鳴海章のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読み終わった。
持ち運びに便利なはずの文庫本も、本編712Pの厚さはまあ、嵩張ること嵩張ること。
鳴海サンは、ほとんど初。
帯の推薦文に口説かれ購入。推薦人の花村萬月氏の口説き文句に偽りはなく、強力で危険で陰鬱でヤバイ小説だった。
銃で撃ち殺す場面の描写もリアルだが、セックスの場面もリアルに描かれています。
どちらも、主人公視点で生々しく語られていて、それ故に、主人公の鬱屈した心理とか、抑え込んでいた憤怒とか、決壊寸前の不満などが際立っているように思います。
サラリーマンの人で、影響を受けやすい方は、読まない方が良いかもしれない。
いや、逆に読んだ方が良いのか……。
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購入済み
いよいよクライマックス
朝鮮半島で北朝鮮軍を相手に奮戦する米軍の地上攻撃機、南シナ海上空では「ユニコーン」とテロリスト集団の戦闘機隊が激突、米中の戦闘機も参戦して壮絶な空中戦が展開される。攻撃されても反撃してこないという理由で、北朝鮮が日本を核攻撃するというのはたしかにありうる話。危機管理能力ゼロの日本はあまりになさけない。意外などんでん返しもあるが、それぞれの使命感、プライドを胸に、登場人物が次々に散っていくラストが哀しい。
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Posted by ブクログ
浅草機動捜査隊シリーズ、10作目。
今作のキーパーソンは粟野力也。シリーズ2作目「月下天誅」で辰見と小沼に補導されていた少年であるが、小沼に憧れ、今作では警察官の卵に。シリーズ読者としては馴染みがあって、感慨深いです。そして、もう一人の補導少年だった聖也が真逆の人生で、、、彼らのその後が読めるのはシリーズならではで嬉しい限りですが、あまりにもやるせない悲劇的な結末だったので、思わず天井を仰いでしまった。彼の代わりにと言っては何だが、粟野くんには正しい、強い警察官になってほしいと願うばかり。
捜査一課に行った小沼の代わりとばかりに新しく入ってきたSAT上がりの本橋さん。オリンピック期間限定だっ -
購入済み
東アジアでついに戦争勃発!
シベリアから発射されたICBMがワシントン近郊に着弾し米国が報復。この機に乗じて南進を開始した北朝鮮軍とこれを支援する中国軍。スケールの大きいミリタリーもので読み応えがあるが、各国の利害や思惑が複雑に絡み合い、全体像が掴みにくいところもある。最近は国対国の正規戦より、テロリストやゲリラ組織などが相手の不正規戦のほうが発生頻度は高い。また潤沢な資金、高度なスキルをもつテロリスト集団も存在する。ブラックマーケットに流れた旧式の核兵器や、盗まれた細菌兵器がそんなテロリストの手に渡ったらどうなるか。果たして日本はまともな対応ができるのか?そんなことをふと考えてしまった。
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購入済み
スケールの大きいミリタリーもの
登場人物が多く、それぞれの視点で同時並行的に物語が展開する。時代背景が2000年前後と若干古いがスケールが大きく面白かった。シリーズ第一弾ということだが、その前の話もあるようで、こちらも読んでみたい。日本の安全保障のあり方を考えさせられる一冊。
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Posted by ブクログ
筆者は本職ファイターパイロット?と思わせるほどの、リアルで詳細な描写と内輪ネタ(笑)が溢れ、自分が全く知らない世界を覗き見るような気持がして面白かったです。戦闘機の装備や操作の描写は専門的過ぎてなかなかイメージがしにくかったのですが、門外漢目線で丁寧に説明やルビが入るので、さほど抵抗感なく読み進められます。
パイロットたちのカラッとした気性が快く、気の置けない仲間たちの間のやりとりは見ていて清々しいです。プロ意識が高い職人は、どんな職であれ、皆格好いいものですね。
メインテーマである人工知能については、そこまで深くは掘り下げられなかった印象ながら、この先の技術の進歩を考えると、遠くない未