鳥飼玖美子のレビュー一覧
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大学入試に関する英語民間試験導入の1番の被害者であった高校生の視点を中心に、民間試験導入延期までの過程が鮮明に描かれていた。この本から学んだことは、大学入試改革についてはもちろん、おかしいと感じたものには声を上げて行動することだ。高校生の発言にあった「もやもやしたものを明瞭にしないでいると『あきらめてうまくつき合う』ようになり(中略)」という指摘は、自分の教員としての意識を強くさせてくれたものだった。
上から差し出される仕事やタスクを流れ作業のように大人がこなしていては、生徒が勉強を受け身のものだと感じてしまうの仕方がない。「何のためにやるのか」「何故やるのか」という目的意識を持って生 -
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ネタバレ外国語習得の基盤は母語(国語)。「第二言語としての英語」(ESL)≠「外国語としての英語」(EFL)。後者を意識的に勉強した学生の読み書き能力が高いことは珍しくない。異言語習得の基盤は「母語」だから。
BICS(日常会話力)CALPS(認知的学習言語能力)。CALPSにはまず、母語の獲得が大切。だから母語を獲得してから海外に行った方が学習言語を習得するのが早い。
にも拘わらず、(日本語が覚束ない)幼少期から英語漬けにしようとする。母語をしっかり獲得しないから、日常会話レベルの発音だけは流暢になっても学習言語の修得がおぼつかない。にも拘らず、もてはやされるのは日常会話レベルの流暢さ。
考えて -
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齋藤孝・鳥飼玖美子氏の対談本である。
英語に関連する本は、数多く出ているが、どうしても
①英語教育・政策批判
②英語指導の具体
どちらかに偏りが多かった気がする。
この本は、①②のバランスが実に良い。
鳥飼氏が否定的な意見を述べようとすると、齋藤氏が違う角度から提案をし、逆に齋藤が奇抜過ぎるアイデアを出すと「お願い、それはやめて」(p.94)と
遠慮なく制する。
鳥飼氏と齋藤氏。専門領域は異なるが、二人の関係性が非常に良い。
対談本としての長所が随所に表れている。
とりわけ「三章 小学校編」は必読だ。
小学校で重視すべきことは「ペラペラ感」だと指摘する。
では中学校は。同じでよいわけがな -
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小学生の英語はあくまで素地を作るのみで、仕事で使える英語にはならない。仕事て使えるようにするには、そもそも必要かどうか見極めたうえで、必要なら、さらなる努力が必要。
少なくとも、英語嫌いにならないような教育にしなくてはならない。
著者の小学生への英語教育は、こんな感じかと理解した。
うちの子ども達は、妻と祖母の強い意向で英語塾というものに通っていたりしますが、個人的には大して役に立たないからお金の無駄だよなーと常々思っています。素地なるものが出来ているのかどうかは甚だ不明ですが、少なくとも英語嫌いにはなってないなら、まあ害はないからいいか、、、(深いため息)と思う次第です。
国語をちゃんと -
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[黒衣、前へ]異なる言語間のコミュニケーションでは欠かせない役割を果たしながらも、通常はまるで見えない存在として言語を訳していく通訳者。「黒衣」、「透明」という形容が用いられる人々のオーラル・ヒストリー(注:(定義は多様ですが)歴史を関係者からの口頭記述によって記録すること)を通して、顧みられることのなかった通訳者、そして通訳者から見た歴史を紡いだ一冊です。著者は、自らも通訳者として活躍された経験をお持ちの鳥飼玖美子。
著者が2006年に提出した博士論文が基になっていることもあり、通訳についての理論的知識や情報がない方(私もそうだったんですが...)には難しく思える部分もあります。他方で、 -
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試し読み
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もともと著者のイギリスでの博士論文なので、
内容はとてもしっかりとしている。
同時に西山千、相馬雪香、村松増美、國弘正雄、小松達也の五人の通訳者のオーラルヒストリーをもとに研究、考察されているので、
読み物としてもとても面白い。
戦後日本以降の日米外交をになってきた通訳者たちの、
通訳者になるまでの道と、その後の経験、そして自らの通訳哲学などが
口語体で記されていて、それはもう読んでいてわくわくすること請け合い。
言語はちがえど「通訳」をかじっていて、実際の現場を垣間みたので、
自分のどこがいけなかったのかとか、やっぱりあの時の私は正しかったんだ、というのが語学能力以外のところで見えてきた。 -
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楽天・ユニクロの社内英語公用語宣言、武田薬品の新卒採用基準TOEIC採用など、昨今のビジネスシーンでは英語に関する話題に事欠かない。
大学生に近い場で仕事をしていると『TOEICを"やらなきゃ"』という空気をひしひしと感じる。
会社の方針がそうなったということであれば、社員やその企業への就職希望者はそれに従わざるをえないが、
ただ、今日本の社会に蔓延する、日本人が持つ、そういった『英語を妄信的に信じる』風潮・意識に対して一石を投じる一冊。
本当に日本のビジネスマンが英語を話せる必要があるのか?
