滝本竜彦のレビュー一覧

  • 小説集 筋肉少女帯小説化計画

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    いわゆるジャケ買いでした「筋肉少女帯小説家計画」。
    表紙は漫画家の藤田和日郎さん。彼をはじめとして、多くの創作に関わる人々にファンが多いのは知っていたけど、本家である筋肉少女帯の歌を聞いたことはあんまりないです。アニメ「うしおととら」のOPぐらいか。

    興味はあれど、聞く機会を求めてこなかったので、聞くきっかけになるかな、と思って購入しました。

    10代というか思春期が感じる違和感、疎外感、万能感、危機感、無敵感、嫌悪や潔癖、夢想に妄想、強圧や抑制、純真に偽悪、憧憬に共感、拒絶と承認。そういったもののごった煮の中から、その時の、初めて聞いた時の自分が一番欲しがっていたもの、共感できるものを見出

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    2025年07月20日
  • 新NHKにようこそ!

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    2024年に出版された本作。あのNHKにようこそ!のリビルド作品だが、時代性を見事に映し取った作品で、まさに今読むべき作品だ。個人的には、岬ちゃんの担う役割が減った事が印象的、その代わりに山崎くんや先輩に役割が新しく割り振られており、前作の様に漫画化して補完されればまた、面白いプロジェクトななるかもしれない。

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    2025年07月07日
  • 小説集 筋肉少女帯小説化計画

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    筋肉少女帯のコンサートに行ったっけ…懐かしいです。一緒に行った人たちにこの本の存在を教えたい!知らない曲もあったけど、世界観は筋少。選ぶならやはり福耳の子供かなー。大槻ケンヂさんのは筋少の演奏まで頭の中で蘇りましたよ。そうそう、オーケンって呼んでたわ。藤田和日郎さんの装画も効いてる。

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    2025年06月30日
  • 新NHKにようこそ!

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    しっかりとリビルドされており、新しい物語になっていた。出てくるガジェットも令和仕様になっている。
    佐藤、山崎、岬ちゃん、先輩のあり得たかもしれない別の世界線のお話。主人公が引きこもりなのか?と思うくらい行動力があるようになっているし、岬ちゃんも引きこもりを脱却させようとする気力がなさそう。ゆるやかに続くモラトリアムを感じるダウナーな作品。
    なんか読んでて違和感があると思ったら、中原岬→仲原岬など、メンバーの名前が変わってるんですね。続編でもスピンオフでもない、リビルドの意味を感じた。

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    2025年04月20日
  • NHKにようこそ!

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    漫画版を読んだので、続いて小説版を。
    序盤以外はだいぶ漫画と展開違うので改めて面白い。
    展開もテンポ良くすぐ読み終えました。

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    2025年04月17日
  • 超人計画インフィニティ

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     「・3000年 プレステ200が発売される。千二十二歳になった俺は最新のプレステで遊ぶ。」

     イメージは現実化する。
     千年後のイメージを実現できたので、俺は千歳まで生きれる。

     お、おう・・・

     先日、令和の時代に!?と驚きのNHKにようこそ!が刊行された。
     続いての超人計画。

     どういうことだってばよ。

     筆者本人が一人称として語られる本作は、エッセーなのか?どこまで本気なのか?
     脳内彼女と川崎の汚いアパートで暮らす滝本竜彦は超人になることを計画する。
     精神的に超人になる。
     超人になるためにアパートの外に出ては、逃げ帰る日々。
     ある日、バイト先で出会った女、青山が超人

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    2025年03月09日
  • 新NHKにようこそ!

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    最近本を読んでいなかった
    あんまり重たい本は読みたくないと思って、本屋に行くと、昔見たアニメの新作が本になって出ていた
    これだと気軽に読めそうだし、手に取ってみた

    読みやすく、かつ適度な緊張感もあって面白かった
    アニメの雰囲気や終り方を台無しにする事なく、かといって無難な展開になることも無く、綺麗にストーリーが進んで行った

    麻薬に関して、それが当たり前のようにストーリーが進んでいるのがびっくりだった
    作者は吸ってたのか!?

    とにかく、あのアニメの独特の雰囲気を保ったままかつ挑戦的な題材で、面白かった

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    2025年02月25日
  • 新NHKにようこそ!

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     岬ちゃんのカウンセリングから20年、この時間は佐藤君に何をもたらしたのか。

     デジタルガジェットの進化は引きこもりの闇をさらに深い混沌に引き込んだ。

     20年の間に佐藤君はスマホにVRゴーグルを手に入れ、エロ動画を漁る毎日。
     ドラッグはネットで手に入り、承認欲求を求めて闇深の動画を情報の海に投棄する。

     
     佐藤君と山崎でタッグを組んで催眠音声動画作成に取り組み、
     先輩は自撮りエロ動画をせっせとポルノサイトに登校する。
     そして、不登校少女の岬ちゃんは相変わらずカウンセリングと称して佐藤君を夜の公園に呼び出す。

     ただひたすら、この毎日を続けていたい。
     続編ではない、このメンバ

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    2024年11月22日
  • 新NHKにようこそ!

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    前作の「NHKにようこそ!」を読んだ自分にとっては懐かしくなるような描写がありつつ、現代にマッチした内容になっているので改めて楽しく読めました。
    事態を良くしたいのになかなかそうならない佐藤君の心理描写が相変わらず突き刺さった。

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    2024年10月27日
  • NHKにようこそ!

