鳥飼玖美子のレビュー一覧

  • 歴史をかえた誤訳(新潮文庫)

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    読み応えのある翻訳論だった。

    第一章、第二章などは、太平洋戦争中、そしてその後の政治の場面の中での誤訳が扱われている。
    その辺りは政治状況についての知識や、興味があまりなかったので、少々つらかった。

    後半は、翻訳がどこまで可能なのかという話が中心。
    こちらの方は、かなり読みやすい。
    芭蕉の古池の句をどう訳すかという話は、非常に面白かった。
    言葉を単純に置き換えるレベルなら、いかようにも訳すことはできるけれども、「かはず」を「frog」と訳して済ましてよいのか、とのこと。
    英語圏でいう「frog」は、侘びさびどころか、出てくるだけで噴出してしまうような、あまり情緒的にみられることのない生き物

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    2013年08月12日
  • 歴史をかえた誤訳(新潮文庫)

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    通訳関連で、近場にあったので。

    つまるところ、米原万里の『不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か』ということになるんだろうけど、お互いの文化や背景なんかが違うと、不実であろうと貞淑であろうと、美女であろうと醜女であろうと、完全に伝わるっていうことはほぼありえないんでしょうかね。

    まったくもって難しい世界。

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    2013年07月15日
  • 国際共通語としての英語

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    英語をしっかり学ぶけど、話すとき間違えるのは仕方ないとか激しく同意。言語は生き物で日本の前向きにとゆうのの直訳表現が定着した話しとか、ノンネイティブスピーカーの英語から英語のコアを特定し、そこから共通語としてのコアを探す研究の話とかも面白かった。

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    2013年03月26日
  • 国際共通語としての英語

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    ニュースで英会話でお馴染みの鳥飼玖美子。テレビと同様にやさしい雰囲気で語っている。英語教育の問題点と英語を勉強しようという気にさせてくれる。

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    2012年12月27日
  • 「英語公用語」は何が問題か

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    就活や企業内の昇進にTOEICが使われること、日系企業内でのコミュニケーションに英語が使われること。グローバル化とは言ってもなんでもかんでも英語使えばいい訳ではないという警鐘を鳴らしてくれた本。敢えて英語ができる人に読んでほしい。

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    2012年10月15日
  • 歴史をかえた誤訳(新潮文庫)

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    通訳、翻訳の有り方を模索することを目的に歴史的な訳を分析した本。
    ポツダム宣言等、国際間のやり取りに登場した訳が紹介されており、勉強になります。発言内容の背景にはその国の文化や歴史があるため、完璧な訳ってのは大変難しいことがよく分かります。

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    2012年05月13日
  • 歴史をかえた誤訳(新潮文庫)

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    通訳・翻訳という観点から異文化コミュニケーションを論じた一冊。前半は誤訳・ミスコミュニケーションにまつわるエピソード集という色彩が強いが、後半ではそもそも他国の文化そのものを訳すことができるのかという点を考察しており、非常に興味深い。単に外国語を知っているというだけではなく、外国の文化を理解していないと異なる言語での相互理解はできないという見解には説得力がある。

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    2012年04月15日
  • 歴史をかえた誤訳(新潮文庫)

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    主題は:通訳者は空気であれ というもの。

    一方で、通訳者は対外折衝において頼りにされ 情報が集まる。
    そのために空気でいることがとても難しい。
    また、文化間で同じ対象を表す表現が異なったり、訳し切れないこともしばしば。

    先日生まれて初めてすこし仕事の場で通訳をしたので読んでみました。
    今後の通訳において参照すべき、示唆に富んだ失敗事例・評価が難しい事例が満載でした。

    「外国語に堪能」であることと、「通訳として有能」なことは全く別物。

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    2011年12月29日
  • 国際共通語としての英語

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     英語を学ぶ人は多いがその目的は曖昧な場合が多い。私がいつになっても英語をマスターできないのは、実はその目的がはっきりしていないからではないかと思う。
     本書は英語を世界共通語と位置づけ、文化的な背景を一部犠牲にしてもコミュニケーションの道具として割り切って学ぶべきだと解く。

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    2011年05月25日
  • 「英語公用語」は何が問題か

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    ネタバレ

    ニコ生で、鳥飼玖美子さんとひろゆきの対談があって、それを見た後に買いました。
    番組で1時間半ほど内容についての議論を聞いた後だったこともあり、非常に理解ができました。

    さて、本書はタイトルにもあるように、英語公用語についての是非を述べておられます。しかし、それだけが書いてあるというよりは、英語そのものの価値や考え方について書かれており、面白い、非常に面白いです。

    本書で知ったのですが、日本の英語教育が20年ちょっと前から、コミュニケーション主導になっているということに驚きました。つまり読み書きよりも、話すことに重点が置かれているということです。これは学習指導要領にも明記されているそうです。

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    2011年02月28日
  • 「英語公用語」は何が問題か

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    英語ができるようになったらいいなとは思う。しかし筆者も言うように、ネイティブ並の発音や、かっこいい言い回しよりも通じればいいと思う。ネット上の英語のサイトや、CNNやBBCの英語放送がわかったら面白いだろうとも思う。通訳の重要性や、母語とは何か言った問題も重要なことだと思う。自分の周りにいる、英語を学びたい若者にも読ませたいと思った。

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    2011年09月28日
  • 「英語公用語」は何が問題か

