連絡がつかないと相談をうけた私立探偵の橋本は、彼女の残した手がかりを元に青森県・下北へ行き捜査する。
そのうち、その研究所にいた職員・青田が殺され、何か匂うと感じた十津川班は、橋本の名刺を見つけ、共に犯人を追うことになった。
橋本も十津川班もそれぞれ真犯人と池戸を追うが、果たして見つかるか。
そして真犯人とは?
=#=#=#=
途中、思わぬ刺客というか客がいて池戸の黒幕なのではないかという読者の(いや、わたしだけだろうか?)疑いは晴れる。
話を聞いていてもそんなに健気に仕事に取り組む、その姿勢は見習いたい。
しかしそうすると誰が犯人か?確実にあの人しかいないという確信を、読者は一頁ずつ深めていく。そしてその結末や犯人の発覚も、いかにもITっぽいというか、今までの西村作品でも何人でてきたかという残忍さ、用意周到さである。
しかし、策士策に溺れる、とは十津川班が思ったことであった。
AIやロボットの開発が佳境に差し掛かっているなか、情報産業業界の横やりもなく出版するのが西村京太郎だろうか。
無論なにを書いているのかというクレームもおそらくあるわけでもないだろうし、むしろIT産業への関心を深める一助にすらなっているのかもしれない。
ともあれ、いままでにない視点の小説で面白く読める人が大多数のはずだ! -
Posted by ブクログ
○主題と関係しつつ、十津川の推理と行動力が光る一作
出だしは、全く見えない殺人だった。
あるホテルの屋上で首を絞められて殺された荒井。能を直前まで舞っていたという情報もあるが、越前・金沢の能舞だということが調べによりわかる。
一方、すぐ近くのホテルにラテンアメリカの大統領が来日していたが、ちょうどホテルの部屋から舞が見えることがわかり、関係があるのではないかと探る十津川たち。すると、首相補佐官の一人が圧力をかけてきて…
=・=・
このあと、当該のロハス大統領が秘書と共に金沢を訪れるが、十津川はさらに疑念を深める。警察庁の外事課も動くなか身動きも取りにくいが、現地の警察とともに真実にたどり着こうとするのは、彼なりの気迫だろう。
普通は、圧力がかかるとどんな手を持ってても手出しできないのが警察官の特徴だと思っているが、唯一、十津川は例外なのかもしれない。
今回のような十津川みたいになりたい、と警察官試験で話せばたちまち、不合格を食らうこともありうるのだろうか。
そのくらい、警察上層部や首相補佐官が舌を巻く働きを、十津川たちは見せたと思う。
かなり難解な事件。
ロハス大統領という強大な勢力に立ち向かいながら(悪者ではないのだけど)謎解きをしていくが、実際には違う方面から現れた真犯人。そのタイミングも絶妙で、読みながら結末まで読み流せない一作になった。 -
Posted by ブクログ
〇北海道の寒さや遠さ、そして殺人者たちの刹那さが伝わってくるような、短篇集
・殺意の「函館本線」
川島刑事が函館で死んだ。函館本線の2つに分かれている線のうち、西側の線沿いに無くなっていた。十津川は、川島がある事件を調べているのを知り…「2つに分かれている」という時点で何らかのトリックがあると気づくに違いない。
・北の果ての殺意
釧路行快速ノサップが横転した。運転手曰く、目の前に光源があり何かに乗り上げた、というが…思わぬ人が犯人。
・哀しみの北廃止線
元刑事の橋本は幸福駅の切符を買ってきてほしいという依頼を受け向かうが、渡そうとするとそこには北条刑事ほか十津川班がいて…!?愛情と復讐の物語。
・愛と裏切の石北本線
首都高速で爆発した車に乗っていた男が持っていたポラロイド写真。土地問題と推理する亀井だったが、特急オホーツクで怪しい男が殺され…ミイラ取りがミイラに?
・最果てのブルートレイン
妻の仇をうつために乗った急行「天北」の車内で「助けて」と言われて気になる矢代。十津川たちはその矢代を追うが新たに殺人事件が起こり…。正義感のなせる。
どれも北海道の雄大な、かつ涼しげな空気感の伝わる話ばかりだ。
その中にあって十津川たちの推理が冴える!気持ちのいい謎解きばかりだ。 -
Posted by ブクログ
敗戦時15歳だった著者が、戦争前後の体験や思いを語るように書き下ろした本である。著者は歴史学者でもルポライターでもなく、言わずと知れたミステリー作家であり、語られることはあくまで個人的な回想である。しかし語られる体験が個人的だからこそ、戦争が「兵士」としての人でなく。生身の人間の普通の人生を如何に破壊したかが、具体的にわかる。また、各国の戦闘機の数、生産能力の比較などは文献から引用していて信頼できる
こんなエピソードが語られている。本の副題にもある通り、著者は陸軍幼年学校「最後の生徒」であるが、「陸幼」は陸軍士官学校、陸軍大学校へと繋がるエリートコースである。当時「隣組」という住民組織があったが、「陸幼」に受かった者が自分の組から出るだけで、組長は鼻が高い、というほどだった。そこに合格するほど優秀な著者だが、戦後の混乱で、大学には行っていない。様々な職を転々とした後、通信制の大学で学ぼうと思い立ち、仕事の休み時間に願書を提出に行く。ところが途中の交差点で、車も走っていないのに全ての信号が赤になっていて、そこから先へ進めない。その場にいた警察官に詰め寄ると、マッカーサー一行が「お通りになる」ので、それまで道を空けているのだと言う。結局願書提出は間に合わず、その日が提出期限の日だったため、著者は「マッカーサーのせいで大学に行きそこねた」のだった。
こうした個人的体験は、膨大な戦死者の数等と比較すれば些細な事かもしれないが、戦争が生活のあらゆる面に途轍もない影響与えたことがかえって生き生きと伝わってくる。その他、当時の食糧事情、労働事情、沖縄のこと、東條英樹のこと、愚かな軍人への怒り、最後は日本という国は戦争に向いていないということ等が、経験に基づいて語られる。学術書ではないので、あくまで著者の見解であるが、私には大変説得力があった。また、ミステリー作家としての自身についてのエピソードは、著者の小説の愛読者(私はそうでもないが)は大変興味深く読めるはずである。
ミステリー作家である著者が本書を著したのは、現在の日本に大変な危機感を抱いているからだろう。日本には死を美化する風潮があると著者は言う。軍歌の歌詞を引用しながら、「死」を気楽に唄う風潮を憂える。戦争の実相を知らず、戦争になっても自らは戦争に行かず、当たり前だが死んだ経験もない者が、見ず知らずの人の死を「美化」する「国柄」とやらに乗って時代を後戻りさせようとしている。そうした流れへの警告として、私は本書を読んだ。著者のミステリーが好きな人にも、特に興味がない人にも、一読を薦めたい本である。