その信仰が進んだ先にある世界について、言語学・社会学の視点から話す。EUが掲げ -
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試し読み
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【why】
英検3級合格に向けて頑張っているわたし
目的って何かな?と思って手にとった本
なぜ勉強をするのか不安に感じた時にどうはどうしたらよいのか?
【what】
1.フワッと浮き上がるような感じを味わうまで英語学習を続けてみる
2.It take time and effort.
英語学習には時間と努力を要します
3英語学習にはMIYAVIさんの”読んで聞いて書いて話す”を繰り返す
【how】
聞き流すだけでは覚えられない
短時間で覚えられるものなどない
集中すて読んで聞いて話すを毎日5分から継続する
【word】
フワッと浮き上がるような感じを味わうまで諦めずに英語学習を続ける
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ネタバレ●ネイティブ・スピーカーを目指すのではなく、自分が主体的に使える英語 ー 「私の英語」を目指す。
●英語を覚えようとするのではなく、知りたい内容、興味のある内容を英語で学ぶ。
→英語が日常的に必要とされないにも関わらず英語コンプレックスを抱えた日本人学習者が英語を学んでいくためには、基本的な発音や文法、語彙を習得した上で(する過程で)、自分の興味関心に応じた学びをしていくことが必要不可欠。完璧な英語を目指そうと思ってもつまらないし、続かない。目的、目標、モチベーション。
●発音は、ハチャメチャと完璧の間を狙う
→中学生に対してもっと音声学的指導を!
●語彙を増やすためには、たくさん読むこと
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誤訳の定義が難しいということに触れつつ、有名なポツダム宣言時の首相の「黙殺」という発言の英訳からはじまり、さまざまな日本語と外国語の通訳・翻訳時に起きた問題を取り上げて解説されている。
ある言葉を直訳するか相手国の文化などを考慮して伝わるように変更して訳すかどうかで受け取り側の行動が変わるが、そのまま伝えても取引を失敗したから誤訳なのか、結果がよくても違う言葉で伝えたから誤訳なのか。
もちろん訳者に外国語の知識がない、外国の文化を理解していないなどの問題がある場合もあるがどうしても訳を担当した者に非難が集まってしまうことが多い。
また、本書ではわざわざ訳が難しい比喩表現などを使う原発言者 -
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大人の私でもなるほどと思うことがあり学びになりました。
森川葵ちゃんが紹介していて手に取りました。
学生時代英語の成績はいい方だったけど、大人になってからは全く勉強せず、英語喋れるようになりたいなぁと漠然と思うだけで何もせず過ぎていく日々。
重い腰を上げて一から勉強し直してみようと思います。
夢は海外旅行に行くこと
現地の言葉を耳で聞いて話せるよう対話できるようになりたい
その方がより旅行を楽しめそうだから。
音読すること、英語の映画を英語字幕で見ること、英語の本を読むこと、英語の音楽を聴くこと
テキストでの英語学習以外にもこれらを取り入れて、英会話にも挑戦してみたいです。
今年こそチャレンジ