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    「ユニクロ」や「楽天」が社内の公用語を英語にするというニュースを耳にしたとき。「ふーん」という感想をもらしたことは覚えている。この「ふーん」の中には、「できるんかぁ?」という思いと「英語が苦手な社員は大変やな」という思いがあった。
    こういう話題があるといつも思い出すのが、鈴木孝夫先生の名著『ことばと文化』であった。ことばと文化は密接につながっている、簡単に切り離せることではない。
    必要な人だけが、必要な分野で、必要なときに英語を使えばいいじゃんか、と思う。
    日本国内の会社で、日本人ばかりのスタッフがいるなかで、強制的に英語しゃべれ!というのは絶対長続きしないと思う。

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    2011年01月20日
  • 「英語公用語」は何が問題か

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    大切なのは「英語が話せる」ことそのものではなく、「話すべきことをもっている」ことなのだ、という筆者の主張に大きく頷けました。
    藤原正彦さんが「祖国とは国語」の中で書かれていた、「ユダヤ人が国を追われても民族として存続してこられたのは、自分たちの言語であるヘブライ語を守り続けてきたからだ」というようなことを思い出しました。
    英語を学ぶこと、使えることは確かに大切だけど、まずは美しく正しい日本語を使えて、人に伝えたい「何か」を持った人になりたいし、自分の子供も生徒たちも、そういう人になってくれるように育てていきたいと思いました。

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    2011年01月15日
  • 「英語公用語」は何が問題か

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    著者の深い見識から興味深い内容が網羅されており、非常に得るものが大きかった。ビジネスの展開上、英語の必要性はさらに加速することは避けられない状況であるが、今だからこそ“母語”である日本語の素晴らしさも改めて噛みしめるときでもある。

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    2010年12月11日
  • 歴史をかえた誤訳(新潮文庫)

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    もともとは『ことばが招く国際摩擦』

    というタイトルで発売されていた本の文庫版。

    もともとのタイトルの方が本の内容を正確に伝えているように思います。



    通訳者、翻訳者の話を聞いたり、本を読んだりすると、

    英語にしろエスペラントにしろ、国際語っていう考え方に潜んでいる

    本質的な問題点が見えてくるような気がする。


    大変勉強になりましたが、

    ひとつひとつの事例をもうちょっと踏み込んで書いて欲しいなぁ

    って思うところが多かったので、星4つです。

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    2010年07月03日
  • 通訳者と戦後日米外交

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     通訳という存在は古代エジプトにまで遡るといわれる。ところが、「翻訳」という仕事が歴史に刻印されてきているのに対し、「通訳」についての歴史は空白に等しい。それは「話し言葉は消えてしまう」からであり、多くの場合、通訳を担った者たちが社会的に高く遇されていなかったからだろうと著者は言う。
     本書は、同時通訳の第一人者であり英語教育の最前線で活躍してきた著者が、英国の大学に提出した博士論文を編み直したもの。長い通訳の歴史の中でも、とりわけ第二次世界大戦後、日本が国際社会に返り咲いていく時期の外交舞台で活躍した同時通訳のパイオニアたち――西山千、相馬雪香、村松増美、國弘正雄、小松達也――へのロングイン

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    2010年05月09日
  • 通訳者と戦後日米外交

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    通訳とは何か、を文化史ともいうべきレベルで多数の同時通訳者へのインタビューを交えて考察し、まとめているという。著者の鳥飼玖美子さんは、若くして同時通訳者として注目された方。現在は、立教大学教授で、異文化コミュニケーション論を教えているそうだ。力の入った良書であるように思える。

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    2009年10月04日
  • 歴史をかえた誤訳(新潮文庫)

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    私は、特に第5章「文化はどこまで訳せるか」の内容に強く惹かれた。ある文化の中に存在する事柄をもう1つの文化の中に訳するという事はどこまで可能なのだろうか。「言語の通訳」についてしか考えた事のなかった私にとって、この「文化の通訳」という言葉は非常に衝撃的だった。通訳者達はその文化のギャップをどのように埋めてコミュニケーションを図るのか、彼らの奮闘ぶりに読者である私達の脳もストーミングさせられる、パワフルな内容。1つ1つの事例が詳しく取り上げられており、通訳に関する知識があまりない私のような人間にとっても面白く読みやすく書かれているのが嬉しい。通訳という仕事には興味がなくても、英語に何らかの形で興

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    2009年10月04日
  • ことばの教育を問いなおす ──国語・英語の現在と未来

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    国語力はありがたいことにいつの間にか身に付いていたと言う部分がかなりある。机の前に座ってテキストを広げ、先生から習うと言う勉強とは必ずしも直結しない。育っていく過程で、本人が勉強と何度も言わずに母語の基本を習得できていた。

    小学校高学年に入った頃、勉強の内容が複雑化したり、抽象化したりして、日常の暮らしから離れていく時期に、ことばが内容を背負いきれない、複雑な思考を進めるための言葉の力を十分に持っていないとということがでてくる。
    国語力が育つ第一の条件は、本気になって言葉を使うこと。主体的に言葉で考えるリアルを見せ、体験させることで育つ。

    大村はま…「民主主義というならば、普通の庶民がちゃ

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    2025年09月02日
  • やっぱり英語をやりたい!

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    わかっちゃいるけど、
    何度も何度も挫けそうになる英語。
    それに追い討ちをかけるような本もありますが、
    励ましてもらえるような本でした。

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    2025年04月27日