滝本竜彦のレビュー一覧
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サブカルチャー作品には「白痴的な美少女から無償の愛を受ける男性」を主人公とするものが多い。たしかこのようなことを書いていたのは宇野常寛さんだったか。いわゆる「ギャルゲー」から始まり、「美少女」を中心に据える作品は漫画であっても、ライトノベルであっても、そういう傾向が強い。そして、大ヒットシリーズである『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズもその一つであろう。
『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズの主人公、「キョン」は決して嫌われることがない。「白痴的な美少女」から、いわば盲目的な愛を一身に受け、非日常的な日常を過ごしつづける。しかし、それが恋愛に発展することはないし、「キョン」が鼻の下を伸ばすことはない。 -
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ネタバレタイトルに惹かれて読んでみた。
引きこもりが主人公なので場面展開の少ない
ストーリーなのですが意外と飽きません。
全編に渡って言い訳ばかりで全てを人のせいにする
主人公は人間として最低ですが、憎めません。
おそらく少なからずそういう負の部分に共感できるところが
あるからなのかなぁと思いますが。
「世の中はいろいろと複雑で目に見えるような悪者など、存在しない。」
(本文引用)
単純な悪者というものが存在すればその悪者に立ち向かうという
人生の目標が簡単に見つかるのにというような
感じで書かれていましたが意外と真理かなと思います。
暇つぶしで読むには軽い感じで読めるかなと思います。 -
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ちょっと入れ子構造がややこしくてわかりにくいが、中学生の滝本竜彦入門に最適だろう。
これは純然たるファンタジーだと思うのだけど、地に足の着いたファンタジーは現実の表層を薄っぺらく描いた小説よりむしろ現実に切実に迫ってくる。
相変わらず作者のエンターテイメント作品であろうとする意欲を強く感じたが、今回はそれが作品構造自体をファンタジーの枠組みにしてしまった。この作品は主人公と同じ年代の孤独な中学生読者に向けられた物なんじゃないかな。ただしそのメッセージは「現実なんて幻だから気にするな、でもツチノコを見つけたら全力で追いかけろ」っていう内容だから半分毒なんだけども。 -
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“「ですから、とぐろ巻きです。わかるでしょ?」
「わ、わかんないよ......」
弓子さんは僕を軽蔑した目で眺めて解説した。
「わたしが考えた魔術の初歩中の初歩です。これをすると、眼前に広がる幻影と、視界外に存在するはずの実在、あるいは実在の根底としての光、あるいは無、あるいは空が、クルクルと交互に入れ替わり、その過程で実在と幻影の境界が渾然一体となって、うまくすればわたしに仕掛けられた迷宮魔術から脱出できるという算段です」
僕は眉根を揉みつつ訊いた。
「......で、そのとぐろ巻きはうまくいってるの?」
「ううん、ぜんぜんダメ。幻影の濃度、幻影の実在感が高すぎます。この学校を覆う幻影濃度は -
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ネタバレ【概要・粗筋】
4年間自宅に引きこもり続けていた佐藤達広(22歳)は、ひょんなことで出会った美少女・岬にひきこみり脱出プロジェクトに勧誘される。が、見栄を張って自分は引きこもりではなく、ソフトウェア開発を自宅でしているのだと嘘をつく。嘘を本当にするために隣に引っ越してきた高校の後輩・山崎とエロゲー作りをすることに。同名小説の漫画化。
【感想】
普通にドタバタ青春オタク漫画として面白かった。「げんしけん」みたいな感じ。
エロゲーの資料として山崎に渡されたロリコン画像によって、ロリコンに開眼(?)してしまった佐藤が、小学校の前で少女たちを盗撮している自分の姿を山崎に撮らせようとするシー -
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ネタバレ【概要・粗筋】
つきまとう岬に100万の借金に苦しむ佐藤と農業を継ぐために実家に戻らなければならない山崎の二人が自棄になる第十六話「絶望にようこそ!」から、佐藤が自分のダメ人間っぷりに絶望して死ぬ決意をした第二十話「星空にようこそ!」を収録。
【感想】
自殺オフ会を最後に柏先輩は出てこないかと思ったら、しつこくこの巻でも登場する。もっとも、佐藤をどん底に落とすためだけの登場という感じで、いなくてもよいような。
第十九話「キミシネにようこそ!」冒頭(120P)の「この子は心が弱いんだ!!」という佐藤のセリフは、まさにその通り過ぎておかしかった。 -
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ネタバレ【概要・粗筋】
佐藤と山崎が脱法ドラックでラリって幻覚を見る第二十一話「桃源郷にようこそ!」から、佐藤が実家に戻った後の岬や山崎らのエピソードを描く第二十五話「ネクストステージにようこそ!」を収録。
【感想】
第二十一話の脱法ドラックで佐藤らが見る幻覚が、まずおかしかった。そして、しっかり生きようと決意したにもかかわらず、結局すぐに逃げ出してしまう佐藤と岬に共感した。
東京での佐藤は踏んだり蹴ったりで散々な目に遭ってきたけれど、あくまでコミカルに描かれていたから、笑えていられた。だけど、この巻では袋小路にはまって抜け出せなくなってる佐藤の姿がシリアスに描かれていて、その移行は違和感