鳴海章のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ラブホ街で射殺されたスーパーの社長の死因は口内に小口径を突っ込まれ、撃たれる。
機動捜査隊浅草分駐所の刑事は、27年前に起きた暴力団組長射殺事件の手口を思い出し、当時の関係者で元ヤクザと再会。
戦前から、日本統治下の台湾。台湾先住民の日本への入国手引、大陸からの介入。マネーロンダリング。
昭和の最大広域暴力団の分派抗争、暴対法、バブル景気、暴排法、リーマンショック。
極道も堅気も、おまんま食べてくのは大変だな。
どれもこれも白も黒もなく灰色に思えてくる。
静かな燻し銀な一冊でした。
今は、小中学生がYouTubeで億を転がす時代だな。
汗水垂らして働くという表現は形骸化してゆくのか。 -
Posted by ブクログ
読み終わって感じたことは、細かな戦闘機のメカニズムや描写はとても細密で、ストーリーを含めドキドキハラハラしました。
正直飛行シーンについては私には難しすぎるほどの細かく描かれていましたが、好きな人にとって期待を裏切らない描写なのではないかと思います。
景坂のように核の保有やミサイルなどの無人兵器を否定し自らの命をかけサムライとして戦いたいと思うのか、武藤のように空戦での抑止力をもって日本の主権を守ろうとするのか。
航空自衛隊という現代の日本の在り方を表す組織の中で映し出される2つの生き方や想いは、変わりゆく世界情勢の中で考えさせられるものだと思います。
戦争とは?何を守り何の為に生きるのか?様 -
Posted by ブクログ
シリーズ第3弾。
あまり何も考えず、この作品までをまとめて買ったが、どうやらこのシリーズ、今作で一区切りとなるらしい。
浅草機捜隊のベテラン辰巳と新人の小沼を中心に描いたこのシリーズだが、冒頭、57歳の辰巳が、上司から現場引退を勧告されることから始まる。
それと同時に富山で起きた連続女性殺人事件が描かれる。
犯行の様子を犯人目線から描く部分も、並行して描かれるが、これがなかなかグロい。
久しぶりの猟奇殺人に、今まで読んだ2作より、ぐっと面白さを感じた。
この富山の連続殺人事件に、1作目に登場した辰巳が好きだったかもしれない女性の娘が巻き込まれ、辰巳は我を忘れて、犯人と対峙する。
辰巳、犯人、富