あらすじ
湘南に住む30代でエリート五人の男たちに、一夜同棲契約という奇妙な提案をする女性、小早川恵が現れた。そのひとりで、ベンチャー企業の社長岸川の女性秘書が殺害された。捜査に乗り出した十津川警部の元に、小早川恵と五人の男たちの関係を書いた手紙や写真が届いた。十津川は男たちのなかに犯人がいると判断し、捜査の網を絞っていく。
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Posted by ブクログ
◎不思議な女の一夜同棲契約、その真相は
小早川恵という女性が、月曜~金曜までそれぞれ一人ひとり男が変わるがわる家に出入りして料理をふるまったり一緒に添い寝したり・・・不思議な行動をしていて、契約している男たちもだんだん不思議でいったい小早川に選ばれるのは誰かが気になってくる。
そんなさなか、木曜日の男・岸川正典の秘書・城戸はるかが殺された。城戸は岸川に好意を寄せていたこともあり、岸川は十津川はじめとする捜査班に疑われるが、岸川のアリバイを小早川が証言してしまう。岸川は城戸を殺害したのだろうか。
そして、5人の男たちは、一緒に情事を達成できない腹いせに小早川を襲おうと計画するが、小早川は拒み・・・
そもそも、なぜ小早川がこのような形で5人の男と過ごそうと思ったのか。ここに大きなポイントがある。普通に考えたら、こんな申し出をしかもこのご時世(と言っても2007年に書かれた本のようなので、女性からいろいろと言い寄る、ということにはあまり頓着しなかった時代なのかもしれないが)で言い出す、あるいは男性側も受けるということはないのだろうが、まんまと(!?)この5人の男性ははまってしまう。
鉄道が「湘南ライナー8号」しか出てこないのに対し、様々な動機は過去にさかのぼり、そして深い。虎視眈々と狙った行動である。この点で小早川に読者はきっと完敗だ。しかしその小早川は殺されそうになる。さぁ十津川、小早川を守り切れるか、そしてこの事件の真相は何か。ネタバラシしては面白くないのがこの本だ。