鳴海章のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
現在の和製ハードボイルドの第1人者と言っても過言でない鳴海章の長編作。設定に凝りすぎていて中々、登場人物間の関係がわからず、それがストーリーの謎となり恐らく読者の好みが分かれるところとなり、本書の評価を左右していると思う。個人的には従来の作者にない読み物としての分厚さがハードボイルドとしての作品の質がを高めている感じがしてなかなかの読み物になっていると思う。アメリカの殺人マシーンとなることが出来る死兵プロジェクトとその実験フィールドとなったボスニアヘルツェゴビナ紛争での戦闘の因縁や日本の核武装、警察内部の秘密暗殺組織サクラとさまざまな糸がラストシーンの狙撃手通しの対決の中に織りなされていく。佳作。風呂敷が大きい分やや消化不良はご愛嬌である。
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Posted by ブクログ
刑事としては非常に恵まれた特性といえる顔を覚える力が優れた人物が主人公。
それに気づいた男がうまく機能するようにうまく組織内で動けたことにより舞台は整った。
だからこそ解決できたのかもしれんし、国は違っても刑事、警官というのは正義を中心に考えるものだから解決に向かったのかも。
誰も信じられない世の中はしんどいから、相手を信じられることって大事ですね。
この手の犯罪は何となく欧米が舞台となるような思いがありましたが、日本、韓国、中国とアジアでも起こるんですよね。(たまたまですが、暗殺事件と見られるものが起こったタイミングと重なったので。) -
Posted by ブクログ
小松基地をベースとした航空自衛隊をテーマとした軍事スリラー。ここにカテゴライズされる作品では夏目氏かすでに君臨しており、その類似性以上のものであることを筆致で示すには至らなかったというのか第一感である。エンターテイメントとしては、十分読み応えがあり、鳴海氏の過去作と比しても出色の出来と思うが、やはり作の構図か類似しているので損している感がぐえない。
物語はカゲロウのコードネームを持つ数年前にF15もろとも行方不明となっていたトップパイロットのネームが入ったパイロットブーツを履いた脱北者と思われる死体が漂着したことから展開する。カゲロウは生存しているのか。 -
Posted by ブクログ
鰯、大量に群れ、大きな魚の餌になるしかない。
高城は冴えないサラリーマンから、冴えない無職になった。
10年務めた会社を辞めた。
退職金は微々たる物だった。全部使い果たしてしまおうと思った。
散在するべく赴いた風俗で慧敏という女性と出会う。一度だけの触れあいだったがお互いに惹かれ合うものを感じていた。
改めてデートの約束をするが、待ち合わせの場所に現れたのは慧敏ではなく、彼女の知人と名乗る男達だった。
高城は彼らから壮絶な暴行を受け病院に担ぎ込まれるが、全く理由が分からず困惑する。
もう2度と彼女に会う事は出来ないのか・・・。
力も地位も金も無いただの男が、彼女の行方を追う為に日本と台湾を股に掛けた冒険が始まる。
名前だけはいつも聞いていたこの本、とうとう読む事が出来ました。
鳴海章の少々勇み足かと思うくらいに取材の内容を盛り込んだ力作で、彼女と高城を結ぶ重要な要素「陶器」と「台湾」に対するこれでもかという書き込みがこの作品の背骨を構成しています。
高城はそれ以上でも以下でもない一般人で、その他大勢の中に個性を埋没させるまさに一匹の「鰯」。暴力に屈しない精神力も、力も無いにも関わらず、色々な人達の協力を得て一歩づつ真相に近づいて行きます。
これ多分文章力の足りない作家が書いたとしたら、盛り沢山の要素を
処理し切れずに駄作になった可能性が有るのではないかと思います。
それくらいみっちみちに詰まっています。
それにしても台湾って近い上に好印象を抱いているのに、正直あまりよく知らない国です。文中でもそういった記述が有りましたが、名物や観光地、名所旧跡全く分からないです。台湾はいつか行きたい国なので行くときには調べて行く事にしよう。