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    とても面白く読めました。ただのロリコンひきこもりニートのギャグ小説というわけではなく、ひきこもりの実態や家庭環境の悩み、自殺など社会的な問題も含まれていて、少しほっこりする部分もあり、良かったです。佐藤に対する山崎の対応が段々と雑になっていく様子が特に笑いました。

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    2024年06月27日
  • ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ

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    非常に物語的だった。その辺から人間を拾ってきて、箱に〈限りなく死に近いもの〉と共に投げ入れてどうなるかという実験的な感じ。そんな無関係な人達があがくのがたまらなくエンタメ性があり、幸せだ。人間どうでもいい派のみんなは読むといいです。

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    2024年03月25日
  • NHKにようこそ!

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    結局のところオタクってみんな中原岬ちゃんに出会いたいだけだから。空から翼の生えた女の子が降りてきてほしいだけだから。

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    2024年02月14日
  • NHKにようこそ!

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    ☆4.5 実在する生なましさ
     『鬱の本』を読んだら、『NHKにようこそ!』に共感した、救はれたといふ人がをり、また作者の滝本氏もすごい文章を書いてゐたので、読んでみた。

     饒舌なモノローグ文体がつづくが、テンポとリズムがよくて読みやすい。展開もご都合主義だけど、気にならない。主人公はお先真っ暗と思うてるんやけど、文体が陽気。

     隣の部屋のアニソンがおジャ魔女どれみだったり、主人公がナディア世代だったり、滝本の実体験だらう。だからこそ、ひきこもりを自虐的におもしろ可笑しく書けるのだらう。
     主人公も山崎もみんな表現に生なましさがある。私も大学時代の人間関係を思ひ出した。

     なにより凄みが

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    2024年09月20日
  • NHKにようこそ!

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    ネタバレ

    確か新聞で紹介されてて知った本。2002年発行と意外と古い本だった。なので、表紙が違ってて残念。確かにこの頃引きこもりは流行っていた。私が勤めたとこでも引きこもり対策をやっていたのに、3年後にはもう下火だったもんな。移り変わりの早さよ。しかし、今や私も立派な引きこもり。夢がかなったわ。すごいポップな口語で書かれてて、奇しくもちょうど前に読んでた「嫌いなら呼ぶなよ」と一緒の感じ。なら、これも純文学なのか。全然聞いたことない初読みの作家さんだったのと、あとがきで自分のことのようで恥ずかしいと書いてあったので、生きてるか心配になって珍しく調べちゃった。生きてて良かった。しかし、今も苦しんで引きこもっ

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    2023年08月29日
  • ライト・ノベル

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    4.2
    訳わからない展開。でも結末はまさかという。題名そして内容全てが伏線だったのか!となってしまう。これまでの滝本作品とは一線を画している。

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    2019年07月17日
  • NHKにようこそ!

    e3

    購入済み

    立ち上がるリアリズム

     主人公は割と普通にいる感じの青年。統失的なネガティブ思考が少々目立つものの、こういう人間はいる。多くの人が自分の中にも大なり小なり見いだせる存在だと思う。
     ヒロイン(?)の岬ちゃんは、どこか捉えどころのない少女。とはいえその実、最後まで読んでしまえば、分かりやすい設定の「(境遇は特殊で哀れではあるが)普通の少女」でしかない。しかし、主人公の岬ちゃん(と他者)に対する興味の無さが、岬ちゃんを不思議少女に仕立て上げている。
     主人公のありようはどこまでも臆病かつ現実的で、岬ちゃんというヒロイン候補がラノベ的なイベントアプローチをしかけてきても全くなびかず、ただただひきこもるばかり。自分から

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    2019年03月23日
  • 超人計画

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    「21世紀の太宰治」こと滝本竜彦のエッセイ。イタすぎて面白い。馬鹿さ加減に愕然としながらも時折ハッとさせられ、ダメさ加減に我が身をも投影する。
    ある意味でレイちゃんの純愛物語ともとれる本作、エッセイなので何か特別なオチがあるというわけでもなく、ちょっと尻切れとんぼで終わるのが気になった。まあエッセイなので、作者が生き続ける限り超人ロードは続いていくのだものな。これはこれでいいのかも?
    キノコの話ら辺が一番面白かった。
    ちなみに作中の、バリ島でキノコオムレツを食べてパニック障害になった「滝本さんが尊敬するあるアーティスト」とはおそらく大槻ケンヂだと思われる。

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    2019年02月19日
  • NHKにようこそ!

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    個人的には結構好きなタイプ。
    あと、岬もwww.

    シャブ中引きこもりニートが、
    ロリコンキモヲタシャブ中ニートになり
    シャブ中引きこもりになり、
    ただの引きこもりになる話www.

    自分が経験のない世界ではあるが、どこか親近感は湧くし、
    所詮、考えてることはみんな同じなんじゃないかなーと感じさせられた。

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    2017年01月09日
  • NHKにようこそ!

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    ネタバレ

    「死のう、もう死のう。しかし俺は死なない。なぜならば、今日は天気がいいからだ。」(p46)
     この軽々しく死のうと思って、すぐに撤回する感覚は、私にはすっと馴染んできました。「あー死にたい」とか思った直後に、「でも死ななきゃならんほど何か具体的な苦しみがあるのか?いや無いよなあ」となるんですね。
    「自分を苦しめている仮想敵。それがNHKの本質だ。」(p303)
     自分の中で発生増殖する、漠然とした苦悩。それを仮想敵として名付けるというのは、つまりそれを何らかの実体として見たいということ。実体としての敵がいれば、まだ戦ったり、逃げたり、恨んだりができるから。でも、そんなものは実体としては存在しな

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    2016年09月27日
  • NHKにようこそ!

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    大学を1年目で中退して、以来4年間引きこもりしている25歳男の話。なぜか、こういう話だと綺麗な女性と知り合いになるという展開になるんですが、案の定という感じ。途中ダレたけど、最後の方は結構面白かった。

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    2014年12月23日